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ー鼓動ー164
そして次の朝。
フッと俺は目が覚ますと、まだ俺は雄介の上だった事に気付く。
雄介の方も珍しくまだ起きてないようだ。
俺は何故か辺りを見回していた。
……いつもと違うような?
大きなベッドに大きなテレビ。 間取りもなにも島の家とは違う。
そして頭も覚醒してきて、
……あ、そうか……今は東京にいるんだっけ?
という事を思い出す。
たまに目が覚めた時にいつもと違う場所にいるとある事だった。
でも覚醒してくれば思い出す。 ここはどこどこだって事。
俺は雄介の上から体を退けると顔を洗いに洗面所へと向かう。
こういう所なのだから普通のホテルとは変わらない。 消耗品は置いてある。 だから旅行のように歯ブラシやくしなんかは買って来なくても大丈夫って訳だ。
俺がベッドの方に戻って来ても雄介は未だ寝たままだった。
俺はそこで暫く考える。
雄介が起きるまで何をしてたらいいのであろうか?
テレビを付けて見ててもいいのだけど音やテレビの光で起きてしまわないだろうか?
と思い流石にテレビは辞めておく事にする。
じゃあ、どうするか?
俺には携帯を弄ってネットとか見るとかいう事はしない。
いつもなら新聞とかを見て朝の時間は過ごしているのだが、こういう所では新聞もないだろう。
仕方なしに椅子に座ってボッーとしてるしか今はなかった。
こんな事なんて本当に珍しい事だ。
いつも何かと雄介の方が先に起きている。 そして島でなら朝ご飯を作ったりしていて雄介と話をしながら和也達が起きて来るのを待っているのだけど今日は島にいるわけではない。
でも今日は何で雄介は起きて来ないのであろうか?
そこも疑問に思う所なのだけど、とりあえず起きてくるのを待ってるしかなかった。
多分、昨日の疲れもあって雄介自身も今までの疲れがあって起きて来ないのかもしれない。
フッと俺は時刻を見る。
朝の七時だ。
やっぱりそうだ。 いつもの雄介なら六時には起きている時間だった。
ま、昨日は何時に寝たかさえ覚えてない。 俺の記憶が正しければ一回最中に時計を見た時には零時を過ぎていたのを思い出す。 という事は一時から二時の間に寝たのかもしれない。
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