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ー至福ー28
すると雄介はそんな俺に対して馬鹿にする事はなく、今度は優しく背中から俺の体を抱き締めてくれて、
「ホンマ、そういう事、気にすんなやぁ。 俺の方は望やったら、いつでもヤれるしな。 寧ろ、望とやったら毎日でもヤれる位なんやし。 なんやろなぁ? 望に求められる事が俺からしてみたら嬉しいっていうんかな? なんか望に認められたっていう感じがするからなぁ」
その雄介の言葉に俺の方は体から力が抜けていったような気がする。
本当に雄介って全体的に優しくて心までも温かい気がするからであろう。 いや気がするんじゃなくて雄介っていう人間は元から優しくて温かい人なんだと改めて気付かされてしまった感じがする。
俺の方はその雄介の言葉に安心したのか、それとも今は雄介だけとの時間だからだったのか抱き締めて来た雄介の腕を無意識のうちに掴んでいた。
「雄介……俺……本当にお前の事が好きだ……だから、きっと……その……体がお前の事を求めてしまうんだと思う。 後はある意味、俺自身が雄介の事を依存してしまうのが怖いと思っているのかもしれねぇ。 だから自分の中で抑えているのかもしれねぇな」
「望はそないな事、気にせんでええんよ。 俺の方はホンマ、望とは結婚したいと思ってる位なんやからな。 せやから俺だって望に依存しているっていう事になんねんやろ? まぁ、ホンマに俺と望が結婚出来たなら望の方はもう依存するとかっていうのを考えなくて済むのかもしれへんけどな。 だって結婚したらある意味、その人と一生ずっと一緒にいるって決めたのと一緒の事やろ? でも、俺の場合には望と結婚する前から望に依存しとるんやからなぁ」
雄介の口から出てくる言葉一つ一つに俺の体から少しずつ力が抜けてくれているような気がしてきた。
「ホント……俺も雄介と結婚したいと……思ってるからな」
そんな言葉、あまりにも俺からしてみたら恥ずかしくて言えなかったから小さな声で呟くように言っていた筈なのに、雄介の方はその俺の言葉をちゃんと聞いていてくれたらしくクスリとしていた。
ホント、恋人同士でこうやって話したりイチャイチャしたりする事って、小さな幸せなんだと思う。 いや小さな幸せでは失礼な気がするのだ。 本当の大きな幸せっていう事なんだろう。
もう今日の俺っていうのは体全体で幸せオーラに包まれたのだから、こう何かが解放されたという感じがあったのか気付いた時には背後にいた雄介に抱きつきそのままベッドへと雄介の事を押し倒してしまっていた。 そして自分から雄介の唇へと唇を重ね。 熱い吐息と共に雄介へと身を任せるのだ。
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