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14【完】

「··········あのさあ、二人とも」  あの後無事仲直りできた俺達は、"話し合い"をしたという形で他の奴らもいる生徒会室に戻った。  ーーのは、いいんだが。 「絶対ヤったよね?!あからさま過ぎない·····?!」  精液やら体液やらでぐちゃぐちゃになった制服からジャージに着替えたことで、俺達が空き教室で一体何をやっていたのかが完全にバレてしまったようだった。 「なかなか戻って来ないしさあ········。始めから"そう"だとは思ったよ?でもさ、せめてもう少し隠して欲しいんだけど·········?!」 「い········、いや、ヤってないから··········!!」 「·······咲良ちゃんさあ、せめてその「ヤってきました~」ってカオ、なんとかしてから来なよ。説得力ないよまじで」  類はジトっと俺を見た。「ヤってきました」って、俺は一体今どういう顔をしているのだろうか。確かめるように頬を手のひらでぺたぺたと触ると、俺の肩を抱いた朝日は「見んなよ」と類を睨み、ぐいっと胸に抱き寄せてくるのだ。  類は「いや見ないのは無理でしょ」と苦笑いをしていて、那智は「羨ましい·····!」とハンカチを噛んでいた。  すると灰田が咲良、と遠慮がちに呼んでくるのだ。振り返ろうとすると、朝日が俺の肩を抱く手にぐっと力を入れた。 「·····なんだよ、灰田」  朝日が低い声で灰田に目を向けると、「·····朝日もその·····、悪かったな。色々と」と灰田は目線を下げた。 「咲良に手を出したのもそうだし、お前らと生徒会に起こったこと、あの二人に聞いた。そりゃ咲良も俺に言い出せないはずだ」  ーーえ、生徒会のことって·····  バッと二人を見ると、那智は「大丈夫だ、咲良」と、うんうんと頷くのだ。 「勝手だけど説明させてもらったよ。彼は口も固そうだからね」 「·····いや、むしろ助かりました」  朝日には悪いが、そのことは俺も灰田に説明するつもりでいた。その方が早いだろうし、まだ知り合って間もないが、灰田なら言いふらしたりしないだろうと安心感もあった。  朝日をちらっと横目で見ると、なんとも複雑そうな顔をしていた。 「········お前、絶対誰にも言うなよ」 「言うはずねえだろ。咲良のプライバシーの問題もある」 「········ところで、咲良」  灰田は言い出しづらそうに俺を見やると、なにやら深刻な表情をしていて、おずおずと口を開くのだ。 「········お前、生徒会抜けた方ががいいんじゃないか?」  そりゃあそうか。あんな話を聞いた後なのだから、友人である俺のことが心配なのだろう。 「大丈夫だよ、灰田。いろいろ大変なこともあるけど、朝日もいるから」 な?と笑ってみせると灰田は、 「·····まあ、朝日がいるなら問題はなさそうだが·····」 と、ちらっと那智に視線を向けるのだ。  ーーまさか·····!! 「っおい········!!あんた灰田に余計なこと言っただろ········ッ!!!」  バッと那智を睨むと、奴は俺に向かってフッと微笑むのだ。 「人聞きが悪いな、咲良。俺は本当のことしか言ってないよ」 「入れてとねだられたり一緒に風呂に入ったりフェラしてもらっ「わー!!!なに言ってんだあんたッッ·····!!あと最後のやつはしてないだろうがッッッ!!」  すると類が「い、いいもんね~」と得意気に笑うのだ。なんだかこちらもかなり嫌な予感がするんだが。 「俺だって手でしてもらったしちゅーしてって甘えられたりなんなら押し倒され「微妙に話盛るなバカッッ!!」  「押し倒してはないからッッ!!」と息を切らすと、朝日はぐっと俺の肩を掴むのだ。  そのままじっと俺を見下ろす朝日の目には力が入っていた。怒られる·····!!そう思った俺は覚悟を決めてぎゅっと目を瞑った。  すると、朝日は那智と類に顔を向けるのだ。 「·····っは、あんたらそんなもんかよ」 「さっき俺とヤった時なんてたくさん名前呼んでくれたし何回もイってたし指うまそうにしゃぶってくれ「朝日までなに言ってんの??!?!!」  いや全部事実だけれども。朝日のは全部紛れもない事実であることは間違いないんだが。  類と那智はぐぬぬとでも言うように朝日を睨んでいた。そんな二人に朝日はふふんと口角を上げ、余裕そうな笑みを浮かべていた。  いたたまれなかった俺は熱くなった顔を隠すように下を向くと、ぽんっと後ろから肩を叩かれるのだ。振り向くと、灰田が憐れむような表情でこちらを見ていた。 「お前·····、苦労してんだな。話ならいつでも聞いてやるから、無理すんなよ」 「灰田········」  すると朝日は俺の肩を掴む灰田の手をパシっと払った。 「·····お前のこと、まだ許したわけじゃないから。気安く咲良に触んな」 「···········あ?」  朝日と灰田の間にバチバチと火花が散ると、二人の間に入った俺はなんとか二人をなだめ、その場を収めることができた。  朝日をなんとか説得して、灰田とは無事に友人に戻ることができた。二人は顔を合わせるたびに喧嘩をしていて、なんだか不安要素が増えたような気がするが、周りが賑やかになった俺は毎日が楽しい。  こんな日常がずっと続けばいいなと、今日も殴り合いになりそうな朝日と灰田の間に入って仲裁する俺なのであった。 END.

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