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第38話 一緒じゃないと意味ないだろ
次の日の朝。早く敦に逢いたい気持ちもあり、予定より一時間早く空港のロビーに着いた旭は、そわそわしながら敦の到着を待っていた。
初めて合う敦の友達に少しでもいい印象を残そうというのもあるが、アナルを拡張し終えてから初めて敦の部屋に行く事もあり、旭は勝負服の白い半袖のワイシャツと濃いカーキーのパンツを着てカーキーのサマージャケットを羽織り髪をきちんとセットした状態だ。
(昨日の夜にあんな事した後だし、顔合わせるの余計緊張するな)
緊張を紛らすため人の往来を眺めながら考え事をしていると、いきなり後ろから声がした。
「旭、おはよう」
呼ばれたと思った途端に、敦に後ろから抱きつかれ、驚いて後ろを振り返ると敦がいつものように笑っていた。
恥ずかしくなり正面を向くと、敦は覗き込むように旭を見る。
「予定より早く来て、どうしたんだ?」
「敦だって、早いじゃんか」
「俺は旭と早く逢いたくてさ。旭も俺と早く逢いたかった?」
「違う。明さんに逢うのに緊張して寝られなかったんだ」
本当は敦に早く会いたかったからなのに素直に言えない旭は、顔を赤くさせて剥れながら顔を逸らした。
「また、明かよ。それにしても今日の格好いつもより気合い入ってるな」
敦に後ろから、体全体を熱い視線で舐め回すように見らると、思わず体が疼いてしまう。
熱ってしまいそうになる体をどうにか抑えようと、旭は敦に素っ気ない態度をとった。
「第一印象は大事だろ」
「凄く似合ってるよ。可愛い」
耳元で低い声で囁かれるように言われると、抑えようとした欲が溢れてしまいそうになる。
「だから、これは明さんに!」
「はいはい。まだ時間あるからカフェでお茶でも飲みながら待ってようか」
敦はクスクスと意地悪そうに笑いながら、耳元から口を離す。
解放されて安心した旭は、急に来た尿意に体を震わせた。
「そうだな。じゃあ、その前にお手洗い行ってもいいか?」
「ああ、俺も丁度行こうと思ってたところだ」
敦が抱いていた手を解くと、旭が先頭になってお手洗いに向かって行き、それを敦が早歩きで追いかける。
「目的地一緒なのになんで先に行くんだ?」
「だって連れションなんて恥ずかしいだろ。それに何かされそうだし」
「何かって?何?」
「何かは何かだ」
顔を赤くしているのを気付かれないように、早歩きでお手洗いに向かった旭が先に扉を開けると、誰も中には誰もいなかった。
独特のアンモニア臭が漂っている洋式トイレにそのまま入り、扉を閉めようとすると、扉に誰かの手が挟まった。
「ひっ!?」
「痛っ!旭!いいからちょっと開けて!」
なんだ敦かと安心した旭は、痛そうなのでちょっと扉を閉める力を緩めた。
「敦!お前っ!隣空いてるだろ」
「俺は、旭のおしっこする姿見るために来たんだから一緒じゃないと意味ないだろ」
「やっぱりそういう事だろうと思った」
今度こそ扉を閉めようとすると、凄い力であっという間に扉を開けられてしまった。
「えっ」
何が起こったか分からない旭はその場に立ち尽くして、目の前に立つ自分に飢えた敦を受け入れるしかなかった。
入って鍵を閉めた敦は、そのまま旭と距離を詰めて抱きしめる。
「昨日の事、覚えてるか?」
キツく抱きしめられながら、耳元で低い声で囁かれると、昨日したテレホンセックスを思い出して、嫌でも体が火照ってしまう。
「お、覚えてるけど……」
「本当に孕ませるくらい激しいセックスしてもいいのか?」
耳たぶに唇が当たりそうな距離で、囁かれると段々と体の力が抜けていき、敦にしがみつく事しか出来なくなってしまう。
以前はこんなに感じはしなかったはずなのに、これも敦に開発されてしまったからなのだろう。
「こ……。ここでは、ダメっ」
「分かってるよ。こんな所じゃなくて、ちゃんとベッドでリラックスしながら挿れような」
「あっ♡」
耳元で囁きながら両手でマッサージするようにお尻を揉まれ、力が抜けた旭は敦に縋り付くように抱きついた。
耳まで赤くした旭を見ながら、敦は満足そうにクスクスと笑う。
「昨日、自分でいっぱいお尻いじったたもんな。気持ち良かったか?」
尻の割れ目を人差し指でなぞられると、体がビクッと跳ねて熱が上がってしまう。
「んんっ♡ここではしないって……♡」
旭は上を向いて軽く敦を睨みつけた。
エレベーターや会議室の時とは違い、いつ人が来るか分からない状況でこのままするのには少し、抵抗がある。
「旭が大人しく、俺の前でおしっこするって言うならしないよ」
意地悪そうにクスクスと笑いながらそう言う敦に、どこまで変態なんだと眩暈がしそうになる。
「じゃあ……おしっこする。座ってしていいか?」
「ダメ。立ったままして便座上げれば出来るだろ。ほら」
肩を掴まれて、便器の方を向かされる。
敦は旭の後ろから前のめりになり、片手で便座を上げて促す。
「変態……」
「旭にならなんと言われても構わないよ。パンツ脱がせてやろうか?」
「自分で脱ぐからいい」
「じゃあ、俺はシャツを脱がせようかな」
抵抗する間もなく、後ろから胸の辺りのボタンを手際よく外されると、隙間から手を入れられる。
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