6 / 83
逆愛《嵐side》5
ネクタイを外し、解放させてあげた。
洸弍先輩は息を切らして俺を見た。
「…大空か」
今まで勘違いしていた人物が俺だと気付いた様子だ。
体力がないからか、俺を殴る気力すらないんだろう。
その目で見られると、調子が狂う。
服従させたい。
恨みを晴らしたい。
―…はず、なのに。
なぜこんなにも胸が苦しいんだろう。
洸弍先輩はゆっくりと起き上がった。
「ベタベタだ…最悪」
洸弍先輩は自分の体に精液が付いているのを見て、ため息をついた。
「…すいません」
「タオル持ってこいよ。俺は立てねぇ…」
タオルの場所を指示され、何枚か持ってきた。
洸弍先輩は無言で拭き取る。
沈黙が続く。
「恨みは晴れたかよ?」
「え?あぁ…はい」
服従だとか、
恨みだとか、
もう関係なくなっていた。
「目隠し有りならいつでも抱かせてやるよ。お前とは体の相性いいみてぇだからな」
洸弍先輩が俺を見つめて言った。
その目は俺を見てない。
分かってる。
だけど俺は、先輩が気になって仕方ない。
この人に魅了されてる。
忘れもしない高1の秋。
それから洸弍先輩と体の関係が始まった。
ともだちにシェアしよう!