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逆愛Ⅱ《洸弍side》6
行為が終わって、俺はぐったりしていた。
大空は俺の髪を撫でる。
「汗かいてますね。シャワー浴びたほうがいいですよ」
「あぁ。借りる」
俺は少しふらつきながらバスルームに向かった。
シャワーを浴びながら気持ちを整理した。
今、ドキドキしてる。
久しぶりに綾くんに会えた時とは違う感情。
好きなんだ。
やっぱり俺は大空が好きなんだ。
でもあいつには気になる人がいて、それは叶わぬ恋だと言ってた。
人の気持ちを奪うことは俺には出来ない。
まぁ、同じ生徒会でいつでも大空とは会えるしいいか。
あいつが喜ぶことはしてやりたい。
そもそも、大空は俺のこと良く思ってないしな。
あんな酷い仕打ちしてきたんだ。
そういえば、まだ大空に謝ってなかった。
宮本から大空の過去を聞いて謝ろうと思ってたのに。
まだ謝れてない俺は弱いな。
そのうち、謝ろう。
「洸弍先輩!」
「よぉ、大空」
昼のランチルームで大空に声をかけられた。
相変わらず2人前持ってきてるし。
「英語の提出物、よく出来てるって褒められました」
「良かったな」
本当、犬みたいな奴だな。
「またパンですか?」とか笑ってやがる。
こうして大空の笑顔を見てられればいいと思った。
「そういえば、お前の気になる人って住谷マリなのか?」
「え!?違いますよ。マリちゃん今は彼氏いるし」
「へぇ。でも叶わぬ恋って言ってたよな?」
「まぁ…その人には好きな人がいて、しかも俺は嫌われてるんで」
住谷マリが好きな人じゃないと分かって、少し嬉しかった。
好きな人に好きな人がいるっていうのは、昔の俺と同じだ。
綾くんを好きで、綾くんは兄貴が好きで、辛かった時代。
「まぁ、頑張れよ。ちゃんと話せばお前の良いとこ分かってくれるんじゃねぇの?」
「だといいんですけど…」
「じゃあ俺は行くわ。よく噛んで食えよ」
次の授業の準備をしないといけない。
昼食の次の授業に解剖をするなんて、足利槞唯は悪趣味だと思う。
俺はあの教師も苦手だ。
「洸弍先輩!」
席を立った瞬間、大空が俺を呼んだ。
「何だよ」
「俺の良いとこって、どこですか?」
何を言い出すかと思えばこの質問。
そんなの決まってるじゃねぇか。
「犬みたいに単純で、素直なとこだ」
単純で素直で、がむしゃらなとこ。
俺は大空のそこが好きだ。
だけどお前の恋を応援するよ。
それから俺の中心は、綾くんから大空に変わった。
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