「あのさ、今のおっさん誰？」 「え？あ…、夕には関係ない人」 「…は？」 まあ、確かに俺は伊織の幼馴染ではあるけど、恋愛とか他の交友関係に関して口出しする権利はない。 …けど、何でこんなにイラつくんだろう。 「もう、お腹いっぱいだし、店でよう？」 「…」 伊織が空気を変えようとしてるのに、どうしても自分の機嫌がコントロールできない。 いつもはこんなんじゃないのに。 とりあえず、会計をして店を出る。 「じゃ、じゃあね」 「あのさ、またあのオッサンとヤるの？」 「なっ…、だから、夕には関係ないじゃん」 「今日は俺とホテル行こうよ」 「夕とはしない」 「なんで？」 「夕は…、あの人たちとは違うから」 あー、もうだめだ。 本当に今日は、伊織に腹が立って仕方ない。