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第17話

「これであってる?」 「…っ、知らない」 俺の後ろの穴を弄りながら夕が問いかけてくる。 いつもは自分でテキパキやるので、遠慮がちに弄られるのはムズムズするし、しかも相手が幼馴染って…、恥ずかしすぎて死にそう。 恥ずか死ってこの世に存在するんだろうか… 「教えて、伊織」 「さっきからその顔ずるい」 無理矢理ここに連れてきたくせに、そんな捨てられた犬みたいな顔をするのは卑怯。 しかも、夕が言ったんだ… 夕のことは好きになるなって。 「んぅっ…」 ぐるぐると考えを巡らせていたら、夕の指が俺のいいところを掠めて、思わず声が出る。 「ここ、気持ちいい?」 そう言いながら、グリグリと押してくる。 「やめっ…、そこやだ!!」 「伊織、かわいい」 「かっ…?!」 俺が可愛い?? 何がどうなって俺の幼馴染は、男に可愛いという感情を持つようになったんだ? しかし、好きな人から言われる「可愛い」という言葉に、不覚にもキュンとしてしまう。 「可愛いっていうと、伊織のここ、キュってなるね」 「…、最悪。2度と言うな」 「無理だよ。可愛い人に可愛いって言いたい」 「勝手にしろ」 一生懸命に俺の後ろの穴を弄る夕から目を逸らす。 なんなんだよ、こいつ。

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