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第24話

  とりあえず、会う頻度を減らすのは 俺が無理なので諦めるとして… ヤる頻度を減らそう。 正直、それも少し辛い。 でも、伊織の方がきっと 身体的に辛いだろうから我慢だ。 授業が終わって、すぐに伊織の家に向かう。 付き合ってからというもの、 スケジュールの共有アプリを使って お互いの授業とかバイトとかの予定は 把握している。 この話を先輩にしたところ 普通にドン引きされてしまった。 「君って意外と重いんだね。それを受け入れた彼女もなかなかのヘビー級だよ」 と言われてしまった。 今までの彼女にたいしては そこまでしたことがなかった。 伊織に関しては不安なのだと思う。 俺の知らない交友関係がたくさんあるし。 インターフォンを鳴らす。 出てきた伊織に 「やっぱり夕か。また泊まるの?」 と言われた。   「うん。迷惑だった?」 と、普段は聞かないことを言ってしまう。 どうやら俺は無意識のうちに不安になっていたようだ。 「なに今更。べつに構わないけど」   伊織は驚いた顔をした後、怪訝そうに 俺を家に招き入れた。 ちょっと聞き返しただけで 怪訝そうな顔をされるなんて… 俺は今までどれだけ我が物顔で 伊織の家にお邪魔していたんだろう… いつものように晩飯を食べ、 雑談をしたりダラダラしたりしながら お互いそれぞれ風呂にも入った。 先に入浴した伊織が準備を整えて ベッドに入っている。 そこに俺も入り込んで、 おっ始めるのがいつものパターンだ。 でも、今日は我慢だ。 良い匂いのする伊織にムラつきつつ、 抱きしめながら眠りにつく。 抱きしめるくらいは許してほしい。 「今日は…、寝るの?」 不安そうな顔で伊織が俺を見る。 可愛い。 じゃなくて、我慢だ。 「うん。おやすみ」 「…おやすみ」 もぞもぞと伊織が動いて 俺に背を向ける形で眠りについた。 ヤったあとは伊織が先に寝落ちるので 寝顔を見ながら頭を撫でて 俺も寝るのがいつも通りだ。 寝顔を拝めないのが悲しいけど 我慢できた自分に満足して 伊織の後頭部に唇をつけて瞼を閉じた。

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