99 / 384
恐れていた事態
修了式の日。僕たちは2年生の教室に別れを告げ、春休みを祝いカラオケに来ている。
ここ暫く、純平くんと昂平くんに警戒し続けてい所為で、みんな神経がすり減っていた。けれど結局、何事もなく春休みを迎える事ができたので、ちょっとした気分転換に良いと思ったのだ。
「ねぇ、朔はカラオケって来たことあるの?」
僕はコソッと聞いてみた。
「初めてだ。思ってた以上にうるせぇな」
「ね。僕もびっくりした。ボウリングの時もびっくりしたけどね」
「なになに? 朔と結人、カラオケも初めてなん?」
やはり珍しいのだろうか。ドリンクを入れてきてくれた啓吾が、隣に座るなり言った。
「うん。歌····あんまり知らないや」
「普段、曲聴かねぇの?」
「う、うーん····、皆が聴くようなのは聴かないかなぁ」
「へぇ〜。何聴いてんの?」
「······アニソンとかボカロとか、そういうの」
「そっか、結人オタクだったな。全然そんな感じしねぇから忘れてた」
「アニソンでもいいじゃん。ボカロは俺も聴くよ。今日はね、ゆいぴが歌ってるとこ見たくて連れてきたんだから」
「そうなの!? ごめんね。僕、歌わないよ。音痴だもん」
「うわ、余計聴きたい。笑わねぇから歌って?」
「えー、やだよ」
「俺も歌わねぇぞ。俺はクラシックしか聞かねぇから、お前らが聞いてたロックとか、ああいうのは知らねぇしな」
「朔もかよ! つかクラシックって····歌ねぇの?」
「····お前、本当にアホなんだな」
朔が憐れむような目で啓吾を見る。りっくんはそんなのお構い無しで歌い出す。1曲目からしっとりとしたバラード。これ、きっと僕に向けて歌っているんだ。歌詞が重い。
「りっくん、歌上手いね」
「莉久、彼女とのデートがめんどくなったらカラオケ来てたもんな。俺引っ張ってきて」
「啓吾····、殴るよ」
「いいじゃん、今更だし。別に隠すような事でもないだろ。それにさぁ、女の子達すぐ自慢し合うから皆知ってんじゃん」
「あぁ。りっくんが彼女に、めちゃくちゃ塩対応だって聞いたことはあるよ」
「俺も聞いたことあるぞ。今思えば、本当に莉久の話だったのか信じらんねぇな」
「だよね。僕には鬱陶しいくらい甘いもんね。なんでなの?」
「ゆいぴ、俺鬱陶しいの?」
「····たまにね。変態過ぎて胸焼けしそうになるよ。で、なんでなの?」
「そんなに気になる?」
「なるね」
「んー····あんま言いたくないんだけどなぁ······」
りっくんが渋っているのに、さらっと漏らしてしまうのが啓吾だ。
「そういや莉久の元カノってさ、結人にそっくりな子ばっかじゃなかった?」
「啓吾、口縫うよ」
「え、怖····。マジで? なんかごめんて」
「りっくん、ホントなの?」
りっくんは、照れて首を擦りながら説明しだした。
「いや、まぁ····。確かに、ゆいぴに似てる子ばっかだったよ。で、ゆいぴと違うなってトコばっか目につくんだよね。一緒に居るとそんな事ばっか考えちゃって、無意識に冷たかったのかもしんない····。俺の頭ん中、ゆいぴの事しかなかったからね」
「それな〜。莉久が結人の事好きだってわかった時さ、莉久のタイプがああいう子っつぅんじゃなくて、結人の代わりだったんだってわかってスッキリしたんだよな」
「お前、マジで重症だな。そんなんでよく女で誤魔化せると思ったな」
八千代が心底呆れた顔をしている。
「自分でも無駄な足掻きだったと思ってるよ」
「りっくん、本当にバカだねぇ。でも、そういう所も好きだよ。愛されてるなぁって思っちゃう僕も、かなり重症だね」
「ゆいぴ····」
りっくんが泣きそうな顔で僕を見る。さっきまで甘い声で歌っていた人と、同一人物とは思えないくらい情けない顔をするんだ。
「なぁ、場野は歌わねぇの?」
「歌わねぇ」
「お前らねぇ、カラオケって歌うとこだよ? 何しに来たんだよ····」
「僕は、皆の歌が聴けたらいいなぁって思って····」
「ほら〜、結人が聴きたいって〜」
「知らねぇもんは歌えねぇだろ」
と言った朔のために、啓吾が童謡を入れて歌わせた。『それなら知ってる』と言い、“おつかいありさん”を真面目に歌う朔が面白くて、みんな笑いを堪えるのに必死だった。
「朔、歌は上手いんだね。苦手とかじゃなくて、本当に知らないだけなんだ」
「あぁ。母さんがクラシック好きで、小さい頃ピアノも習わされてた。母さんの影響で、クラシックばっか聴いてたからな。ごちゃごちゃした歌の良さはわかんねぇ」
「ピアノも弾けるんだ。今度聴きたいな」
「いいぞ。実家に帰ったら良いグランドピアノがあるんだけどな····。音楽室ので良かったら、今度弾いてやる」
「やったぁ」
「で、場野は何歌う? 場野も童謡?」
啓吾は、笑うのを我慢しながら八千代に聞いた。
「歌わねぇって····。結人、やめろ。んな目で見んな」
「歌わないの?」
「······はぁぁ····。1曲だけだぞ。大畠、それ貸せ」
八千代は、啓吾から機械を取り上げて曲を入れた。
僕の好きなアニメの曲だ。有名なアーティストが歌っていて、最近話題になっているやつ。どうして知っているのかなんて、野暮なことは聞かない。あと、物凄く上手い。歌い出しから聴き惚れてしまった。
「皆、歌上手いねぇ」
「啓吾は歌で女の子落としてたもんねぇ」
「おまっ、莉久····仕返しかよ」
「別にぃ? 今更でしょ」
「そんなに上手いんだ。早く啓吾の歌も聴きたいなぁ。けど····りっくん、ねちっこい····」
「そうだぞ。ねちっこいぞ〜」
とまぁ、僕は歌わずに皆の歌を聴き、耳が幸せな時間を過ごせた。ドリンクの補充やトイレにも誰かが付き添い、決して1人になる事はなかった。
だが、僕は今、純平くんと昂平くんに拉致されてしまっている。
啓吾とトイレに行き、部屋に戻る途中の事。ほんの一瞬、僕の後ろに下がった啓吾の『んぁ゙っ』と言う呻き声と共に、壁に叩きつけられる音がした。驚き振り返ると、啓吾が腕を押さえて倒れていた。
瞬く間に純平くんが僕を抱え、カラオケの一室へと連れ込んだ。そして、その部屋には昂平くんが居た。
「先輩暴れすぎ。口塞ぐの大変だったんだけど」
「結人くん、手荒な事してごめんね。こうでもしないと、結人くん1人にできなくて····」
「啓吾は!? 何したの!?」
「あぁ、あれでしょ。昂平が言ってたチャラ男先輩? 蹴って壁に当てただけだよ。ひるませるだけのつもりだったんだけどさ。壁で頭打ったみたいで、気絶したっぽくてラッキーって感じ」
「純平、やりすぎ。頭はマズイでしょ」
「大丈夫じゃない? 『ゆいと····』って呻いてたし」
純平くんが啓吾の真似をして言ったのを聞いて、腸が煮えくり返った。
「なっ····なんでこんな事するの!? 啓吾が2人に何かしたの!?」
「してないよ。先輩拉致んのに邪魔だっただけ。てかさぁ、あんな堂々と腰に手ぇ回してさ、イチャつき過ぎでしょ。一応隠してんだよね? しっかり隠さなくちゃダメだよ。ホンット····なかなか離れないから待ってんの怠かったんだよね」
長々と喋りながら、純平くんが僕の口に指を差し込んで上顎を擦る。背中がゾワゾワするのに、段々気持ち良くなってくる。無機質な瞳でを見つめてくる純平くんが怖いのに、与えられる快楽に抗えず声を漏らしてしまう。
「んぁ····ぅえ゙っ····」
舌を押さえ、時々奥まで指を挿れられる。嗚咽を漏らすと、純平くんは嬉しそうに頬を紅潮させた。
「純平、結人くん苦しそうだろ。いい加減にしろよ」
「は? この人、多分苦しいの好きだよ。目、トロンてしちゃってんだけど」
「マジで? ····ホントだ。やばい、可愛い」
「昂平がマジで好きだつってたん、この人でしょ」
「······そう。だから手ぇ出すなよ。結人くんこっちに頂戴」
「いーよ。俺は昂平の後に貰うから」
僕は、純平くんに投げられるようにして、昂平くんへと渡される。
「え、やだよ。手ぇ出すなって言っただろ。純平にはさせない。結人くんヤんのは俺だけだよ。つぅか結人くん投げんな」
「マジで言ってんのかよ。ふざけんなよ? 俺が拉致ってきたんだけど」
「ん····どっちとも、シないからね····もう、離してよ」
僕は、昂平くんに掴まれている手を振りほどこうとした。が、どう頑張っても力では敵わない。
昂平くんは僕を引き寄せて、耳を舐りながら喋り始めた。
「結人くん。俺、ずっと結人くんの事好きだったんだよ。結人くんがビッチみたいになっててショックだったんだけどさ、それなら俺も相手してもらおうかなって思ったんだよね」
「ビッ····チかもしれないけど、僕は皆の事好きで、皆もそれでいいって言ってくれてね、それで付き合ってるの。誰でも良いわけじゃないんだよ」
僕が拒絶すると、昂平くんは僕の顎をクイッと持ち上げ、目を細めてニコッと笑った。
「知ってるよ。相手に場野がいるのも知ってる。だからさ、ちょっとだけ利用させてもらおうかなぁとも思ってるんだ。でも、俺が結人くん好きなのはホントだから、信じてください」
なんて頬を赤らめたって、これを告白として受け止められる状況ではない。
「待って、八千代に何かするの? 酷い事しないで!」
「するよ。普通に喧嘩しても勝てないからね。卑怯なのはわかってるけど、そんくらいしたいんだよ····。アイツさ、めっちゃ楽しそうに俺の事殴ってたの。謝ってんのに。腹立つの通り越して怖かった。よくそんなのと付き合ってるよね。アイツはヤバいよ」
「今の八千代は、そんなに危なくないよ。僕と付き合うようになって変わったんだよ」
「変わったからって何? 俺は中1ん時にね、喧嘩ふっかけたらボロ負けしたの。んで、舎弟のフリして弱味探ってたんだけどさぁ、何にも出ないんだよね。途中で気づいたんだけど、俺ってただのサンドバッグだったみたいでさ。挙句、久しぶりに会ったら俺のこと覚えてもないの。酷いでしょ」
「それは····。でも、2人とも自分からいって負けたんでしょ? それって逆恨みだよね」
「だね。まぁ、なんでもいいじゃん。場野くんに仕返しできて、昂平は好きな子と結ばれて。超めでたしじゃん」
やはり、純平くんは少しヤバい人だ。考え方が狂気に満ちている。僕の気持ちなんてお構い無しじゃないか。それに、啓吾を巻き込んだ事だって何とも思っていないようだ。
「昂平くんも、純平くんと同じなの? 僕の気持ちなんて、どうでもいいの?」
「俺の事好きになってほしいと思ってるよ。て言うか、好きにさせてみせるよ」
頬に手を添えて、泣きぼくろの似合うイケメンにこんな事を言われたら、トキメクのはもはや生理現象だ。
「だ、ダメだよ。ごめんなさい。僕、昂平くんの気持ちには応えられな··んあっ····なっ、やぁ····」
昂平くんが、僕の首筋に舌を這わす。その隙にシャツのボタンを外し、あっという間に脱がされてしまった。
「うっわ。痕えぐ。これ噛み跡もあんじゃん。先輩、ドMなんだねぇ。俺もやっていい?」
「だめっ、やだぁっ!」
僕の非力な抵抗も虚しく、純平くんに腰を噛まれた。
「い゙っ····ん゙ぃ゙あ゙っ······やぁっ」
「あーっはは。声えっろ····。昂平、早くヤれよ。俺待てない」
「だから、お前にはヤらせないって言ってんだろ。挿れんのは俺だけ」
「口は? 口くらいいいだろ」
「······噛み千切られても知らないよ」
「やだっ、やめて····お願い、皆のとこに帰して····」
涙が止まらない。力で全く敵わない僕は、情けなくも懇願する事しかできない。
「結人くん、泣いてんのも可愛いよ。ホントにね、ずっと好きだったんだ。だから、帰してあげらんない。ごめんね」
昂平くんは幾分か物腰が柔らかいが、2人は本質的に同じなのだろう。きっと、解放してはもらえない。
けれど、これ以上皆が傷つくのは嫌だ。何より、早く啓吾を助けないと。
「やだよ! 僕は皆のものなんだからっ! 他の人とはえっちな事しないの!! ひっ、い゙あ゙ぁっ!?」
威勢のいい事を叫んだが、昂平くんにお腹を噛まれて脱力してしまった。
「結人くんザコ過ぎるでしょ。そんなんじゃ、俺らからは逃げらんないよ」
純平くんが僕の耳を食み、昂平くんが下半身を弄り始める。
「あれ? 準備できてるね。もうシた後だったりする?」
ご明察。今朝、啓吾と八千代に襲われたのだ。
朝早くに、八千代が迎えに来て家に連れていかれた。昨夜の電話が原因らしい。寝ぼけた僕が煽ったらしく、6時に電話がかかってきて起こされた。
電話の事はあまり記憶がなくて、言われるがまま準備して行ったのだが、着くなり洗浄されて2人がかりでヘロヘロにされた。おかげで今日は、遅刻ギリギリだったのだ。
「シ····て、ない」
「んじゃ、なんでこんなにやわやわなの? 括約筋死んでんの?」
「生きてるよ! むぅー····朝シたから······」
「誰と?」
「八千代と啓吾と····」
「ふぅーん····。じゃ、俺が綺麗にしてあげるね」
「やっ、ちょっ、昂平くん!? そんな所舐めちゃダメだよぉ! ひあぁんっ」
「ダメなのに気持ち良いんだ〜。先輩、顔真っ赤。可愛いなぁ」
純平くんが瞼にキスをすると、反射的に目を閉じてしまう。それを指で無理矢理開き、純平くんは目玉を舐めようとした。
「ひあぁぁっ!! 何!? 目、目舐めないで! やらぁっ」
「ちょ、結人くん。暴れないで。痛っ····」
純平くんに抵抗しようと暴れたら、昂平くんの頬を蹴ってしまった。
「ごめっ、昂平くん、ごめんね。大丈夫?」
「ははっ。泣いてる結人くんに心配されちゃった····。大丈夫だよ。けど、お詫びはしてもらうね」
「なに? 何するの? えっ、やだ····ダメ! 挿れないで! お願い、挿れ、ちゃ····んぁっ、だめぇ······」
おちんちんをグッと穴に押し当てられる。このままでは挿れられてしまう。必死で昂平くんのお腹を押すが、僕の力では全く意味をなさない。
「やだ。挿れるよ」
昂平くんのおちんちんが、ズプンと入ってしまった。入ったもの勝ちと言わんばかりに、ぬちゅぬちゅと奥まで進行してくる。
「ひぅっ、やだっ、抜いて! 抜いてぇ!! 抜いてよぉ······うっ、ひっく····昂平くん、やめてぇ·····」
お詫びと称して強要されるセックス。挿れられるのは時間の問題だったのだろうけれど、自分でそれを早めてしまったのだ。
昂平くんは僕の頬を撫でて、悲壮な顔で僕を見つめる。
「無理矢理シてごめんね。でも、こうでもしないと場野から盗れないんだもん。····俺じゃヤだ? 俺の事、好きになれない?」
「な、なれない····と思う。ごめんね。····ねぇ昂平くん、好きな人が嫌がる事しちゃダメだよ」
この期に及んで、昂平くんを諭そうとしている自分に嫌気がさす。
「結人くんは綺麗だね。心がすごく綺麗。俺が好きだったまんまだ」
「綺麗なんかじゃ、ない····んくっ、そこやだ、突かないで····」
「ここ? これ気持ち良いんだ。すげぇ締まる。結人くん小さいからかな。余裕で奥当たるね。根元まで挿れるから。しんどかったら言ってね」
「ひっ、らめっ、奥はぁっ!! イッ、んあぁぁっ!!」
「え、結人くん噴けるの? すっげ。エロ過ぎんでしょ」
「この人、奥いけんじゃねぇの?」
「は、入らにゃい。無理だよぉ····奥挿れないでっ! 結腸挿れないでぇ!!」
「あ〜····これイケそうだね。大丈夫だよ。俺、慣れてるから」
昂平くんは、奥の扉をグイグイと押し上げ、加減を確認する。おへその下を指で押し上げて、一息に扉をぶち破る。
「ん゙あ゙ぁ゙ぁぁっ····ぅえ゙····んぷ····らめ、吐いちゃう······」
「ここで吐かれるのは困るなぁ。昂平、加減してあげなよ」
「いや、無理だって。良過ぎてさ。おえってなる度すげぇ締まんの。腰止まんねぇ」
そう言って、昂平くんはずっと奥でぐぽぐぽしている。けどこんなの、りっくんや啓吾のしつこさに比べれば可愛いものだ。
「ぅぶっ····お願····やめ、ん゙ん゙っ····も、やだぁ······」
「結人くん、こっち向いて」
昂平くんに顎を持ち上げられ上を向く。長身を活かし、覗き込むようにしてキスをした。顎を持って指で舌を押さえられ、容赦なく喉の奥まで犯される。
「ちょっとぉ、俺ヤることないじゃん」
「煩いなぁ。んじゃ、はい。口でシてもらえば?」
顎を持って指で舌を押さえたまま、純平くんのおちんちんを迎えさせられる。
「そだねぇ。って、昂平が好き勝手するから出来なかったんじゃん」
昂平くんに言われ、純平くんがおちんちんを口にねじ込んできた。遠慮なく奥まで突っ込むものだから、息ができなくて苦しい。
「んぅ····ふ、ぁ゙····んぇ゙······」
「先輩、嘔吐 いてんのかーわい〜。どうしよ。俺、先輩の事好きだわ」
急に真面目な顔をして、純平くんが言った。まっすぐ見つめてくる瞳から目を逸らせなくて、胸がひとりでに高鳴ってゆく。
「は? 何言ってんの、純平。ふざけんなよ」
「あはは。何怒ってんの? 大丈夫だよ。本命はお前だけだから」
「······え?」
どういう意味だろうか。と言うか、何がどうなっているのだろうか。
昂平くんは僕のお尻に、純平くんは僕の口に突っ込みながら、2人がキスし始めたじゃないか。
「えぇぇぇぇ!!?? なっ、何してんの!? 兄弟でしょ!? えぇっ!?」
「あ〜、びっくりした? 俺ら、小さい時に離れちゃってさ、兄弟って感覚あんま無いんだよね。けど、誰よりもお互いを分かり合える。そしたら、なんかすげぇやらしい気持ちで好きだって思っちゃったんだよね。多感な時期だしぃ? んで、今はこうなってんの」
と、純平くんが昂平くんの首筋に舌を這わせながら説明してくれた。想像以上のヤバさだ。
「昂平くんは僕が好きって····え? でも、純平くんが僕を好きになるのは嫌なの? 我儘過ぎない!? 待って、僕、え、何? なんで犯されてるの?」
「結人くん、落ち着いて。俺は純平も結人くんも好き。ちょっと違う好きなんだ。純平は居ないと無理。結人くんは手に入れたい。····わかる?」
「わっかんないよ! やんっ····んぉ゙っ」
昂平くんが突き上げて、純平くんが喉奥に捩じ込む。黙れということだろうか。
「結人くん、イクよ。奥で受け止めてね」
「先輩、俺も。吐き出したらもう1回だからね」
「んぶっ、ぇ゙あ゙っ、あ゙っ、ぅ゙お゙ぇ····ぅ゙ぅ゙ぅっ」
2人は、僕の頭上で激しいキスを交わしながら、まったく同時にぶち撒けた。流石双子とでも言おうか。
「結人くん、大丈夫?」
「大、丈夫な、わけっ、ひくっ····ないでしょ!! 昂平くんのばかぁっ! 純平くんもばかぁっ!! 2人とも大っ嫌いだぁ」
僕は、小さな子供のように泣きじゃくった。可愛い弟のように思っていた後輩に、こんな風に滅茶苦茶に犯されるなんて辛過ぎる。それに、2人の関係に理解が追いついていない。
「僕は、昂平くんのものにも、純平くんのものにもならないからねっ! うぅ〜っ····皆の所に帰るから! だからパンツ返してよぉ····」
「先輩、めっちゃ泣くじゃん。ちっちゃい子かよ」
「純平、結人くん可愛いだろ?」
「可愛いねぇ。2人で飼うってのどう? マジで俺も突っ込みたくなったんだけど。昂平、絶対挿れさせてくれないもんね」
「当たり前だろ。ケツは挿れるもんであって、挿れられるもんじゃないよ」
「何その理屈。俺と先輩に謝ってほしいんだけど」
「昂平くんと純平くんは、こ、恋人同士なの?」
「恋人····まぁ、そんな感じ? 付き合おうって言ったことはないけどね。昂平は独占欲が強いんだよ。自分は先輩のことも好きとか言うのにさ、俺が昂平以外とシたらキレんの。理不尽だと思わない?」
「それは····勝手すぎるね。待って、性事情乱れすぎてない?」
「大丈夫だよ。ケツは昂平にしか使わせてないから。他は俺がタチだし」
なんてイイ顔でグッドサインを掲げてくれるんだ。
「たち····? 何が大丈夫なのかわかんないんだけど····。僕、そろそろ逃げてもいいかな····?」
「いいわけないでしょ。もっかいするよ」
「はぁ!? シないよ! やだっ、離して! 挿れな、いぅんっ、はぁっ····なん、さっきより、おっき····もうやだぁ····抜いてぇ······」
「泣いてる結人くん、すげぇ興奮する」
「なぁ、昂平。先輩持ち上げて、ケツこっち向けてよ」
「······ったく。しょうがないな。こんだけ緩んでたらいけるかな。いいよ、特別だからね。純平もおいで」
昂平くんは僕を抱き上げると、純平くんにお尻を向けて穴を拡げた。そこに、純平くんがおちんちんを押し当てる。
「んぎぃっ····にゃ、にゃに····んにゅぅっ····へぁっ!? ままま待って!!? そんなの無理だって、お尻壊れひゃっ、ひあ゙ぁ゙ぁぁぁぁっ」
「流石にキツいね。先輩、力抜いて。穴、裂けちゃうよ」
ほんの少し押し込まれただけで、ミチミチとお尻が悲鳴をあげている。流石に2本だと、朔のが入っている時よりも拡がるようだ。
「やだやだやだぁっ!! 怖いっ、やめてっ!! 抜いて、抜いてぇ!!!」
「うるっさいなぁ。昂平、口塞いで。流石に人来ちゃうよ」
「ん。結人くん、静かにしてて」
昂平くんはキスで口を塞ぐと、僕の乳首を抓り上げた。
「ん゙ん゙ん゙ん゙っっ!!」
「お、緩んだ。せんぱ〜い、乳首イキできるんだ。可愛い、ねっ」
勢い任せに、無理矢理亀頭を捩じ込まれた。幸い痛くはないが、お尻が焼けそうなほど熱くて苦しい。
「ん゙ぅ゙っ、かはっ····らめ、入んな····死んじゃぅ······抜い、て····」
「昂平、ローション追加すんね」
「ん。あんまべちょべちょにすんなよ。片付けんの大変だから」
「わかってるよ。もうちょい捩じ込むだけだから」
ローションを垂らし、少しずつ純平くんが奥へと進んでくる。苦しくて怖くて、声すら上手く出せない。
「んっ、くぁ····」
もう限界だ······。
意識が飛びそうになった瞬間、僕のスマホが鳴った。
ともだちにシェアしよう!