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甘すぎるよ

 文字通りの串刺しにされている僕。  朔が、膝立ちでしっかり腰を持ち上げているものだから、僕はほぼ宙に浮いている。爪先が、かろうじてシーツに触れている感覚があるだけ。手は、りっくんの腰を掴むのに必死だ。  要するに、身動きが取れず逃げる術などない。これを、後で八千代と啓吾もやる気らしい。あの2人に捕まったら最後、本当に殺されちゃう気がする。  喉に深く挿したまま、りっくんは早々に射精した。僕の限界を察知してくれたのだろう。相当苦しかったけどね。  そして、そぅっとベッドに手を着かせてくれた。いやいや、待ってよ。朔が腰を持ち上げたままなんだけど。  朔は僕を少しだけ回転させ、横向きにベッドへ寝かせた。それから、片脚を持ち上げさらに深く押し込む。 「んぎゅぅぅ····深ぁ゙··お、(にゃが)··(あちゅ)····破ぇぅ····」  朔が僕の耳に口を寄せる。当然の事ながら、おちんちんがグッと奥に押し込まれた。叫び声に近い嬌声に混じえて、朔がこう囁く。 「俺のちんこだと破けるかもな。破ってやろうか?」  くすっと笑い、耳輪を噛んだ。冗談····だよね? 本当に破ったりしないよね?  僕は少しビビって、お漏らしをしてしまった。だって、噛みながら脚を広げて、もっともっと奥へと押し込むんだもん。 「ふはっ、怖かったのか? まだ完勃ちしてねぇから大丈夫だぞ」 「んぅ····そぇれも、全部(じぇんぶ)(くぅ)ひぃよ。も、お(にゃか)いっぱい──」  りっくんの足に抱きつき、朔に視線をやりながら言うと、食い気味でとんでもない答えが返ってきた。 「まだ全部じゃねぇぞ」 「····んぇ?」  これで全部じゃないの!?  もしも完勃ちしていたら、今でも全部挿れちゃってたら、本当にお腹を突き破られていたのだろうか。そんな事ができてしまうのだろうか。朔は、どこまでが本気か分からないからドキドキする。  悠長に話しているようだが、その表情は艶めかしく歪んでいる。絶頂が近いのだろう。  朔は、僕が声も出せないほど奥へ抉り込ませ、そこをまた熱くする。抜かずに2回シたとは思えないくらい、長くて重い射精だ。  これが1周目かと思うと先が思いやられる。もう既に、立てないし呂律が回らない。気絶も時間の問題だ。   なんて思っていたら、復活した啓吾が僕の顔に跨った。····嘘でしょ。 「啓吾··待っ··休ましぇて····」 「えー、もうへばってんの? まだ1周目じゃん」 「らって··皆、今日激しいんらもん。僕、こんな気持ちぃの、死んじゃうよぉ」  啓吾の腰に抱きついて、落ち着くよう宥めたつもりだった。まさか、そのまま口を犯されるとは思わないじゃないか。 「おい啓吾、水くらい飲ませてやれよ」  早速、朔が“啓吾”と呼んでいる。呼び慣れないのか、少しぎこちない。 「水····ザーメンでいい?」 「いいわけねぇだろアホが。ぉら、1回降りろ」  八千代が、啓吾の後ろから頭を(はた)いてから蹴落とした。 「ってぇ〜。冗談じゃんかぁ〜」 「啓吾の場合、本気でやりそうなんだよ。バカだからね」 「あぁ、バカだもんな」 「んっとにアホすぎんだよ」  酷い言われようだ。ムスッとした啓吾は、僕の隣に寝転がり、僕を抱き締めて拗ねてしまった。 「んじゃ、休憩終わったら俺が抱くかんな。それまで離さねぇから」 「んへへ♡ 啓吾、好きぃ」  僕は、啓吾の腕の中でモゾモゾ向きを変え、ギュッと抱き返した。胸に顔を(うず)めているから分からないが、多分ニコニコしているのだろう。啓吾は『んはっ♡』と笑って僕を抱き締める。  いつの間にか後ろには朔が居て、2人に挟まれイチャイチャが止まらない。なんて幸せなんだろう。  イチャついている時は、無邪気な子供みたいに甘えてくる啓吾。朔も、ずっと背中に吸い付いていて、啓吾に負けず劣らずの甘えん坊だ。  けれど、キスを繰り返していると不意に、啓吾が耳元で()に戻った。 「結人、もう挿れていい? 我慢できねぇんだけど」 「ひゃぅ··!? そ、そんな急に····ズルいよぉ」 「狡いのは結人だろ。めっちゃ()()されてんのにンな可愛いんだもん。我慢の限界だっつぅの」  啓吾は僕を上に乗せ、お尻を浮かせて開いた。硬くなったおちんちんが、僕のナカを犯しに挿入(はい)ってくる。 「自分で限界まで入れてみ」  言われるがまま、自ら啓吾のおちんちんをお腹いっぱいに飲み込む。奥で限界を感じ、ここまでだと伝える。すると、入っている先端の辺りを、啓吾が指で押して刺激する。 「ここ、もうちょい行くよ。さっくん、結人の手ぇ後ろで持ってて」  朔は僕の手を後ろで組むと、しっかりと持って押さえる。一体、何をする気なのだろう。 「んじゃ、トばねぇように頑張ってな」  そう言って、啓吾は僕の腰を持って思い切り突き上げた。1度じゃない。下から突き上げる高速ピストンだ。しかも、啓吾が下へ引っ張るから、奥の限界を軽々越える。  後ろには、朔が居るから逃げられない。どうする事も出来ず、ただただ叩きつけられる快楽を甘受してイキ狂う。 「んぁーっ····このままイクよ。結人起きてるー?」  軽い口振りとは裏腹に、容赦のない強い一突きを喰らう。もう少し、ソフトに意識確認できないものかな。 「お゙ッ、起ぎでぅ····」 「おっけ。ンなら、もっと声出せよッ」 「い゙あ゙ぁ゙ぁぁっ!! もぉ奥゙らめぇッ! イグのっ、(こぁ)いぃ!」 「怖くねぇよ。もっとイけ! もっと噴かしてやっからなっ!」  さらに強く、早いピストンに耐えきれない。ふわっと意識が浮き、朔に倒れ掛かる。 「おい啓吾、ペナルティ忘れてねぇか?」 「わ··すれてた! けどもう止まんね。結人起きてて! 俺イクよ。しっかり腹で飲んでっ、んぁ゙っ····」   ズンッとお腹に響く衝撃で、意識を飛ばしきれなかった。  お腹の奥が熱い。朔に支えられながら、ゆっくりと啓吾の胸にへたりこんだ。ギュッと抱き締められ、直前の激しさが嘘のような甘いキスをもらう。 「今のってアウトじゃないの? ゆいぴ、一瞬意識飛んでたでしょ」 「今起きてんだからセーフだろ」  そもそも僕は、気絶したらペナルティだなんてルールを聞かされていない。僕の為を思ってか、食いっぱぐれを出さない為なのか、真意は分からないがどうでもいいや。  僕は、啓吾から転がり落ち、起き上がれないまま天井を見つめて意気込む。 「僕、気絶(きじぇちゅ)しにゃいように頑張ぅ」  舌は回らないが、今日はなんだか大丈夫そうな気がするんだ。だって、引越し初日だもん。僕だって、皆と沢山シたいんだから。  けれど、僕がこうして意気込むと、比例して皆も意気込んじゃうんだよね。なんだか嫌な予感がする。 「そうか。だったらもう少し荒くてもいいか? もっと結人の深いとこまで愛してぇ」  隣に来た朔に顎クイをされ、ジッと見つめて言われたんだ。これだけで気絶しそうだよ。 「は、ふ··へ、ぁ、あぃ。もっと深い所まれ、いっぱい愛してくらしゃい」  僕はパニクって、朔を相手に大変なお願いをしてしまった。    散々、啓吾にペナルティを唱えていたその口で、息ができないほどのキスを見舞われる。舌を激しく絡められ、少しも反応できやしない。   頭を抱える様に覆いかぶさり、朔は唇を1秒も離さないまま、僕のナカに入ってくる。ゆっくりと、存在感を知らしめるように小刻みに動いて進む。  けれど、途中で(たま)りかねたのか、『挿れるぞ』と言って奥まで一気に押し挿れた。やはり、朔のおちんちんが著しく成長しているように思う。いっぱい待たせちゃったとか、そんなレベルじゃないよ。  しこたまキスをして満足すると、挿れたまま僕を抱えて座った。またこれだ、対面座位。しがみつくのに必死で、顔を隠せないから恥ずかしいんだよね。  本当に、覆面とか被ってシたいくらいだ。 「結人、キス」  こうして、僕からのキスを強請られる。凄く恥ずかしい。けど、熱を帯びた瞳で見つめられると、何を強請られたって断れない。  この間は、りっくんに『自分で胸弄って』と言われ、泣きながら従ったっけ。皆のお強請りに弱すぎる事は自覚している。  そして、僕はいつも通り勇気を振り絞って、自分から唇を重ねる。

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