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おバカ2人はお猿さん

 八千代のが入っているのに、おちんちんをねじ込もうとしてくる啓吾。皆はギョッとしているけれど、八千代は『来いよ』と言わんばかりにお尻を拡げる。  ホントに、バカじゃないの!?  なんて思いながらも、僕のお尻は受け入れ態勢が整っている。さっきもシてたんだから、それはもう余裕で飲み込んでしまった。 「ちょっ、も··んっっとバカなんだから····」  慌ててザバァッと立ち上がったりっくんが、そのまま頭を抱えて項垂れてしまった。朔は、全てを諦めた顔で悠々と温泉を満喫している。何を言っても無駄だと悟ったのか、それとも現実を見ないようにしているのか····。  そして、僕たちを食い入るように見つめる上影組。皆のおちんちんが逞しくなっているのは、見なかったことにしよう。  と、皆のおちんちんから目を逸らした僕に、目敏く気づいた八千代。  僕の目を片手で覆い、頭をグッと胸に引き寄せる。そうして、うんと低い声で逼迫したように言う。 「おい、俺の事だけ見てろ。余所見しやがったら今度こそ腹ブチ抜いてやっからな。泣こうが喚こうが離さねぇぞ」 「ひぁっ、ひゃい····」  傍から見れば、脅しているように映るのだろう。けれど、もっと独占したいというだけで、僕には懇望しているように聞こえた。  しかし、そんな事を言われたって、だ。八千代だけをって、啓吾のも入ってるのに。まったく、難しい事を言うんだから。僕は、ボーッとしながら八千代の言葉を反芻する。  けれど、ふわふわしている所為か思考がまともに巡らなくて、額面通りに受け取ることしかできない。きっと、そうじゃないと思うんだけど、ダメだ、分かんないや。  八千代の意に従おうと一生懸命考えているのに、またそれに妬いた啓吾が前立腺を抉り潰す。もう、痛いのか何なのか分からない。 「やぁっ····啓吾、らめ··んぅっ」 「ダメじゃねぇだろ? 見られて興奮してんじゃん。ナカ、すっげぇうねってる」  頬を紅潮させ、楽しそうに僕のナカを掻き回す啓吾。そのえっちな顔にアテられたのか、ふわふわが加速する。 「違っ··待っ──」 「待てねぇ。もっと結人が欲しい」  熱っぽい雄の目を向けて、なんて事を言ってくれるんだ。それだけで、心臓(こころ)までイッてしまう。 「ッハ····すげぇな。結人、もっとヨガり狂ってみろ」 「んあ゙っ! む、無理(むぃ)··イッ、ぁ··イッちゃ····止まっ──んむぅっ」  僕の制止なんて聞くはずもなく、啓吾は僕の口を手で強く塞ぎ、八千代と一緒に僕のナカで大暴する。八千代が奥の扉をこつき、啓吾が容赦なく前立腺をゴリゴリ潰す。おかげで、噴水のように潮を噴き上げてしまった。  恥ずかしいから、今こそおちんちんを握っててほしい。そんな願いも虚しく、しょろしょろと勢いが弱まるまで噴かされる。 「すぅっげーな、2本とかマジで入んだ。女の子でも無理じゃない?」 「いや、うん、無理っつぅか··やろうと思った事ないわ。や、マジですげぇね。すっごいイキっぷり····ねぇ、あれって後でケツちゃんと締まんの?」  驚きとワクワクでとても興奮している窪くん。それよりは冷静に見ている様子の海老名くん。2人とも、食い入るように見る目は少しも僕たちから逸らさない。 「余裕で元通りだよ。大事なゆいぴのお尻、壊すわけないじゃん。そんな無茶はしないよ」 「うへー··アレって無茶じゃないんだ? ちっさいのに··あんな拡がって、えー····ヤッバ、すごくね?」  語彙力を失うほど驚いている倉重くんは、キョドキョドしながら永峰くんに同意を求めた。 「あぁ、確かに凄いな。そうか、緩めばアレくらいはいけるのか。ふーん··、ケツってあんな滅茶苦茶デキるんだな」  何に感心しているのか、永峰くんはブツブツと独り言のように呟いている。お尻に興味があるのかな。  見られているのは恥ずかしいし、噴くのは見せたんだからもう勘弁してほしいんだけど、この2人が途中でやめるワケなんてないよね。僕だって、ここまでされたらとことんまでシてほしくなる。  マズい事に、ナカイキするたび窪くん達の存在が薄れてゆく。まるで、溺れるほどの快楽に酔っているような感覚だ。  ふわふわが天井知らずで、啓吾にキスされながら白目を剥いて深くイッた。直後に八千代が奥を抜き、目も脳もチカチカ光が弾けるような衝撃を受ける。  脳がトロットロに溶けたようで、僕は本心ダダ漏れにもっともっとと強請った。そんな僕を『可愛すぎんの、もう許せねぇ』とか勝手な事を呟きながら、八千代が奥責めで失神させた。  目が覚めると部屋に居て、りっくんの膝枕の上で顔にクリームを塗られていた。浴衣もきちんと着ている。  ガバッと起き上がると、昨日とは違うメニューの豪勢な朝食が所狭しと並んでいるのが見えた。 「あ、そんな急に起きちゃダメだよ。ゆいぴ、しんどくない?」 「だ、大丈夫。食べていい?」 「ふはっ··。お前、よく寝起きで食えるな」  八千代と啓吾を並べてお説教していた朔が、柔らかい笑顔を見せて言った。僕が起きたからとお説教も終わり、ついに最後の食事を頂く。  僕は、食べながらふと思った事を漏らす。 「改めて思ったんだけど、凜人さんって凄いんだね」 「ん? なんで今凜人さん?」  啓吾がツヤツヤのご飯を詰め込みながら言う。まったく、お行儀が悪いなぁ。でも、僕の事を言えないくらい、ハムスターの様に頬を膨らませているのは可愛い。 「だってさ、凜人さんの作ってくれる料理っていつもこれと同じくらい豪華だし美味しいでしょ? だからね、凄いなぁって」 「こんくらい、本気出しゃ毎日作ったるわ」 「「無理でしょ〜」」  啓吾とりっくんが半笑いで異を唱える。 「··るっせぇ」  流石の八千代でも、板前さんや凜人さんのレベルに達するには、いくらか修行が必要だろう。それを分かっていても、八千代はできるアピールがしたいんだよね。可愛いなぁ。  けれど、八千代が本気を出せばそのうちできちゃいそうなのが、才能マンたる所以なのだ。 「毎日、凜人に作らせるか?」  朔は、また真面目に受け取っちゃうんだから。そんなの申し訳ないし、八千代が凄く邪険な態度をとるからいたたまれない。  そう話すと、八千代の所為で僕が豪勢な食事にありつけないと言い出す始末。八千代はお味噌を啜り、ぐぬぬって顔を隠した。    僕は毎日美味しいご飯を食べさせてもらっているし、凜人さんに頼まないのは八千代の所為じゃない。それに、凜人さんを凄いと言ったのは、毎日豪勢な物を食べたいからではない。 「僕ね、皆が作ってくれるご飯の方が好きだよ! 皆と一緒に作るご飯も好き。それにね、こういうのはたまに食べるから、特別感とかがあっていいんだよ」  僕がそう言うと、隣に座っていた啓吾が擦り寄ってきた。 「俺の飯も美味い?」 「うん! 肉じゃがが1番好き♡」 「あれ? こないだは牛丼つってたじゃん」 「先週作ってくれた肉じゃがが美味しかったからね、その時に上書きされたの」 「マジか。んじゃ、毎食上書きしてもらえるように頑張ろ〜っと」  夕飯だけでなく、バイトから帰ったら夜食だと言って軽食を作ってくれる啓吾。夕飯や夜食を作って待てるように、頑張らなくちゃいけないのは僕だ。 「俺ね、ゆいぴが作ってくれる卵焼き好きだよ」 「····え? まだ上手く巻けるようになってないのに?」 「そこがゆいぴらしくていいんだよ。味は問題なく美味しいし。ミスったとこ見るとさ、ゆいぴだな〜可愛いな〜って思うんだよね」  りっくんはブレないなぁ。卵焼きを見て可愛いだなんて、思うのはりっくんくらいだよ。と、思ったのだが···· 「「「わかる」」」  皆、卵焼きに何かしらの感情が湧き上がるらしい。変なの。 「すぐにちゃんと巻けるようになるもん! 上手に焼けるようになるまで、毎朝卵焼き食べてもらうからね」 「望むところだわ。つぅかあれはスクランブルエッグつってな、卵焼きには程遠いわ」   八千代が意地悪を言う。皆、気を遣って“卵焼き”と呼んでくれているのに。絶対、上手く巻けるようになってやるんだから。 「ほら〜、場野はすぐそうやって意地悪言うの良くないよ? 結人がしょぼんしちゃったじゃん。結人、俺の鮭あげるから元気だせよ。大丈夫、できるようになるまで俺が教えてやっから」 「····ん。頑張る」  僕は、差し出された鮭に(かぶ)りつく。 「(ひゃへ)美味しい(ほぃひぃ)····」 「結人は美味いもん食うと機嫌直るの可愛いな」  朔が出汁巻きを差し出しながら言った。どうせ、僕は単純だよ。  だけど、食べ物に罪はないんだ。どれだけ機嫌が悪くたって、美味しいものは美味しいのだから仕方がない。 「食ったら支度して帰るからな。腹一杯食っとけよ。あと、バカ2人はもう帰るまで盛るなよ」  朔は僕に笑顔をくれて、八千代と啓吾にはチクッと釘をさす。2人は『へーい』と不本意そうな返事をした。  朝食を終え、朔の監視下で帰り支度をする。テキパキと、大量の荷物を詰め込み、りっくんから『あの後どんだけやったらこうなるんだよ』と文句を言われていた。  タオルを追加する時に、啓吾が一度車へ積み込んだ事は内緒らしい。帰って洗濯する時にバレると思うんだけどな。  帰ったら、りっくんか朔がきっと『なんだこれ····』って驚くんだろうな。そうやって、また賑やかしい日常に戻るんだね。そう思うと、懐かしさのような気持ちが湧いて和む。  そして、僕たちは大量のタオルを鞄に、沢山の思い出は胸にしまい旅館をあとにする。

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