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第420話 9

祐羽が大きくなったといっても直人と慶太郎も同じ様に成長して、身長の差は埋められない。 そんな祐羽をふたりは見下ろした。 「いや、こんな場所にひとり置いて帰れない」 「これから暗くなるし、酔っ払いとか出てくる時間だし」 「アホな学生とかいるだろうし」 「お前は弱そうだから絶対に絡まれる!」 「あと可愛いから絶対に絡まれる!!」 「そんなこと無いよ~大丈夫だよぉ、あははっ。心配しすぎ」 慶太郎の断言に祐羽は「可愛いとかナイナイ」と手を振って否定した。 「お前はホワッとしててなんか絶対ヤバい!!」 「祐羽の迎えが来るまで一緒に待ってるよ」 ふたりの剣幕に祐羽は、困った顔をした。 「う~ん。僕はいいけど、ふたりは電車でしょ?時間掛かるし、申し訳ないんだけど…」 「いや、いいから気にすんな!」 「そうそう、俺たち時間あるし。それに駅まで10分だし」 直人に諭されて、それなら…と祐羽は有り難く受け入れた。 待っている間にふたりの学校の話を聞いたり、別のバイトの様子を教えて貰ったり。 気がつけば盛り上がってしまい、祐羽はすっかり迎えの時間が来ていることに気がつかないでいた。 「また3人で会えるといいね!」 「そうだな!」 「よし、近いうちに遊ぼうぜ」 祐羽の提案に慶太郎も直人も賛成と頷いた。 それから祐羽の肩を慶太郎が抱き込んだ。 「あ~~~祐羽変わらねぇな~。癒される~」 「えっ?」 「ほんと、それ。癒しだよ、お前は~」 反対側から今度は直人が抱き込んで、頭をコツンとぶつけてきた。

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