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ひゃ~っ!!と思わず変な声が漏れそうになったが、実際に漏らしたのは隣の観光客の「グハッ」という声だった。 わ、分かります!分かります!! 九条さんの今の顔はマズイですよね?! 免疫が多少はついた祐羽でさえ、微笑みを見ることは滅多にないだけに心臓に負担がくる。 それを一般人が受けたのだから、衝撃も相当だったに違いない。 祐羽は同調して内心ウンウンしながら確認しようとすると、九条に頭を鷲づかみされる。 「お前はどこを見てる」 そのままクルリとスマホを構える眞山へと向けられた。 「では、お撮りしますね」 眞山の側に中瀬と柳。 その後ろに組員達が居て、その周囲に観光客が撮影スポットの順番待ちで恐ろしい人数が並んで自分達を見ているのに気がついた。 実際には九条への視線が圧倒的だったが…。 祐羽は一気に恥ずかしさの極致へと駆け上り、助けて!と九条の顔を思わず見上げた。 見上げた先の九条の圧倒的な造形美に今度は(はわわっ)となり、カメラを見ない間に容赦なくシャッターを連続で押されてしまった。 あーーーっ!! 「どうぞ」 「ううっ、ありがとうございます…」 本日2度目のショボンを経験した祐羽はスマホを受け取るとアルバムを確認した。 九条はカッコいいし大鳥居も綺麗に写っているが、自分はというと(はわわっ)といかにもな吹き出しがつきそうな様子。 まるで大好きな芸能人に会った一般人の様だ。 表情…。 初めてのツーショットなのに…。 グスッと半べそをかきそうになった祐羽だった。 「行くぞ」 「はい…」 今度こそちゃんとした顔で写ろう。 九条に促されて、祐羽はリベンジを誓いつつ歩き出した。

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