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第74話 夢の中だけは【1】

『譲、私はここに』 (ああっ、公爵!)  明らかな夢だとわかるが、嬉しさを隠せなかった。  暗闇にぼうと浮いたヴィクトルの全身像。姿を見つけた譲は目に涙を溢れさせた。 『泣かないで譲』  真っ暗で暖かい水の中を漂いながら、ヴィクトルが譲を抱き締めてくれる。  気持ちいい。幸せだ。  そう思った途端、「俺を公爵でいっぱいにして」と甘えるように口にしていた。 『譲の望みなら何でも叶えるよ』  ヴィクトルは共に過ごしていた頃と同じ微笑みを見せて、譲に口づける。  角度を変えて唇を重ね、譲の求めに何度も応じた。  腰を支えていた優しい手が胸まで上がってくると、乳頭を指の腹で撫でまわし、しこらせたそれを愛おしげに転がす。  譲は塞がれたままの口では喘ぐことができず、高ぶりは下半身に溜まった。 (あぅ・・・あ、こっちも)  ヴィクトルは譲のペニスに触れる。  濡れて蜜塗れの先端をこちゅこちゅと扱かれ、譲は腰をひくつかせる。 (んあっ、あっ、きもち・・・イイ)  すぐに出ちゃうよと、譲がヴィクトルの肩に顔を擦りつければ、「イッていい」と頭をそっと撫でられる。  その瞬間、譲はどくんっと吐精した。  ヴィクトルは譲の精液を搾るように手を動かし続け、腰の痙攣が止まらなくなる。 (やっ、やぁ・・・ぁっ、あっ、あああ・・・・・・っ!)   譲はまたもや二度目の射精をしてしまった。 (も、いい・・・はなしてよぉ・・・・・・) 「でも譲はこうされるのが好きだろう?」   (すきっ・・・好きだけど・・・・・・っ)  連続して射精感が高まり、譲は「ヒィッ」と悲鳴を上げる。 (あ・・・ぁ、あっ、ん、ぅんんーーー!)  たまらずヴィクトルの肩に額を押し付け、迫り上がってくる尿意に似た凄まじい快感に全身を震わせた。  一度大きく腰がびくついた後、ペニスの内側が熱く燃えたようになる。尿道が押し拡げられる。先端の小さな穴からぷしゃりと透明な液体が噴き出し、ヴィクトルの腹にかかってしまった。 (ぅう、公爵を濡らした・・・ごめんなさい) 「可愛い譲、こんなに粗相をして、気持ちが良かったの?」  ヴィクトルが笑う。 (・・・・・・うん、気持ち良かった)  譲が顔を赤らめて答えると、ヴィクトルは少し意地悪な顔をした。 「もっとして欲しいと思うのなら自分でひらいて見せなさい」  譲はごくりと唾を飲む。・・・そして意を決して後ろを向き、前屈みになる。  水中に浮いているような夢の中の世界では、片脚でも尻を突き出した姿勢が取れた。  譲は自身の尻たぶを両側から掴み、恥ずかしいところをヴィクトルの目の前に割りひらいて見せた。 「もっとよく見えるように、窄まりまでしっかり拡げて欲しいな」  ヴィクトルは追加で要求を放つ。 (ぅ・・・・・・)  譲は真っ赤に染まりながらも、片方の人差し指を後孔に差し込んだ。  夢の中だからか、指で触れた粘膜が女のそこのようにぐっしょりと濡れている。  ほんのわずかに指を進めただけなのに、くぷんと粘着質の高い音が耳に響き、溢れ出した蜜液が尻から太腿に垂れた。 (恥ずかしくてたまらない、でも)  譲はもう片方の人差し指を加えてねじ込み、ヴィクトルに向けて窄まりを拡げて見せる。  穴の内からクチャと粘液が糸を引くような音が聞こえた。 (公爵・・・・・・見て) 『嬉しいよ。私を想って、濡らしてくれたんだね』  ヴィクトルが興奮した声を上げた。  近づいてくると、譲の尻にキスをする。 『そのまま拡げておきなさい』  ヴィクトルはそう指示すると、譲の粘膜をべろりと舐めた。 (アッ・・・あん) 『動かないで。さあ、頑張ってナカを見せて』 (ごめんなさい)  体勢を立て直し、尻を向ける。ヴィクトルは譲が自分で拡げた穴に舌を突っ込み、止めどなく溢れてくる体液を啜った。 (はぁ、はぁ・・・ぁ、ああ・・・やぁぁ)  窄まりをじゅるじゅると吸われ、襞を舐めまわされる。譲は太腿が震え腰が跳ねて止まらないが、懸命に尻を差し出し続けた。 『譲のここは甘くて美味しい。やめられなくなってしまう。足りない』  おもむろに入り口付近を舐めていたヴィクトルがぐぐっと舌を伸ばし、舌先で届いたしこりをコリコリと弄った。 (ひい、ぃ、ぁ、ああっ) 『可愛い。譲・・・譲・・・・・・』  腰ごと尻をがっちりと抱き抱えられ、舌と一緒にヴィクトルの指まで侵入してくる。  窄まりは既にお腹いっぱいだ。譲の指と、ヴィクトルの舌と指。ぎちぎちになった後孔がきゅうきゅうと収縮した。  だがヴィクトルはお構いなしに体液を貪る。  指を掻き出すように動かすので、曲げられた指が容赦なく前立腺を抉った。 (ぅあっ、ひ、ひぐぅ)  譲は耐えられずに前から白濁を飛ばす。どろどろになった下半身が、疼き、やがて更にその最奥が熱を帯びてきた。

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