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荒らされた日常02
ジリリリリ―ジリリリリ。
ガチッ。
目覚ましを止める。
時刻は二時。
目を擦って時計を見直す。
何故、二時なのか。
もしかして夢で鳴っていたのだろうか。
俺は体を起こしてトイレに向かう。
チャックを下ろし、用を足した後違和感を感じた。
「なんで……俺、家にいんの」
保健室で類沢に襲われた後の記憶が途切れている。
何枚も写真を撮られ、気を失った気がする。
恐る恐る手を背後に持って行く。
クチリ。
指が触れると、収縮する。
その拍子に指にナニカがついた。
前に持ってくると、白い液体。
あれは夢なんかじゃなくて。
ましてや、忘れられることでもなくて。
俺はきっとこの悪夢を背負って毎日を暮らさねばならなくて。
「―――!」
頭を抱えて座り込む。
何で。
何で、俺が。
きっと類沢のことだ。
何食わぬ顔で俺を送り届けたのだろう。
ぼーっとした母のことだ。
類沢の適当な嘘を信じ、丁重に礼をしたんだろう。
そいつが俺を犯した男とも知らず。
「……くそ」
母に罪はない。
知らない方がいいことだし。
「くそっ」
叫んでも解決しない。
汚された。
あいつの匂いが、甘い匂いが体中に染み付いて離れない。
―体罰だからさ。―
馬鹿じゃねぇの。
馬鹿じゃねぇの。
俺が何をした。
「……んんッッ」
あれ。
今、何か中で動かなかったか。
グリ。
グチャ。
「ふぅッッあ」
口を抑える。
嘘だ。
そろそろと再度手を持って行く。
金具に触れた。
穴から金具が出て動いている。
「……あの狂人」
中指をかけて、息を吸い、思い切り下に引く。
「――ひゃうッ…ぐ」
保健室で見たアナルパールとかいう道具がズルリと落ちる。
足から力が抜けて、俺は座り込む。
踵が当たるだけでビクビクと反応する後孔に嫌気がする。
今自分の中から出てきたソレを眺める。
グヌグネと動いているのを見ていると、変な熱が上がってくる。
俺はスイッチを見つけて横に倒した。
動きが激しくなり、ついていた液体が飛び散る。
ウイイイイ。
これ…入れたら。
目を瞑る。
馬鹿じゃねぇの。
スイッチを切った。
軽く床を拭き、部屋に戻る。
道具は引出に隠し、ベッドに横たわった。
ウイイイイ。
残音が腹に響く。
耳を塞いだ。
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