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随分未熟だったみたい04

 家の扉を肩で押し開き、瑞希を抱えたままベッドに倒れる。  酷い脱力感だ。  リビングさえ長く感じた。  しばらくシーツに身を委ね、熱から逃げるように深呼吸を繰り返す。  痛みは大分引いた。  次に来たのがこの熱だ。  体の中心から沸き上がる終わりのない高熱が思考すら溶かす。  このまま眠れるだろうか。  類沢は仰向けになった。  その胸に細い手がすがる。 「瑞希?」  意識が戻ったようだ。  顔を赤らめ、瑞希は類沢にしがみつく。 「類、沢さん……」  艶のある声。  蕩けた眼。  はだけた服。  胸元の手は段々首に絡む。  密着した体から互いの熱が伝わる。 「俺……さっきから変で……」 「深呼吸して、背中擦るから」  だが、類沢も気づいていた。  向かい合った二人の目線が重なる。  背中に伸ばした手で、瑞希を強く抱き締めた。 「……悪趣味な薬だよね」  制御出来ない昂り。  瑞希の息が当たるだけで脳が痺れる。  何も纏っていない脚がすりよる。  その感覚に神経が集中する。  足の指が誘うようになぞり、腰を妖しく揺らす。  口を開こうとした瞬間、顔を上げた瑞希と唇が重なった。  何かが堰を切ったように、二人は舌を突きだして絡ませた。  クチュ。  水音が鼓膜を揺らし、益々熱くなる。  相手の唾液を吸い上げ、唇を食む。  意識の外で、指がシャツのボタンを外していく。  チュク。 「はッッんん……あ、ん」  瑞希が誘い、類沢が上になる。 「ひあッ」  突起を摘ままれた瑞希が高く叫ぶ。  自分の声に驚き、唇を噛み締めた。  その仕草を見てまたキスをする。 「んん……っ、んむ」  髪をほどかれ、黒髪がシーツに流れる。  首筋に吸い付くと、瑞希は類沢に抱きついて快感に溺れた。 「あぁん、ふッッああ」  赤い痕が刻まれていく。  舐めあげるとベッドが軋むほど仰け反った。  グチュ。 「やッッあん」 「濡れすぎじゃない、瑞希」  下着越しに握る手が滑る。  太ももにまで液が伝っていた。 「もっと……触っ、て?」  類沢は額に手を当てて、口の端を持ち上げた。 「止まんないかも……」

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