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26.乾杯(1)*

 * * *  リョウヤの苦痛などどうでもいいとばかりに、力任せに挿入を開始した。  ガチガチに固まった体は動き辛く抜くのも一苦労だったが、膣道はあたたかく、きゅうきゅうとアレクシスを包み込んでくる。ぐぐっと力を込めて引き抜けばずるっと上の方から腹がへこみ、突き入れれば膨らんだ。  まるで空気を入れては出して遊ぶ風船のようだ。  穿つたびに、くねくねと細い腰が左右に揺れる。無意識なのだろう。かなり苦しんでいるようだが知ったことではない。男を咥え込めないこいつの体に一体何の意味があるのだと、本気で思っていた。  アレクシスは普段よりも明らかに、リョウヤを乱暴に扱った。 「おい逃げるな、しっかり根元まで……受け止めろっ」 「ぁ゛……ッ、ぁ、ァ──……ッ」 「ひっどいなぁ、ちょっとは慣れるまで待ってあげればいいのに。痛いばっかで泣いちゃうよ?」 「は……これは痛くともすぐに緩む。そういう体だからな」  鼻で笑いながらぐち、ぐち、ぐち、と浅く突いていくうちに、あれだけ頑なだった膣がどんどん柔くなってきた。円を描くようにじっくりと腰まわすとぐちゅんと膣口が左右に広がる。 「ぅ……ぐ」  相変わらず快楽とは程遠い悲鳴だが、こちらの具合はいい。 「あ、ホントだ。音も変わってきてるねぇ」  結合部から弾ける音色も、ちゅぷちゅぷと水っぽい音からじゅぐじゅぐとした膿んだ音へと変わり始めた。マティアスも言っていたが、本当に都合のいい体だ。使われるために生まれて来たとしか思えない。この僕に。 「ひ、ひぅ、ぁ、か……」 「あれ、ちょっと痙攣始まっちゃったか……こーら坊や、まだおねんねの時間じゃないぞ? ほら、頑張って。これぐらいの痛み耐えられないと、アレクシスの赤ちゃんなんて産めないんだから」  マティアスが、ひと突きとごとに意識が飛びかけているリョウヤの頬を撫でたり軽く叩いたりしながら、何度も地獄へと呼び戻していた。  しかし数十回目の突き上げで、ついにかくんと頭が落ち、反応が無くなった。 「あ、飛んじゃった。おーい坊や、聞こえてる?」 「……そろそろうるさいぞ。いいから集中させろ」 「うーん、かわいそうだから気持ちよくしてあげよっか」  アレクシスの苦言をしれっとスルーしたマティアスが、するりとリョウヤの服をめくり上げた。平らな胸をくっと押し上げ、ぷっくりと尖った胸の先を、指の腹でこりこりと弄り始める。 「ぁッ……ん」 「ふふ、いい声だ」  ぱっとリョウヤが顔を上げ、両胸を弄るマティアスの手をぼんやりと凝視する。気を良くしたマティアスがリョウヤの胸の尖りを交互に、爪を立てて押しつぶす。 「い……、ぅぅ、い、つぅ……」 「痛い? それにしてはぷっくり立ってきたよ。ああそうだ、いいこと考えちゃったな。せっかくだから使わないとねぇ」  マティアスがサイドテーブルに置いていたグラスを手に取った。何をするのかと穿ちながら眺めていると、あろうことかそれをリョウヤの右胸の真上で傾けた。  リョウヤが、信じられないとばかりに目を見開いた。マティアスはそんなリョウヤを微笑み1つで見降ろして。 「言っただろう? 一緒にお酒でも飲もうって」  琥珀色の液体が、尖った胸にとろりと零れ落ちた。   「っ、ひ、……ん、……っ」 「ふふ、冷たくてピリピリしてキモチイイだろう?」 「や……ァッ、いた、痛、ァッ」 「大丈夫、心配しないで。こうすればすぐに良くなるから……ね?」  マティアスはさらりと落ちかけた長髪を耳にかけなら、リョウヤの胸に顔を近づけて。 「──ひゃぁ……、ァ……ッ!」

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