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番外編 アフターストーリー(6)★
「っ……お前、どこでそーゆーこと覚えてくるんだよ。可愛い顔して小悪魔か!」
「だ、だって、俺ばっかり恥ずかしくてずるいんだもん!」
「ったくよ!」
「わわっ!?」
不破は犬塚の体をひょいと持ち上げると、そのまま流し台の上に乗せてしまう。
そして、随分前から臨戦態勢になっていた己の欲望を取り出し、彼の秘部へと宛がった。
「煽った責任は当然取ってもらうからな」
「あ……んっ」
先端を軽く押し当てるだけでも犬塚の後孔はヒクつき、早く挿れてほしいと言わんばかりに収縮を繰り返す。
今になってコンドームを装着していないことに気づいたけれど、理性なんてものはとうに焼き切れていた。不破は小さく息をついてから、一気に犬塚の体を貫いていく。
「っ、はぁ……あんっ、せんぱい……っ」
「『先輩』じゃねェだろ?」
「ぁ……りゅうのすけ、さん」
「――よくできました」
ニヤリと笑って、最奥に到達するなり抽送を開始させる。
不破の動きに合わせて犬塚もまた腰を揺らし、二人は快楽を貪るように互いを求め合ったのだった。
「はあ……新しいエプロン買わなきゃ」
しばらく行為にふけって、正午過ぎ。
身なりを整えると、犬塚は洗濯機を回しながらうなだれた。不破はそんな彼の隣に立って、首を傾げる。
「どうして? 洗濯してんだろ、今」
「そーゆー問題じゃないんです! あ、あんなの着けてご飯作れませんよ! 俺のとか先輩の……すごい、アレだったしっ」
「あー、精液まみれになっちまったもんな」
「い、言わないでえ!」
真っ赤になった顔を両手で覆い、犬塚はその場にしゃがみ込んだ。
あんなにも乱れたというのに、理性が戻ってきたとなればもうこれだ。やはり羞恥心は拭えないらしく、いつまでも初々しい反応を見せてくれるのが堪らない。
「まあまあ、新しいの俺が買ってやっから」
不破はフッと微笑んで犬塚の前に膝をつく。肩を抱き寄せれば、彼は素直に体重を預けてくれた。
「ほんとに?」
「おうよ、それくらいは当然。ってなワケだから――あのエプロンはエッチ専用かな」
「えええっ!?」
犬塚が頬を紅潮させて飛び上がる。
その表情には恥じらいの色がありありと浮かんでいて、不破はくつくつと笑った。
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