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第70話 一生俺だけのもの ※
「……あ……っ、んっ、きょうっ、あぁ……っ……」
「壱成、目閉じんなって。ちゃんと俺のこと見て?」
「だ……っ、むり……だっ。また頭おかしく……なる……っ、ぁ……っ」
「なってよ、可愛い壱成見たい」
ぎゅっと目を閉じて俺にしがみつく壱成も可愛いが、目が合わないのは寂しい。
腰の動きを止めて壱成に優しく口付けをした。
「……ん……、ぁ……っ……」
「壱成、愛してる」
頭を撫でながらキスをくり返していると、ゆっくりと壱成の目が開いた。
「やっと見てくれた」
「きょう……あい……してる……」
「うん。愛してる、壱成。そのまま俺を見てろな?」
身体を起こし、またゆっくりと腰を動かした。
「あ……っ、きょう……ンッ、あぁっ……っ」
中をこすりながら乳首にふれる。
「あ゙ぁっ…………っ!」
壱成が背中を仰け反らせ、ビクビクと身体を震わせた。
本当に感度がよすぎる。ノブのときとはよがり方が違う。
無事に腕が治って、俺がまた主導権をにぎるようになってからまだ数回だが、壱成はそのほとんどをドライでイッた。
ありがたいことに、まだ媚薬効果は続いているらしい。
「ん……っ、きょう……」
壱成の腕が伸びてきて抱き寄せられ、俺たちはまた唇を合わせた。
壱成は俺の首に腕をまわし、離さないというようにぎゅうっと抱きしめる。
「……きょう……っ、いつもの……がいい……っ。上が……っ」
「壱成、最近それ好きだな? いいよ」
俺は壱成を抱きしめたまま、ゆっくりと身体を反転させた。
骨折中、俺が唯一壱成を攻めることができた体位。壱成が身体を起こして動くときもあるが、上半身を倒してぎゅっと抱きつき、俺が下から突き上げることが多かった。
お互いの肌がピタリと合わさり、かつ激しく繋がれるこの体勢が壱成のお気に入りだ。
壱成が顔を上げ、愛おしそうに俺を見つめながら深いキスをする。
「……んっ……きょうっ、……ン……ッ……」
「壱成……」
自分で好きなときにキスができるのも気に入っている理由だろう。
壱成の甘えるように絡む舌がとにかく可愛い。愛おしい。
しばらく壱成の舌を堪能した。
そして、壱成の瞳が俺をしっかりと見つめているのを確認し、下から一気に突き上げた。
「あ゙…………っ!」
壱成は唇を重ねながら、か細く可愛い声を漏らし俺の耳を甘く溶かした。
俺の首にぎゅっとしがみつくその腕も、なにもかもが愛おしい。
俺は壱成のお尻を支え、腰を振りながら何度も奥を突き上げた。
「あ……っぁ、あ゙……っ……」
壱成は俺の腕の中で身体を震わせ、声にならない悲鳴のような喘ぎ声をあげ続けた。舌を絡めにいっても返ってはこない。
壱成は唇を離し、ぎゅっと抱きついて首元に顔をうずめた。
「きょ……っ、も……っ、おかしくっ……なるっ、あ゙……っ、また……おかしく……っ、ンッ」
「いいよ、おかしく……なってっ。最高に可愛い壱成、見せて」
「きょうっ、きょう……っ、あっ、あっ、ん゙ーー……っ!!」
「う……ぁっ、壱成っ」
一気に中がうねって痙攣し、ぎゅっと締め付けられる。
壱成は出してない。またドライだ。
「……壱成、大丈夫か?」
優しく背中を撫でるとさらにぎゅっと中が締まる。
震える身体で俺を抱きしめ声も出せないようだ。
最近、壱成がドライでイクことが多くなって、俺なりにいろいろ調べて知った。ドライはいわゆる賢者タイムがないらしい。でも、それがもっと続けてもつらくないということなのかどうなのか、そのあたりがよく分からない。
壱成に聞いても『すごくよかった』『気持ちよかった』『幸せだった』それしか言わない。
でも、壱成はなんでも俺優先で、俺が気持ちよければそれでいいと思っている節があるから心配になる。
「壱成、動いていい? つらくねぇ?」
「……ん…………」
コクコクと可愛くうなずく壱成の背中を優しくさする。
ほんとに大丈夫なのかな……。
「つらかったら言えよ?」
「ん……」
俺はふたたびゆっくりと腰を動かした。
「あ゙ぁ…………っ……」
壱成がビクビクと震えて喉を詰まらせる。
「やば……壱成……っ、すげ……イイっ……」
ゆっくりしてやりたいのに腰が止まらない。
ドライのときにしか聞くことができない壱成の可愛い喘ぎ声に、俺の腰はますますスピードを上げた。
「ごめんっ、きもちい……っ、ごめんっ」
「あ……、きょぉ……っ、ん、……きょぉ、……ぁ゙っ……」
回らない舌で何度も俺の名を呼ぶ壱成が、たまらなく愛おしい。
壱成は顔を上げ、俺にキスをした。その短い瞬間さえも頭を起こすのがつらそうで、壱成はすぐにふたたび倒れ込む。でも、その後も何度も必死に顔を上げて、深いキスをくり返した。
「……ん、……きょぉ……」
「壱成……っ」
壱成の俺への深い愛が全身から伝わってくる。
愛しくて愛しくて涙が込み上げた。
「愛してるよ、壱成っ、愛してる……っ」
「ん……、きょぉ……あい……っ、ん゙……っ、あいし……て……っ、あ゙ぁ……っ」
「……ぅ……っ……」
限界が近づいてきて、俺は動きを止めた。
もう少しだけ耐えて壱成と繋がっていたい。でも、壱成はもうつらいかもしれない。
「壱成、俺……もう少し頑張ろうと思えばできるし、イこうと思えばすぐイケるよ。壱成、どうしたい? どっちでもいいよ」
背中をあやすようにポンポンしながら問いかけた。
「……ん……きょぉ、も…………」
「うん」
もうイッて、だろうと思い、いいよと言いかけた。
「も……と、……も……っと、きょぉ……」
まさかの、もっと、だった。
「え、ほんとに? 大丈夫か?」
と背中を撫でると、壱成はゆっくりと顔を上げ、俺の唇をふさいだ。
「……ん、……きょぉ……」
「いっせ……」
たどたどしく舌をゆっくりと絡め、力尽きたようにまた首元に顔をうずめる。
「きもち……ぃ…………きょぉ、も……っと……」
それを聞いた俺は完全にタガが外れた。
「壱成……っ」
「ん゙ぁ……っ、あ゙っ! ンッ、あっ、きょ……ぉ……っ」
何度も何度も壱成の奥を突き上げる。
震える壱成の身体を抱きしめ頬に何度もキスをしながら、愛してるとくり返し伝えた。
「きょ……っ、きょぉ、……ぁ゙……っ」
「壱成……壱成……もうこれからはずっと一緒にいような……っ」
「ん、きょぉ……っ」
壱成が、うんうん、と何度も首を縦に振る。
すげぇ可愛い、すげぇ愛してる、もう一生俺だけのもんだ。
もう限界。最後はもっと奥まで壱成の中に入りたい。
俺は壱成の中から自身を抜き、抱きしめながらもう一度ゆっくりと身体を反転させた。
壱成の頭をそっと枕に沈め、唇を数回ついばむようにキスをする。
紅潮してとろとろに溶けきった顔で俺を見つめる壱成の頬を、俺は優しく撫でた。
「きょぉ……あぃ……してる……」
「俺のほうがもっと愛してるからな?」
ふわっと幸せそうに壱成が微笑んだ。
本当に幸せだ。壱成にはずっと俺のそばで笑っていてほしい。
愛してるよ、壱成。もう一生離さない。
俺は、唇にチュッとキスを落として身体を起こし、壱成の足を俺の肩に乗せた。そして、熱く絡みつく壱成の中にゆっくり沈み込んでいった。
「はぁ……っあっ……」
壱成が深い吐息を漏らす。奥まで届くと、とろけそうな快感が俺を包み込んだ。
「……っ、壱成、もう少しだけ頑張って」
壱成の中の奥深くをゆっくりと突いた。
「あ……っ、ん゙……っ……」
奥を突いた瞬間にぎゅっと中が締まり、一気に痙攣が強くなる。
「は……っ……やばっ……」
ゆっくりからと思ったのに、もうすでに俺が持ちそうにない。
「ごめん壱成……っ、もうすぐイク……からっ」
俺は腰を動かすスピード上げ、グッと奥まで何度も突き入れた。
「あ゙ぁ……っ、あっん……っ、きょぉ……っ」
「壱成……っ、壱成愛してるよっ」
「きょぉっ、あっ、ンッ、きょぉ……っ! も……っ、だ……っ! あっ、あっ、あっ……あ゙ぁぁ…………っっ!」
「う……っぁ……っ!」
ドロっとこぼれるように吐精した壱成が全身を痙攣させた。中がぎゅうっと締まって俺も一緒に果て、壱成の上に倒れ込む。
はぁ……もうほんとやばすぎる……。こんなの、マジで中毒になりそう……。
「壱成、大丈夫か?」
頭を撫でながら頬にキスをする。
「……壱成?」
なんの反応も返ってこない。慌てて顔を上げると、壱成は目を閉じてぐったりとして意識を飛ばしていた。
「え、マジかよ……っ」
俺やりすぎた?
これ……このまま様子みて大丈夫なのか?
マジでどうしたらいいのかわからない。
オロオロしていると、そのうち壱成の規則正しい呼吸音が聞こえてきた。
「あ、もしかして……寝てんのか……? なんだ……。はぁ……マジでビビる……」
可愛い寝息をたててスヤスヤ眠る壱成に安堵の息が漏れた。
でも、ちょっとだけ残念だった。ドライで終わったあと、壱成はいつもめちゃくちゃ可愛く甘えてくる。壱成の甘えた声や仕草は俺にとって最高の癒しで密かな楽しみだった。
俺の媚薬効果はいつまで続くだろうか。
どうかいつまでも続きますように……。
いつまでもとびきり可愛い壱成に会えますように……。
壱成を腕の中に閉じ込めて俺は祈った。
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