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失踪2
(というか、兄さんの言ったとうりだな。自分とナギの動きは全然別人だとわかるレベルで違う……)
これは兄に注意されるのも無理はない。そう言えばあの日以降、何故か凛は現場に姿を現していない。
忙しいのだろうか? 自分の事をあまり語ろうとしないから、実の兄の事だがわからない部分が多い。
何度か連絡を入れようかとも思ったが、厳しい事を言われた後でなんと入れていいかわからずに結局、そのままの状態になってしまっている。
「やっぱお兄さんの演技はカッコイイね」
「そ、そう、かな?」
「うん……。カッコいいよ、凄く。しなやかだし、動きにキレがあるし……。また画面で動いてるのが見れるなんて嘘みたいだ」
「……」
うっとりと呟かれて、蓮は思わず息を飲む。その表情が余りにも艶めかしく見えたからだ。
「勿論、中の人もカッコいいんだけど」
するりと腕が伸びて来て頬に触れた。強制的に視線を向けられ、琥珀色の瞳に吸い込まれそうになる。
そのままゆっくりと顔を近づけて、唇が触れ合う直前でピタリと止まる。そして、吐息がかかる距離でナギが囁いた。
「ね? シよ?」
「たく、続きは? 見ないの?」
「ん……画面のお兄さん見てたらムラムラしてきちゃった」
全く、今の絵面の何処にそんな要素があったというのだろうか?
呆れつつも、ナギの腰を抱き寄せれば素直に身を預けてくるのが愛らしい。
「ほんっと淫乱……」
「……嫌いじゃないくせに」
フッと口角を上げて妖艶に微笑むと、再び唇が重なる。舌を絡め合いながら、
ソファにナギを押し倒すと、期待に満ちた眼差しでこちらを見上げて来た。
それを合図に蓮はナギの首筋に顔を埋めた――。
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