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第159話
渡会をラブホテルのけばけばしいベッドの上に寝かせ、朝霧は自らの額の汗を拭う。
ホテルに備えられた冷蔵庫からペットボトルの水を取り出した。
一気に半分ほど飲んで、息を吐く。
そうだ。渡会にも水を飲ませてやろう。
朝霧は開封されていないペットボトルを手に、ベッドに向かった。
「渡会。気分はどうだ? 水飲めそうか? 」
声をかけると閉じていた渡会の目が急にカッと見開き、朝霧は腕を掴まれた。
そのままベッドに押し倒され、のしかかられてしまう。
「渡会。やめろっ。離せ」
「いやあ、こんな簡単に騙されるなんて、ちょろいね。朝霧」
渡会は朝霧を見下ろしてにっこりと笑った。
「こういう悪ふざけはもうしないって言ったろ」
「それがさ、悪ふざけじゃないんだよね」
朝霧の首筋をべろりと渡会が舐める。
朝霧は息を飲んだ。
「やっぱ、全然いけるわ。男でも問題なし」
「お前、何言って」
「俺さあ。酒、ザルなのよ。どんだけ飲んでも酔わないの」
渡会は楽し気にそう言うと、朝霧のシャツのボタンを外し始めた。
朝霧はあまりの驚きに体が固まり、抵抗することも忘れて渡会をじっと見つめてしまう。
「止めろ。お前、男好きじゃないだろ」
「うん。男と寝るなんて気持ち悪い。想像しただけで吐きそう」
「じゃあ」
「でもなんでだか、朝霧は大丈夫なんだよね」
渡会は朝霧のシャツのボタンを外すと、インナーシャツを捲ろうとする。
「止めろっ。お前が大丈夫でも俺は大丈夫じゃないんだよ」
ようやく渡会の本気を思い知った朝霧が手足を大きく動かす。
「まあ、まあ。物は試しだから」
渡会は己の熱くなった屹立を、朝霧の腿にごりっと押しつけた。
「ひっ」
「朝霧そうとう夏川さんに開発されてんだね。乳首すっげえでかくなってんじゃん」
朝霧の素肌を撫でていた渡会が急に乳首を引っ張る。
「あっ」
「可愛い声。その調子でもっと喘いでよ」
渡会が朝霧の乳首に吸いつく。
「渡らっ。やだ。あっ」
乳首に歯をたてられ、思わず声が出る。
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