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 仕事の遅い先生を置いて、先に先生の家へ向かう。  で、最後の角を曲がった時、後ろから口を塞いで拉致られた。  薬を嗅がされて、気を失ってたみたいだ。頭痛ぇし気分が悪い。  真っ暗な部屋。ドコだろう。いや、知ってる。先生の部屋だ。先生の匂いが充満してんだもん。てことは、拉致ったのは先生?  そんなはずはない。仕事、めっちゃ残ってるってボヤいてたし、先生は薬の類を絶対使わない。 「おい、誰だよ」 「開口一番喧嘩腰かぁ。威勢がいいねぇ、芯クン」  聞き覚えのある、耳に絡みつくような声。俺をイラつかせる声だ。 「テメェ、奏斗だろ」  誘拐犯は、パチッと電気をつけた。一瞬眩む視界。細まった視界に入ったのは、やっぱあのクソ野郎だった。 「せ〜いか〜い」  奏斗サンは、学生証を見ながら言う。 「徳重芯クン。××高校の3年生か。だーれがハタチだって? ガキじゃん」  これは絶対マズい。状況はよくわかんねぇけど、とにかくマズいのは間違いない。  けど、コイツ案外バカなのかもしれない。聞いてもないのに、ペラペラと犯行の一部始終を話し、本来の計画まで喋り始めた。  本当は、先生を拉致って犯すつもりだったらしい。けど、学校から出てきた俺を見つけて、面白半分で尾行したんだとか。そしたら、俺が先生の家に向かうから、予定を変更して俺を拉致ったと····。  いや、なんでだよ。俺を拉致ってどうすんだよ。  後ろ手に縛られ、片足がベッドに繋がれてる。逃げられはしないみたいだ。  つぅか、待ってりゃ先生帰ってくんだけど。絶対ヤバいやつじゃん。  奏斗サンは、ベッドに腰掛けて俺のズボンを脱がす。 「芯クンはさぁ、零をどうやって抱いてんの? 普通に抱いても満足しないでしょ、あのド淫乱」  絶倫ではある。淫乱かどうかは知らねぇし。どうやってって、されてる事をしてるっぽく言えばいいのか?  あー····、でもまぁ、下手なこと言わないほうがいいよな。先生も、あんま知られたくないみたいだったし。  とか思ってたのに、返事を考えてる間にシャツのボタンを外していきやがる。それはダメだって。見られたらバレんじゃん。 「なんでもいいけど、零帰ってくるまで暇だし抱いちゃおっかなぁ〜······って、あれ? 怪我してんの? 痛い?」  目を輝かせながら、イカれ野郎はガーゼの上からグリグリ指を刺してくる。痛いわ! 「····っ、んぁ····」  やっちまった。いつもの癖で、痛みに感じて声が漏れた。 「へぇ、痛いの気持ちいいんだ? ねぇ〜、なんで勃ってんの?」  俺は顔を背けて誤魔化す。いや、何も誤魔化せてねぇけど。奏斗サンは、ニヤつきながら言う。 「もしかして芯クンさぁ、零に抱かれてる? これ痕凄いね。どんだけつけてんの。ねぇこれ、もしかして零に?」  顔が熱くなる。事実を突きつけられただけなのに、なんだか凄く恥ずかしい。  奏斗サンは、俺を四つ這いにさせながら、すげぇ楽しそうに喋ってる。うぜぇ。 「流石に予想外すぎてビックリだよ。あの零がタチできるなんて、思ってもみなかったからねぇ」  ズボンを脱がせると、ケツを開いて穴に息を吹き掛ける。 「ひ··んっ····」 「あっはは、かーわい〜。ヒクッてすんじゃん」  そりゃ反応するだろ。バカじゃねぇの。先生、早く帰ってこいよ。って、帰ってきたら先生も危ないんだよな。  はぁ····、いよいよ詰んだわ。 「痛いの好きそうだなぁ····。よーし、叩かかれてアナルヒクヒクさせるの見〜せて」  ワケの分かんねぇ事を言って、奏斗サンは俺のケツを思いっきり平手打ちしやがった。先生より力が強い。なのに、加減もクソもねぇからめちゃくちゃ痛てぇ。 「い゙っ、あ··んぅぅ····」  痛すぎて声も出せない。小さく蹲り、痛みに耐えているところに、もう一発重いのを入れられる。バチィィンと、甲高い中に鈍痛を誘う音が混じる。 「い゙あ゙ぁ!! ··いっでぇ····。バカじゃね? 加減とかできねぇのかよクズ」 「これでイッてるエロガキが何言ってんだよ。トロットロじゃん」  何も言い返せないのが悔しい。こんなクズ男に、先生は何されてたんだよ。ずっとこんなんされてたの? マジで理解できねぇ。 「ね、零にどうやって躾られてんの? あの淫乱、ずーっと俺に飼われてたんだよ? もう使いもんにならないと思ってたんだけどぉ····、そっかぁ、使えたんだ」  先生がコイツに怯える理由が分かった。マジで何されるか分かんねぇんだ。しかも、加減も何もない。従うしかないんだって、そうしないと危ないって分かる。  とりあえず、目がすっげぇ怖い。笑ってないっつぅか、何も感情がなさそうなんだよ。んで、絶対俺の事見てない。  たぶん、コイツが俺を通して見てんのは先生だ。

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