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銀花姫 9

オレは雪の顔を覗き込むように見て、そっと額にキスをした。 「大丈夫か?」 「うん・・・」 「雪の中すげぇ熱くてぐちゃぐちゃ」 「うあっ・・・?!だって、それは、中にローション入れた方がいいって・・・言われて・・・」 「はぁ?!」 雪の想定外の言葉に思わず上擦(うわず)った声をあげてしまった。 たしかに言われてみれば、この感じはローションのぬるぬるだな・・・ってか。 ローションって・・・雪がそんな知識あるとは思えないのに、何で・・・。 雪にそんなことを言う人物・・・なおかつ雪がそんなことを話せる人物・・・そんなの一人しか思いつかなかった。 ・・・緋音か! 絶対アイツがよけいなこと言ったな! オレは雪の中から指を引き抜いて、雪の顎をつまんで持ち上げる。 至近距離で真っ正面から顔を近づけるオレに、雪は顔を真っ赤にしたままで狼狽(うろた)える。 「猛っ・・・?」 「お前にそんなこと教えたの、緋音?」 「え・・・うん・・・でもひーちゃんはよけいなこと言うと猛に怒られるからって言って何も・・・」 「そうなのか?」 「うん。代わりにネットで調べろって」 「あーうん・・・」 直接そういう話しをするのは、憚(はばか)られたんだな。 オレが雪に対して過保護なことは家族も友人も仕事仲間も全員知っているから、よけいなこと言ってオレに怒られるのは避けたんだろう。 それでも、何の知識もないのもまた危ないから、だから緋音はネットで自分で調べるように助言したんだろうな。 その気遣いがありがたくもあったが、迷惑でもあった。 できればそういう知識がない雪に、オレがじっくりゆっくり色々教えてあげたかったのに。 恥ずかしがる雪に、色々いやらしいことしながら教えて、楽しみたかった・・・。 こういう発想が気持ち悪いだろうこともわかってる。 でも、純粋無垢な雪を汚したいと思っていた。 オレがどれほどの劣情で雪を見ていたのかを思い知らせて。 壊したいと、思っていた。 思っていたけれども、もちろん実行するつもりはなかった。 雪を傷つけたり悲しませたり、痛い思いをさせるつもりなんか当然ないから、大事に大事に優しくするつもりだから。 オレは軽く息を吐き出すと、雪をそっと抱きしめて、額に頬に口唇に鼻にキスを繰り返す。 雪が楽しそうにくすくす笑って、 「たける・・・くすぐったいよ」 「いいから」 「くすくす・・・猛・・・好き」 「っ雪?」 雪が不意に言う好きに、まだ慣れていないオレは動きを止めた。雪は細い指でオレの頬を包み込むと、耳元でそっと・・・囁いた。 「大好き・・・だから・・・大丈夫だから・・・して・・・いいよ・・・」 オレだけの純粋無垢な、何も知らない、清らかな楚々(そそ)とした白雪姫が。 真っ赤な口唇を引いて楽しそうに微笑んで、売女のようにオレの肉欲を煽(あお)る。 * 猛を煽るように誘うように言うと、今までボクに気遣って優しく丁寧に扱ってくれていた猛の表情が、一変した。 今まで見たこともないような、無表情になったかと思ったら、次の瞬間には苦しそうに顔を歪ませて。 いきなり強い力で全身をベットに押し付けられて、噛み付くような口吻けをされる。 舌が無理やり口の中に入ってきて、口の中を全部舐め回して、舌を吸って噛みつかれた。 切れて血が出そうな・・・さっきまでとは全然違う。 「んんっ!ふゅやぁ・・・!」 口唇の端から漏れる悲鳴ですら猛は無視して、激しいキスをしながら、いきなりボクの脚を両方とも高く持ち上げて筋肉質の肩に担ぎ上げて、ボクの体の間に入り込む。 猛がキスをやめて起き上がる。 「はぁ・・・はぁ・・・」 今まで経験したことのない激しさに、大きく深く呼吸を繰り返して、ボクは。 上にのしかかっている猛を、見た。 見たことのないくらいの、興奮した猛がそこにいた。 眉根は苦しそうに寄せられて、一重の目は細められてボクを獲物を見るような目で見ていて、大きく繰り返される呼吸が薄い口唇から吐き出されて・・・舌が、ボクを食べたそうに少しだけ覗いた。 いつの間にか猛はジーパンの前を開けていて、中から見たこともない大きさに腫れ上がったモノを出して、その先端をボクの小さな穴にゆっくり擦(こす)りつけている。 「たけ・・・る・・・ちょ・・・!」 待って、ダメ。 そんな大きいなんて知らない。 ボクの倍以上はあるじゃん! そんなの絶対入んない! やだ!死んじゃう!

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