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世界観説明 アルファ

人類にはオメガバースと言う特殊な性別が男女の他にあった。それは、女性には発現せず男性のみに現れる生殖機能。アルファとベータとオメガ。この三つは性差と呼ばれ男性は必ずどれかの性差を持って生まれてくる。 アルファ性に生まれた者は、頭が切れ、運動神経が高く、容姿に優れ、そして人を導くカリスマ性を持って生まれてくる者が多い。 人類の歴史を担ってきた王や偉人の多くはアルファ性と言われている。だが、人を導く全てを宿し生まれてくるアルファ性はオメガ性以外とは生殖できない。 アルファ性は必ずオメガ性からしか生まれず、オメガ性以外では子供を孕ますことが出来ない。オメガ性以外の性差の人間と生殖活動をしても、人間の元となる種が出来ない。オメガ性のフェロモンを浴びて初めて生殖の為の種が出来る。オメガ性のフェロモンを浴びていない状態だと生殖活動の真似事は出来るがそもそも孕ますための種自体が存在しない。 オメガ性が居なければ、この世にアルファ性は産まれて来ないのだ。だからなのか、アルファ性とオメガ性には運命の番という特殊で強固な繋がりがあった。 それは、オメガ性としか生殖活動できないアルファ性にとって必然とも呼べる本能だ。運命の番とは、アルファ性として産まれてきた人間とオメガ性として産まれてきた人間を死よりも強固な鎖として結びつける性差の防衛機能。運命の番同士でなければアルファ性は産まれて来ない。 運命の番とは、バース性を維持するために備わっている種の存続のための本能だ。運命の番を得たアルファはアルファ性の人間を孕ませる為にアルファ性質の種を創り、孕ませる。それが運命の番の根幹だ。運命の番になった両者はお互い以外には欲情も発情もしなくなり、どんな事があっても離れる事を許されない。だから、運命の番を得たアルファ性は誰よりも己の運命の番として産まれてきたオメガ性を愛するように出来ていた。

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