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きっかけ 10

「やった! 約束だからね! マッスー」 和樹はにんまりと笑顔を浮かべると、中の指を一気に引き抜いた。そして間髪入れずにすっかり怒張しきった自身を取り出して透の後孔に押し当てる。 「っ、あ……っ」 「ハハッ、まだ先っちょ入れただけなのに吸い付いてきてる」 「い、いちいち言うな……って」 自分の体の状態は自分がよくわかっている。だがそれを指摘されるのは恥ずかしくて堪らない。 しかしそんな気持ちとは裏腹に、体は和樹のモノが入ってくるのを期待して勝手に疼いてしまっている。 焦らすように入り口に擦り付けられ、じわじわと押し進められるもどかしさに腰を揺すって催促すれば、漸く待ち望んだ質量が体内に侵入して来た。 太く硬いモノで貫かれる感覚に、ゾワリとした悦楽が広がっていく。 「っ、は、ぁっ、んんっ」 「っく、相変わらずキツいな」 和樹は苦しそうに眉根を寄せながらもゆっくりとした動きで根元まで埋め込んで行く。 全て収まったところで一旦動きを止め、大きく息を吐き出すと、和樹は透の脚を抱え上げゆっくりと律動を開始した。 「んっ、ふ……っ、ぁあっ! かず、き……っ」 「はぁ……っ、ヤバ、すぐ持ってかれそう……」 「っ、んんっ、ぁ……っ」 頭上で酷く艶のある溜息が聞こえたかと思うと、腰を打ち付けるスピードが上がった。 結合部からは肉同士がぶつかり合う乾いた音と卑猥な粘着質な音が響いて、聴覚からも犯されている気分になる。

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