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第19話

靴下だけを履いたままの、何とも言えない姿になった。 左の胸を軽く掠める弘の唇の動きに意識を向けようとするも、 どうしても足元が気になってしまう。 「あの…靴下を…」 「靴下?」 胸元で話されると、吐かれた息が胸に掛かって、こそばゆい。 「靴下、脱ぎたいです。靴下のままベッドに乗るの、苦手で…」 「そうなんだ。…何かさ、全裸に靴下って…萌えない?」 「……」 「はい、萌えないですね。すいません」 全裸に靴下とか、全裸にネクタイとか、結構好きなんだ。 そう言いながら、弘は俺の足の爪先を軽く摘んで、履いていた靴下を上に引っ張り上げ、脱がせた。 何とかフェチってやつか。 弘の手はまたすぐに腰元に戻ってきた。 先ほどより、少しだけ力を込めて握られてるような気がする。 目を軽く伏せ、なるべく触れられている部分に意識を集中させた。 「…男はどうかわからないけど…”全裸にメガネ” は、萌えるかな」 そう呟くと、弘が驚いたような顔をして、こちらの方に顔を向けてきた。 「変…かな。」 「それ…すごく良いね」 弘の目が、輝いて見える。

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