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20 二人の悪魔

👿レヴィアタン目線です  レヴィアタンはすぐにでも爆ぜそうな自分を何とか戒めようとした。  しかしたどたどしいが大胆に自らを可愛がってくれている弟の顔に降りかかった黒髪をかき上げた時、その美貌があまりにも妖艶すぎて、一度あっけなく果ててしまった。  「すまない、リヴィ」  他と比べたことはないが悪魔は精液の量も人間より多いのだという。  弟の口も火照り頬を染めたいやらしい顔も白濁にまみれ汚れてしまったので慌てて顔をシャツで拭こうとしたら、弟は喉をこくんっとさせて口内を見せつけるようにいやらしく口を開いた。魔族の証の犬歯まで小さな弟の赤い口内はあまりにも艶めかしい。  レヴィアタンが心を奪われている間に、弟は残滓に汚れた赤い唇を舐めまわす。オリヴィエの澄んだ青い瞳が興奮で充血し、ほんのり紫みを帯びていた。 「兄さまの、美味しいよお。もっとちょうだい」  レヴィアタンの中で何かしらがぷつんと音を立てて千切れる音がした。多分自分の中の魔物を繋いでいた太く頑丈な鎖が引きちぎられた音なのだろう。  レヴィアタンが寝台がたわむほどの勢いでオリヴィエに襲い掛かると、自分の企みに乗ってきた兄に向かって弟は高らかと蠱惑的な笑い声をあげた。 「あははははっ」  「レヴィ、この、小悪魔!」 「違うよ、兄さま、知ってるでしょ? 僕だって悪魔だよ?」  肉付きが薄いが滑らかな白い脚を兄におしひらかれながら、オリヴィエは再び硬さを取り戻した兄のものに手で伸ばす。 「いれて」 「こんなもの、急に入れたらお前の中、ずたずたになるぞ?」 「いいよ。兄さまがすぐ、癒してくれるでしょ? 僕の中に入って。お願い」 「お前、どうなっても知らないからな!」  先を含ませるのすら一苦労する陽物を小さな蜜壺にめり込ませた途端、オリヴィエは痛みで腰が引け、がくがくと身体が震えだす。 「い、痛いっ!」 「だから言っただろ!」  慌てて抜き去り、レヴィアタンはオリヴィエの細い腰を持ち上げると、血が滲みすでに裂けかけた蕾に舌を這わす。オリヴィエは一瞬だけ鋭い痛みに耐えたような顔をしたがすぐに傷は塞がった。レヴィアタンが癒しの魔法をかけたのだ。  生理的な涙を浮かべて眉をすっかり下げたオリヴィエの頬や口に音を立てて口づけながら、レヴィアタンは一度弟の身体を向かい合わせに抱き上げる。  よしよしといった感じで宥めてやると、弟は緊張の糸が切れたようにわんわん泣き出した。 「お前、俺じゃなかったらこのまま死ぬまで目茶苦茶に犯されるんだからな」 「……兄さま以外となんて、こんなことしないもん」  こんなに泣きぬれている癖に、たまに意外な気の強さを見せてくるから、レヴィアタンもつい煽られてしまう。 「当たり前だ。そんなことになったら相手を殺してお前のことも!」 「僕のことも?」  何を口走っても赦すといいそうな無垢な顔が、縋った胸からレヴィアタンを見上げる。 「お前を大叔父上にやるぐらいなら、お前を殺すか、この城のどこかへ隠してしまおうと思ってた」 「兄さま……」 ついに漏らした苛烈な本音を弟がどう受け取るのか。 (どの道もう、絶対に離してはやれない) もしもオリヴィエに拒まれたらもう、自分でも自分がどんなふうになってしまうのかリヴィアタンにも分からなかった。

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