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生チョコなるものを、作ってみた。
「オルタ」
「………………………………」
ここまではっきりと嫌悪感を丸出しにした表情はないのでは、という程に顔が歪むオルタに、立香はずい、とチョコレートを押し付けた。
「ね? 食べて。俺、がんばって作ったんだから」
「……サーヴァントに食事は必要ない」
「必要ないってだけで食べても平気でしょ!!」
ダラリの巨躯の横を垂れる右腕をむんずと掴み、無理やり生チョコの入った箱を持たせる。
「ねっ? お願い、オルタのためにつくったんだから」
「……」
「一口食べて嫌だったら残りは捨ててもいいし、お願い。感想聞かせて!」
「…………はぁ」
ぐるん、と視界が反転したかと思った時には、もう既にオルタに肩担ぎにされた後だった。唐突のことだったので慌てたが、暴れたところで下ろしてくれはしないし、後で散々な目に遭うのでやめておいた。
そうして連れてこられた先は、以外にもオルタの自室だった。こういう時は大抵、立香のマイルームに有無を言わさず連れ込まれる(自分の部屋だが)のだが、どうやら別の意図かあるらしい。
「オ、オルタ? ……っわ!」
一体なんのために置いてあるのか、眠りを必要としないはずのサーヴァントの部屋にもきっちりと1台ずつ置かれたベッドの上に乱暴に立香を投げ出す。
生チョコの入った箱を開け、1つを口の中に放り込む。
まさか本当に食べてくれるとは思っていなかった立香は、それだけで少し嬉しくなってしまう。
「ど、どう………っん」
1つ、口に放り込んだまではよかった。…のだが、その後すぐに立香に覆い被さったかと思うと、その唇を塞いだ。当然、オルタ仕様にと作った苦味の深い生チョコが立香の口に入り込む。
口内に塗ったくられるに下を動かされ、互いの唾液と熱でチョコが溶けてゆく。いつもだって、両方の唾液が混じり合って嫌な音がするのに、溶けたチョコのせいで今はもっと聞くに耐えない音がする。
「…んっ、ふ、んっ…ん、ん」
息継ぎのすきも与えられないまま、どんどんキスは深く、激しくなっていく。口の中のチョコはとっくに溶けきって、苦い後味だけが残っているというのにオルタはいっこうに口を離さない。
鼻での呼吸も追いつかないほどに激しく攻め立てられ、オルタの肩をつかんでいた手の力が弱くなったところでやっと解放される。
「なぁにへばってんだマスター? 本番はこれからだろうがよ」
ニヤリ
壮絶な色気を放ちながら舌なめずりしたオルタに、立香が叶うはずがなかった。
※このあと滅茶苦茶セッッッッ以下略
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