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12 ※本番?

 そう周りのギャラリーが騒がない訳がないだろう。 盛り上がる声が聞こえて来る位なのだから。 「先ずは、阿月が陽生のモノを中に挿れて……それで、後から俺が阿月の中に挿れればいいって事だろ?」  半分独り言のように言う創也。 そして創也は阿月に命令をすると、 「阿月、陽生のモノを中に……」 「え? あ、はい……」  そこは素直に答える阿月。  阿月は完全に陽生のお腹の辺りで跨ると、ゆっくりと陽生のモノ向かって腰を落として行くのだ。  ゆっくりと阿月中に陽生のモノが埋まっていく。 「ふぅ……んん……ぅうん!」  とそこは流石はゲイビ男優っていうだけあるのかもしれない。 こう色っぽく周りを誘うような感じで声を出しているのだから。  陽生のお腹へと両手を付き、背後からは完璧に陽生のモノを飲み込んで行く姿も見れているのだから。 カメラマンだって、そこを見逃す筈もなく、寧ろ近付いて行って撮っていた。  ゆっくりと腰を下ろし、腰までも上下させる阿月。 部屋内には水音までも響き渡り、阿月の後ろの蕾からはローションが流れ落ち益々阿月の妖艶さを演出しているようにも思える。 「ん、んん……ふぅうん……」  きっと阿月は自分で動いているからこそ、そんな激しい声ではなく甘く色っぽい声が出ているのかもしれない。  自分で動いているからこそ、自分をコントロールする事が出来る。 なら今はまだ激しくする必要な無いと思ったのであろう。  だが、今まで大人しくしていた陽生だって、ヘタレとして売ってはいるのだが、男なのだから、ずっと黙っている訳ではないようだ。  ゆっくりと腰を下ろして来ている阿月に焦ったくなって来たのか、背後で見ているカメラマンとかに阿月と陽生が繋がっている部分が見えるように足を立てて足を開かせ、阿月の腰を両手でしっかりと掴むと、腰を動かし始めるのだ。 「へ? え? あ、ぁああん!」  突然の事で阿月の方は体も脳も付いていけなかったのか、ただただ今は陽生に体を揺さぶられるだけになっている。 「ぁああん! いやぁあん! ぅうん!」  リズム良く阿月の口からは声が漏れる。  そして背中まで逸らす阿月。 今にも陽生の足へと倒れ込んでしまいそうな角度まで背中を逸らしてしまっていた。 それを必死に陽生は支えるのだ。 「やぁあん! ふうっ!」  何かを耐えるかのように途中、途中で息を吐く阿月。 「ふふ……いい眺め……」  と言葉を発したのは陽生だ。  さっきまであまり動きを見せなかった陽生なのだが、急にスイッチが入ったかのように言葉を発し始める。 「もっと、乱れてもいいんじゃないのか?」  さっきまでの優しい雰囲気さえも今の陽生にはないようにも思える。

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