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第12話 何があったのか教えてくれる?★

 下半身が熱い。  シュウさんの家に連れてこられた俺は、早々に裸になるように言われ風呂に入れられたあと、そのままベッドに寝かせられた。  頭の上で手首に手錠をかけられ、M字に開いた足は太ももとスネをベルトで固定されて閉じることができない。  しかもペニスにはリングが嵌められてしまってる。  なんだっけ、コックリングていうんじゃなかったっけ。動画で見た。  たしか躾だかお仕置きで使うやつだ。  シュウさんは俺の尻穴にローションを塗りながら言った。 「それで、昨日何があったのか教えてくれる?」  静かな口調だけど、強制力を持った言葉に俺は逆らうことができず途切れとぎれに答えた。 「しょ……職場の人と、飲みに行って……それで……飲み過ぎて……あぅ……」  ローションを塗られたところが熱い……これ、普通のローションじゃねぇ…… 「あっつい……あっついよぉ……」 「普通のローションじゃあお仕置きにならないでしょ?」    言いながらシュウさんは俺の中にローションの絡まった指を差し込んできた。 「ひっ……」 「狭いね、ここ」  それはそうだろう。そう簡単にそこは拡がらねえだろう。だからなんか玩具使って徐々に拡張するんだよな……?  知識としてはあるけれど、さすがに自分でやろうって気にはなれず玩具も買っていない。  指はゆっくりと抜き差しを繰り返し、水音が響く。中が熱い……もっと欲しい、指じゃあ足りない。  中がひくついているのが自分でもわかる。 「それで? 飲みに行ったあとどうなったの」  言いながらシュウさんは指の腹で前立腺を押しつぶした。 「そ、それで……俺、帰れなくて……はうっ! あ、しょ、職場の人に聞いたら、だ、抱き着いて離れなかったって言われ……ひうっ!」  指が引き抜かれ、その代わりに指よりも太いモノが中に入ってくる。  それの先端が前立腺に当たると、カチリ、と音がしてそれがぶるぶると震えはじめた。これ、バイブだ。  先端で前立腺をグリグリと押しつぶされて俺の視界が歪んでくる。  やばい、リングを嵌められたペニスがキツイ。 「漣君はまだSubとして開花したばかりだからゆっくり時間をかけて関係を作っていきたい、て思ってたんだ。だからパートナーって話は切り出さなかったんだけど……」 「ひ、あぁ!」  バイブがぎりぎりまで引き抜かれ、一気に奥まで入ってくる。すると腰から快楽が這い上がり、俺は大きく目を見開いて背を反らした。 「ちゃんと僕のものだ、って教え込まないと危なっかしいね」 「あぅ……あぁ! そこ、だめぇ!」  やばい、頭がジンジンする。  出したい、でも、リングが食い込み達することができない。 「あぅ……!」 「それで抱き着いてどうしたの? 教えて、漣君」 「ひ、あ……お、覚えて、ないけど……気が付いたら武藤さんの家に……ベッドにいて……はぅ!」 「その人、武藤さんて言うんだ。覚えてないのは危ないね。漣君、飲み過ぎは急性アルコール中毒になりかねないから気をつけなよ?」 「ひ、あ……あ、わかって、ます……あぁ!」 「僕と最初に飲んだときも記憶が飛んだよね」 「あ、あ、あ……だめぇ、イく、イくからぁ! リング苦しい!」  ぎちぎちにペニスに食い込むリングに涙が滲んでくる。   「リングはつけたままでいようね。大丈夫、そのままでもイけるから。ほら、中に集中して?」    繰り返し前立腺を押しつぶされ、快楽の波が俺の思考を溶かしていく。 「ふあ、い、い、イくぅ! イくう!」    大声を上げて俺はびくびくと震えながら射精せず達した。  なんだよこれ……オナニーより気持ちいい……  出してないならまだペニスはガチガチで、リングが食い込んでるけれど、その痛みすら心地良い。  俺、どうかしてるかも……  こんなお仕置きだったらもっとしてほしい。  呆然としているとバイブが引き抜かれ、シュウさんが俺の顔を覗き込んでくる。  少し心配そうな顔をして、彼は言った。 「漣君、大丈夫?」 「う、あ……だ、大丈夫……です」  ぼんやりと答えると、シュウさんの手が頬に触れる。 「出さずにイけたね」 「あ……」  頬を撫でられただけでも甘い声が漏れ出てしまう。 「約束して、漣君。飲みすぎないって。ていうか漣君、お酒飲むと抱きつきたくなるタイプ?」 「ち、違います! そんなんじゃないです……たぶん」  そもそもそこまでハメを外して飲んだことねぇや。  いつもはビール二杯で満足しちゃうからなあ…… 「たぶん?」 「だって、いつもそんなに飲まねぇから……」  だから俺、限界がわかってないかも。  そこまで酒好きじゃねぇしな。 「そっか。でもその職場の人と飲みに行って飲み過ぎたのは何でかな?」  笑顔で言ってるけど、シュウさんの目が笑ってねぇ……  めっちゃ怖いんですけど? 「そ、れは……その……だって秋星さん、全然連絡くれないし……その……」  もっと構ってほしいから。  という言葉が喉まで出かかり、俺はその言葉を飲み込んだ。  言えねえ……恥ずかしくってそんなこと言えるかよ? 「あぁ、ごめんね。君はSubて自覚があんまりないでしょ? その状態でがつがつ構いにいったら君が怯えてしまうと思ったから最低限の連絡しかしないようにしていたんだ」 「あ……」  そうだったのか……そういえばそんな事最初に言われたような……?  確かに俺、Subて言われてもあんまりよくわかんねぇし……でも込み上げてくる衝動があるのは確かだ。  もっと構ってほしい、もっとそばにいたい。  もっと……シュウさんの希望を叶えたい。 「もう少し構ってあげてよかったね。漣君、まだSubだと自覚ないし経験ないでしょ?」  経験て、男と……てことかな……  その問いに、俺は小さく頷く。 「でも……俺は……もっとしたい、から……」  絞り出すような声で言うと、シュウさんは嬉しそうに笑い俺の頭を撫でた。 「そう言ってくれると嬉しいよ。お互いよく知らないし、信頼関係もできてないだろうから抱くのはまだ先がいいと思ってたんだけど……職場の人の話を聞いちゃうと嫉妬するなあ」  そしてシュウさんは俺の頭から手を離し、ぱっくりと開いた俺の尻穴に触れる。  そこは今、物欲しそうにひくついているし、中がまだあっつい。  イったばっかりだってのに、俺、まだシたくてたまらない。   「あ……」 「僕ももっとしたいし、この中に挿れたい。ねえ漣君、だいぶここ拡がってるけど、挿れてもいいの?」  その問いかけに俺は、顔が熱くなるのを感じながら小さく頷いた。

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