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37 悠里視点

泳ぐのはホント気持ち良くて好きなんだけど、技術が全然上がらない… 正確にはタイムが遅く、飛び込み下手くそとまぁやる気がなきゃもう諦めてただろう。 少し上がって休憩中、皆普通並には泳げてはいるから見るのは恥ずかしい。 そして立花は相変わらずレベルが違いすぎる。 ただ早いだけでなく泳ぎ方演技も美しいと言うべきか,マーメイドエース,の名は伊達じゃない。 1年生達も男女ともすでに見惚れてる。 顧問の呼び出しで全員プールサイドに集合し、1年のタイムやどれくらい出来るかの確認が行われる。 うちの水泳部では全学年合同で上級、下級の2つに分けてやる。 中間くらいはメンバーは下級に入れる事で下級組や初心者を教えたりとチームワーク向上を図るためだそうだ。 例外が1人いるけど。 立花は上級クラスに入ってない。 練習も1人で自由に行わせてる。 顧問も立花には頭が上がらないみたい。 テストが進み割り振りがほぼ終わった。 最後は例の草下くんだ。呼ばれた時 隣から「はーい」と聞こえた。 いつの間に隣にいたんだ? また目が合った。 「見ててな」小声で言われた。 そしてテスト開始から皆唖然とした。 めっちゃ上手いし、無駄な動きもなく身体も柔らかいのか早い。 流石立花レベルだ。コイツも上級かあるいは立花同様自由プレイだろうな。 「おー大したもんだな、 立花とほぼタイムも変わらないし、 上級クラスで指導も兼ねて入るか。 だが貴重な技術だし、独自にやりたいなら 立花が使ってるコースで2人でやってもいいぞ?」 立花は不満そうな顔してた。 「せんせー、俺下級に入りたーい」 えっ?皆同じ反応、顧問も 「いやなんでだ草下お前は上級クラスの中でも1番なんだぞ」 「だってー下手くそすぎな可愛い先輩がほっとけないんすよねー」 また俺のそば来て言ってきた。 何なの本当に気持ち悪い 「余計なお世話だよ、 君は自由組に行けばいいだろ!」 「待てわかったよ、草下もフリーにする。 立花はいつも1人でやるが、基本はどのクラスでやってもいい訳だ、それでいいか?」 「あざっす」 なんだか面倒臭い事になりそう……

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