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70 大翔と綾乃の車内会話
帰宅中今は車内に綾乃さんと2人だ。
「今日はありがとうございました。
千尋様のあんなに喜ばれるのは久しぶりに見たものですから。
これからも千尋様をよろしくお願いいたしますね大翔様」
「様だなんて、、綾乃さんは運転手もされるんですね?」
「今日は特別ですが千尋様の車移動は私が行っております」
「お仕事は長いんですか?
千尋のお母さんが亡くなったって聞いたんですが?」
「はい奥様は5年前に闘病の末に……
私は今年10年目になります。
奥様は本当にご子息お2人を可愛がられておりましたわ」
「ですが奥様がお亡くなりになられてから
ご家庭も暗くなり始めてしまいまして…
千尋様も…」
もしかしたら綾乃さんも知ってる?
「千尋のお父さんはどんな方ですか?
さっき会いましたが優しかったんですが少し怖さもあって」
「旦那様は立花グループ3代目会長にしてその他複数の会社も同時に経営されてます。ですがここだけの話あの方には関わらないで下さい。敵にしてはいけないタイプです」
「千尋から検察庁とか色々な偉い人と話したりすると言ってました。雪哉くんも国を動かせる程の力があるって、俺は父が警察官で母は検察官なんです。
父は亡くなりましたが…」
綾乃さん?
なんか今一瞬おかしな反応したような?
「そう…なんですね。大翔様のお父様もですか、それはお辛いですね。
お母様は検察官立派な方なんですね」
やっぱ気のせいかな?
「4年前に父が事故で亡くなってから母と2人でしたが、仕事が忙しくて全然話せてなかったんですが最近改善してきて今は理解しあってやってます。」
「素敵な話ですわぁ。
千尋様が惹かれたのも分かります。
私が言うのもなんですがいつでも要らしてくださいね。千尋様も喜ばれてますし」
「は…はいぜひ」
ああっ…綾乃さんには言いづらいな。
でもこの人は少なくとも信用出来そうだけど。
「着きました。お話出来て良かったですわ。良かったら念のため名刺とLINE入れましょう。誰も頼れない、相談出来ないときはいつでも私にご連絡下さいね?
それでは失礼いたします」
「はい送ってもらってありがとうございました」
綾乃さんは笑顔を見せて車を出した。
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