104 / 106

11.※

御月堂の雄が脈打った直後。 姫宮の口の中に白液(はくえき)が、直接注ぎ込まれる。 姫宮の口淫が口では嫌がっていたものの、身体は素直に悦んでいた証であり、そのことが嬉しいと溢れ出る液を丁寧に飲みながら思っていた。 「上手に飲めたよ、褒めて」 飲んだと御月堂に口の中を見せつける。 「そうだな、愛賀はえらいな」 恐る恐るといったように頭を撫でてくれた御月堂の手に、嬉しくて目を細める。 濃くて美味しかった御月堂から注がれた白い液。 そのおかげで、発情期(ヒート)が少し落ち着いたような気がした。 でも、まだまだ御月堂に相手してもらわないといけないほどに、疼いて仕方ない。 「ねぇ······慶さま。もっと、愛賀を愛して欲しいの······」 ぎこちなく撫で続けてくれている彼にもの欲しげな笑みを見せたのであった。 ゆっくりと瞼を開いた。 あれ、私、いつの間に寝ていたのだろう。発情期(ヒート)で疲れてしまったのだろうか。 重だるい身体を起こしている時、自分に掛けられたものに気づいた。 自分のものではない上着。だが、漂ってきた匂いで誰かのは分かった。 愛してくれると約束してくれた人の。 その匂いに充てられて、また身体が疼いていくのを感じ、その匂いをめいいっぱい吸いながら、自身を慰めることに努めた。 「──まだ、大丈夫そうではなさそうだ」 裸になっているのを気にもせず、勃ち上がりつつある自身のを触れようとした時、硬直した。 あまりの驚きで固まってしまった首を無理やり動かすと、乱れた髪にはだけたシャツと普段のびっしりとしているとはかけ離れた姿がそこにあった。 「······何故、慶様がここにいらっしゃるのです」 さりげなく彼の上着で自身の身体を隠しつつ、緊張気味で訊ねると、「覚えてないのか」とやや驚いた顔を見せた。

ともだちにシェアしよう!