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第4話

「お兄ちゃん、久々の通常服だね!」 「そうだな、メイク道具とか新しいの買ったから楽しみだな」 明日は待ちに待ったコスイベで、奏多は愛佳と一緒に準備をしていた。 はじめと一緒に買ったカラコンを見て、早く見せたいな…と思っていると、奏多と愛佳のスマホが同時に鳴り、2人は顔を見合わせて首を傾げるとすぐに確認をした。 すると、ゆい達と一緒に作ったグループチャットにゆいからの連絡が入っていた。 『すみません、琉斗が風邪引いてダウンしちゃったんで…私と琉斗は不参加です…』 ぴえんとスタンプも送られてきて、奏多はしゅんと落ち込んだがまたスマホが鳴り確認するとそれは琉斗からだった。 『大丈夫です、ゆいが大袈裟に言っているだけなんで…明日ちゃんと行きます』 『39度近く熱があるので大袈裟じゃありませーん。大体奏多さんと愛佳ちゃんに移ったらどうするんだ?責任取れるのか?ん???』 ゆいの言葉と怒りスタンプに琉斗は『すみません…』と言ってきて、奏多は返した。 『それじゃあ、明日は俺と愛佳で楽しんできますね…琉斗さんはお大事に』 「残念だね、お兄ちゃん」 愛佳の言葉に奏多は頷くと、とりあえず準備の続きをしようとした瞬間にまたスマホが鳴った。だが今回は奏多だけだった。 確認をすると、それははじめからのチャットだった。 『奏多さん、明日のコスイベ参加しますか?もしするのでしたら一緒にいいですか?』 「お兄ちゃん?どうしたの?まさか琉斗さんから愛の言葉が!?」 「な、何を言っているんだ!違うよ!はじめさんから明日のコスイベ一緒にいいですか?って誘われたんだよ」 画面を見せたが、愛佳はピンと来ていないらしくうーん…と悩み出したが…気づいたらしく「あ!」と言うと大袈裟っぽく手のひらにポンと拳を置いた。 「この間のハイト王子やった人だ!」 「そうそう、あの日に連絡先を交換して…この間は一緒にウィッグやメイク道具を見たりして…」 そこまで言うと愛佳の表情が驚いていて、奏多は首を傾げた。 どうしてそんなに驚いているのか?と不思議そうに見ていると、愛佳が勢いよく顔を近づけてきて奏多は後ろに仰け反った。 「ま、愛佳!?」 「お兄ちゃん、いつのまにそんな仲良くなったの!?琉斗さんというイケメンが近くにいながら!!」 「!!??何でそこで琉斗さんが出てくるんだよ!!琉斗さんは関係ないだろ!?」 「うわーお兄ちゃん浮気者ー…琉斗さん可哀想ー…」 ジト目で見ながら言ってきた愛佳の言葉に奏多は「どういう事だよ!それ!!」と大声で怒鳴ってしまい親から怒られるのであった…。 そしてコスイベ当日。 レオンの通常衣装に身を包んだ奏多は、ラッキーの最新イベント衣装を着た愛佳と一緒に参加をしていた。 するとそこに「あ、奏多さん!」と名前を呼ばれて振り返るとそこにいたのは、ハイトの通常衣装に身を包んだはじめでパァァと嬉しそうに笑っていた。 「はじめさん、おはよう!ウィッグ凄く綺麗だね!これこの間の?」 「はい!あ、奏多さんもカラコンこの間のですか?凄く似合ってます!レオン王子の黄緑色の瞳が本当最高ですよね!」 盛り上がっていると視線を感じて、視線の方を見ると愛佳がジト目で見つめてきていて…すぐに昨日の会話を思い出してハッと我に帰った。 「あ、えっと、そう!ちゃんと紹介していなかったね!こちら妹の愛佳です」 「妹さん!ラッキー君いつも可愛いなと思っていたんです!蔵前はじめと申します、よろしくお願いします」 「はじめさん、よろしくお願いします!」 お互いに頭をぺこり下げると、とりあえず撮影を始めようと3人で撮影を開始した。 するとレオンとハイトの人気ペアに色んな方から声をかけて貰い、有難いなーと思いながら撮影に挑んでいると、ふと隣に立つはじめに目をやると前よりも堂々としていて嬉しさに笑みを浮かべてしまい…気づいたら女の子達が頬を赤らめて奏多を見ていた。 「え、え?」 「お兄ちゃん…レオン王子が微笑んでいたら死人出るから」 「え!?そんなに!?」 慌てて表情を作ると撮影を再開した。 撮影を一旦終えて休憩していると、愛佳が女の子2人組とお話をしていた。 どんな話をしているのか気になり聞いてみると……。 「えー、マルス王子風邪引いちゃったんですね…」 「マルス王子とレオン王子が好きなので残念です…いつも素敵な2人の写真楽しみにしているんです」 まさかの琉斗と自分の事に、しかも楽しみにしていると聞いて奏多は頬を緩ませてしまうが、すぐに表情を戻したが…はじめと目が合ってしまいすぐに逸らされてしまった。 「はじめさん!見ていたよね!?」 「見ていませんよ!嬉しそうに笑っている奏多さんなんて!」 「見ていたね!?てか、そこまで言えるなんて見ていたと同じじゃん!!」 ギャーギャー騒ぐ2人に愛佳はため息をつくと、スマホを取り出して2人を写真に収めた。 そしてある方に写真を送った。 「お、来た来た」 ゆいはスマホに届いたメッセージを見ると、すぐに画面を見た。 そこには楽しそうにしている奏多とはじめの写真があり、これは…と思っているとベッドに寝ている琉斗がじーっと見てきた。 「ゆい…まさか、奏多さんか?」 「…見たいか?今のお前にはかなりキツいと思う…って!!」 ゆいが言い終わる前に琉斗はスマホを奪い写真を見ると、スマホの画面を割る勢いで握り締めていて、すぐに気づいたゆいがスマホを無理矢理奪い返した。 「本当、琉斗!奏多さん絡みになると怖いわ!」 「…何なんだよ…奏多さんを最初に見つけたのは俺なのに……」

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