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第2話 猥談と夜のおふざけ?(5)★
「ハル、これやばい……裏筋んとこっ、擦れて」
「俺もやばい。……ねえ、先っぽ触ってよ――そしたらもっと気持ちよくなれるから」
耳元で囁けば、智也は言われるままに鈴口を撫で回してきた。親指の腹でぐりゅっと押し込まれ、得も言われぬ快感に腰が跳ねそうになる。
「はっ、あ――智也の指、ぬるぬるして気持ちいい……こっちも、もっと扱いてあげるね」
「あ、ハル……っ」
熱っぽい空気が室内に満ち、二人は呼吸を荒くさせながら、夢中になって互いを高め合った。
間近に迫った智也の顔はすっかり上気しており、余裕がないことがうかがえる。そして、それはまた陽翔も同じで限界が近づいているのを感じていた。
「俺……もう、出そう」
「ん、いいよ……一緒にイこ、智也――」
絶頂を促すように手を動かすと、智也はこちらの首筋へと顔を埋めてくる。
「っ、イく……」
聞こえたのは小さな呻き声。瞬く間に熱い飛沫が放たれ、その熱さを感じ取った瞬間、陽翔もまた絶頂を迎えた。
「くっ」
全身が痙攣し、ドクンドクンと脈打つ昂ぶりから大量の白濁が吐き出されていく。やがてそれは智也のものと混ざり合い、手だけでは済まずに布団をも汚した。
二人の呼吸が生々しく部屋に響く。陽翔は強張った体の力を抜くと、射精後の倦怠感に包まれながらもティッシュケースに手を伸ばした。
「智也、ティッシュ」
声をかけて、それぞれ汚れた部分を拭う。
それから乱れた衣服を整えて一息つくと、陽翔はずっと頭にあった疑問をぶつけた。この行為が意味するところを知るために。
「あのさ、智也は俺のこと……」
どう思っているの、と。
ところが、いくら待っても返事がない。疑問に思って顔を寄せてみれば、智也はすうすうと規則正しい寝息を立てていた。つい先ほどまで起きていたというのに、あまりの早業に驚く。
(うそ……もう寝ちゃった!? というか、どうすんのこれっ!)
一緒に寝るわけにはいかないだろう――と、ベッドに運ぼうかと思ったものの、運悪く智也が腕にしがみついてきたため、身動きが取れなくなってしまった。
触れ合った箇所から温かな体温が伝わってくる。愛らしい寝顔を見れば、強引に引き剥がす気にもなれず、陽翔はため息をつきながら布団をかけてやった。
(い、一緒の布団で寝るとか……こんなの無理でしょ)
その夜、緊張してなかなか寝付けなかったのは言うまでもない。目を閉じても意識せざるを得なく、心臓がバクバクとしてしまっていた。
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