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ヤりはしないけどネ

「うわ、無駄に広っ」  部屋に入ると、無限に広が…りはしないけど2人でどうやって使うんだ程度の広さはある部屋。 「間取りはさっきの部屋と基本変わんねえな、お…露天風呂があるのかこれ温泉だってよ」  京介が部屋の説明書をよんで、外を確認した。 「朝入ると、富士山見ながら入れるらしいな」  じゃあ朝にしようかな、とバッグをソファーに放り投げててつやはベッドへ身を投げた。 「なんだっつんだよな…」  うつ伏せに寝転んで、さっきまでの会話を思い浮かべる。  ソファに座って、いまだに部屋の説明を見ている人物と、仲間公認になった。だからって何も変わらないんだけど、気持ちがなんか…ちょっとな…。 「なんだよ」  見られているのに気づいて京介も隣のベッドへ寝そべり、お互いあいつらにやられたな、と笑う。 「だから、発作は俺の部屋だけにしとけっつったんだよ、ほんとに」 「確かにな〜あれでこんな風になっちまったし…まあでも俺は少し気が楽になったんだぜ」  ベッドに仰向けに寝直して、京介は天井を見た。 「割と苦しかったわ。今思えば」  声が笑っているけど、心中はもっとモヤモヤしてたんだろうな、と察しはつく。 「まさかこんな風に解決されるとも思っていなかったけど、でもすっきりはした。お前は今まで通りでいいし、俺もそうするから」  てつやは天井を見ている京介をずっと見ていた。  他にも友達はいるけど、まっさんと銀次は小学校から。京介は中学からずっと今まで一緒にいる。この仲間はなんでも分かり合えてて居心地が良くて、それがなくなるのは自分の感情の半分持っていかれるくらい嫌だった。  けど、その仲間の1人に特別な気持ちがいったのはいつだったかな。   自覚を持ったのは、バイトしてた店を辞める辺りだった気がする。Boy’sBar(あの店)にいたら、やたらと京介を思い起こすことが多かったから。  京介はまだじっと見ているてつやに気付いて 「やる?」  と笑って言う。 「やるわけねーだろ」  こんだけお膳立てされたら やる気も起こらんわ。 「マジでそれな」  京介も声立てて笑った。思う壺だもんなあ  しかし、せっかくのスイートルーム…ちょっとだけなんかしないと勿体無いなんて言う気持ちにもなる。  京介はてつやの方へ左手を伸ばして 「来いよ」  と呼んでみた。来なけりゃ行くまでだけど、てつやは『ん…』と小さく頷いて京介のベッドまで赴き腕の上に寝転んだ。  伸ばされた腕を曲げててつやを自分に向けると、京介は顎を上げさせて唇を当てていった。  当てるだけの軽いやつ。それを2.3階繰り返したあとに、てつやの後頭部に手を当てて深く唇を合わせ、まずは唇を味わう。  ちゅ…っちゅ…という音がリアルに耳に響き、そして舌を絡ませる激しいものに。 「ん…ぅぁんっ」  てつやの声が漏れ京介はちょっと堪らなくなってしまう。ここらでやめとかないと、奴らの思う壺に…  てつやもそう思ったのか、少し名残惜しそうに唇を離し起き上がると 「ここが当たるのよな…」  と笑って、スウェットの半パンのなかですでに半分以上立ち上がっている京介のモノを布の上から触り、足の間に座り込むと 「硬(か)った…」  と呟いてスウェットから取り出した。 「やらないんじゃなかったのか?」  不意に出されてしまったが、自分自身を見つめるてつやを両手を自分の頭の下に入れて見つめる。 「やりはしないけどさ」   これまでも何度も一緒に風呂に入ったし、着替えもいっぱいしたけどこんな角度になったのはみたことなかったモノ。  てつやはしばらく見つめた後、迷わず口に含んだ 「っ…おい…」  急な感覚に京介から声が漏れた。  てつやは頭を上下させて唇で擦り上げ、口中では舌を裏筋に這わせたり巻き込むようにも動かしてゆく。 「ちょっ、てつや…はっ」  上手(うま)過ぎる… 「デカくて上手く動かねえよ」  何度か口を外してはまた含みを繰り返し、指も何本か添えて一緒に擦り上げるが、男のてつやの手で一握りしてまだ指4本分くらい傘のところまである。 「フルになったの見た事なかったから判んないよなぁ…こんなん入るのかな…」  これは多分今から挿入:(いれ)る、ではなくて一般的にどうかなという… 「男も女も大抵入ってきたから…大丈夫だぜ。多分」 「女に人気があるわけだよ」  言ってまた含み、頭の上下と共に握った手も上下に動かす。  顔の角度を変えたり指の動きを変えたりして、てつやは味わうように舐め尽くす。数分もすると京介の息が次第に上がってゆき、 「て…つや…も…でる…でるから口…はずせ…はやく」  そう言われてもてつやは口を外さなかった、 「おい…で…ちまうぞ」  いいよの返事の代わりにうなづく動作  そしていきそうなのなら…と思ったかは判らないが、てつやは出し入れを激しくし始め、音がするように唾液も絡め指も根本から上へと競り上げるように動かし始めた。 「お…まえそれっ、っくぅっ」  余裕ぶって頭に敷いていた手は、今やてつやの髪を優しくだが掴み無意識に頭を押さえつける。   そしてそのまま腰をそらせててつやの口に放出してしまった。 「はっ…はぁ…はぁ」  荒い息だけが響き、てつやは京介がいきつく瞬間に抑えられたのもあるが喉の奥まで含み、京介が出したものをすべて喉の奥に流し込んだ。そしていまだ咥えたままで、搾り取るように吸い上げる。 「はっ!くぅっ」  この吸い上げは人にもよるらしいが、効果がある人間にはとてつもない快楽で…と言うのも熟知。 「ふう…」  正座をして手を合わせ 「ごちそうさまでした」 と頭を下げる。 「やめろ」  吹き出して笑う京介に 「いや、ご立派なものだったので…」  と てつやは笑う。 「やってないから思うツボにはハマってないし」 「でも俺、今ちょっと早かったよな…」  微妙に凹んでますか? 「仕方ねえよ、俺だもん」 「嫌な自信だな、それ」  でもまあそう思っておけばいっか。  京介は寝転んだまま、再び腕枕に来い来いとベッドをポンポンした。  もう寝るんだろうなと思って、てつやは誘われるがまま京介の腕を枕に寝転んで、 「あいつら明日この部屋来てさ、絶対ゴミ箱のティッシュ確認しそうだから使わないでやったわ」  と、笑って言う。 「そこまでやるか?」  流石にそれは…と京介も笑う。笑いながらてつやの枕になっている腕を曲げて、てつやの唇を弄んでいた。  てつやはそれをハムハムしながら話しているわけだが、京介の空いている右手はてつやの半パンの中に忍び込んでいた。 「お前のも苦しそうじゃん」  下着の中にも手を入れられ、京介のを弄んだ感覚が『ソコ』に残っていた。 「あんなデカいの咥えてたら、流石にね…」  少し息を詰めて、応える。  京介は少し腰を上げさせて半パンと下着を下ろし、ソレを出してやるとやはり角度十分で張り詰めていた。 「こんなんなってて、よく普通に会話できるな…流石だな」  てつやの耳にほぼ唇を寄せた状態で、囁くような低い声で言ってやる。  その行為でてつやは、ビクッと体を振るわせもしかしたら京介が握っているものももっと反応したかもしれない。 『この声…クるなぁ』  声をかけられただけなのに、てつやは目を瞑り声を出さないようにするのが精一杯。 「やっとここまで来れた…お前ガードが固すぎんだもんよ…」  囁くように言うのも、少し笑って息を漏らすのも、わざとやってるのは本当に『タチが悪い!』とてつやは心底思っている。まさか声だけでイってしまう訳にもいかない。まあ握られてるけどね。 「だから俺さ、てつやの『いい』場所(ところ)教わりたいんだよな…ここは…どうなん?」  京介の指が、後ろの縫い目をたどり一番上傘の部分との合わさり目でそこを軽く擦り始める。 「んっ…」 「ちょっとだけいいって感じか…」  ソコはすぐにやめて、先の方へ動いた指は既に流れている液体を指に絡めて、手のひら全体で塗り広げるような行為をする 「こんなに濡れてんじゃん…もう…感じてるの可愛いよな」  その囁きは全て耳元で行われ、唇を弄んでいる指は口の中を探るように蠢いている。 『こ…こんな風にするやつなんだこいつ…エロッエッロ』  内心こんなことを考えて入るてつやだが、もう既に堪らなくなって唇を蹂躙する京介の手に手を添えて、その指をまるで『京介』を咥えるように舌を絡ませ始めた。  息が上がるのをそのままに腰も揺らし始め、京介の手の中のものはもうはち切れそうで、流れ出た液体のせいか擦り上げられながら挿入したかのような音を立てている。 「お前のも硬いよな…随分硬くなって濡れてるけど…感じてくれてんだな…こんなになってさ」  手の動きは速まり、傘の部分を引っ掛けるように擦られるとてつやの顎が上がる。 「ああ、ここが弱いのか…」  手を傘の部分だけに特化して擦るようにすると、 「あっ…んっん…」 「やっと声が出た…」  耳元で囁かれる行為は、脳に直接来るような感じでお酒とは違う酩酊状態を引き出してくる。しかも今まで思ったこともなかったけど、京介の声はほんっとーに クる!  親指以外の指で裏の部分を流れるように撫であげ、その親指は傘の段を弾くように、捲るようにいじっている。 「んっ…ぁあ…」  腰が揺れ出し、声も段々と大きくなってきた 「もうビッショビショじゃん…てつや…がまん汁すげ…」  名前を呼ばれもうだめだ…とてつやは京介に縋り唇を求めた。  枕にしていた腕で頭を抑えキスをする。舌を絡めての全開のキス。  息が上がって、激しい息遣いのなか舌が絡み、唇が鳴り、てつやは一度京介の名前を呼んでいた気がする。 「はぁ…んっ…じゅ…はぁ…」  京介の手は擦り上げる速度を速め、上から下までキツく握りながら擦り上げていた。 「んっんっんんっ」  腰の揺れが激しくなり、もういかせて欲しいとてつやの身体が求めている。 「イきたい…?」  唇を離し、息を飲み合うような息遣いの中微笑みながらわざと聞いてくる京介 「やな…性格…」  強がりを言っているが、全身がもう上り詰めることを求めているから仕方ない。  京介は手の動きを最高潮に速め、てつやの腰が浮いてきた頃に、耳元で 「イけ…」  と 囁かれてつやはその瞬間に解放してしまった。 「お…まえ…」  管理された気分がして、言ってやろうかと思ったが、息を整えようにも中々敵わず、暫くはぁはぁと調整する息遣いが続く。 「弱いところ一個見つけた」  余裕で笑って、鎖骨あたりに跳ねていたてつやの解放したものを、舌で掬って舐めあげた。  腕枕を外して、てつやのものを徐々に舐めとってゆき、最後にてつや自身の先の方を口に含んで、そこも舌でお掃除仕上げをする。 「余裕すぎて腹が立つな…」 やっと少し息が整ったと思えば悪態ですか。 「ティッシュ使いたくないっていうから」   笑っててつやの脇にあぐらをかいて、てつやの前髪を後ろになでつけてやる。 「シャワー浴びるか?」  やってもいないのに、汗びっしょりだ…こいつは…警戒せねば…  てつやはやっと起き上がり、 「ん、浴びるわ…」  と気だる気にベッドを降りるてつやを見送り 「行ってこい」  と声をかけた京介は、立ち上がって部屋着を纏い、タバコを持って露天風呂のあるテラスへ向かう。  椅子に座ってタバコに火をつけようとした時、てつやがガラス戸を開けた。 「お前も汗かいただろ…後で来いな…」  それだけ言って、去ってゆくてつやの背中を微笑ましく見送る。 「一歩だけ前進か…」  それ以上は今の段階ではあまり望んでいない自分にも驚いた。  てつやが大事に守ろうとしていた友人は、やはり守るに値する友人で、理解し合える友人はやっぱり気が楽だな…とリクライニングの椅子に身を預け。京介はそんなことを考えていた。  2人してシャワーから上がった時、重大なことに気づいた。 「さっきの部屋からビール持って来ればよかった…食い物も」  確かに小腹が空いてきた。飲み物は冷蔵庫にあるだろうが、なんか食いたいな…と言う気がする。 「なんかねーかな」  冷蔵庫を見ると、案の定ビールやソフトドリンク以外は、チーズやサラミ程度だ  しかし、あの部屋に取りに行くのも今の段階ではなんかちょっとよしとしない… 「なんか持ってきてなかったっけな…」  リュックの中を見てみるが、ここに食べ物を入れた記憶はなかった。 「背に腹は変えられない…電話すっか」  てつやはスマホで銀次へ連絡を入れる。  「あ、銀次?起きてる?」 『ああ、起きてるよ。文治も起きちゃったんで飲み会やってる』 「ずるいぞ混ぜろ」 『いいぜ、来いよ。なに?2人じゃつまんねえ?』 「そりゃそうだろ、こっちだだっ広くて手に余るわ」 『お?じゃあ俺らそっちに行くわ。スイートも見てみたいし』 「いいぜ、食い物と酒全部持って来い」 『ラジャ』 「来るってさ」  髪を拭っている京介も、いんじゃね?  と 笑っている。 「わああ!さっきの部屋よりちょっと広いねー」  部屋へ入るなり文ちゃん大全開 「文ちゃん、ここ露天風呂あってさ、富士山見ながら風呂入れるってよ」 「早起きする!」  そういえばさっきの部屋には小上がりのような和室?に布団用意されてたけど、ここは雑魚寝できなそう?  まあ夏だし、どうにでもなるか。  と、宴会第二弾開始。  結局は4人と+1名でいるのが楽しいのであった。

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