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第7話 颯の前で ※

 激しいキスをしながら、颯がオレのに触れた。服の上から、熱を確かめるように。 「……もうヤバいよな?」  少しだけ離れた唇の間で、そんな風に囁かれて、頷いてしまう。  もう無理。もう出したい。それから後ろ。そんなとこが疼くなんて。 「……慧、手貸して」  言われるまま手を預けると、ズボンの上から、颯の下半身に触れさせられた。その硬さと熱に、更に熱を持ってしまうオレの体。顔が、ますます熱くなる。 「オレもかなりヤバい。……慧、バスルーム行くぞ」    ひょいと抱えられて脱衣所に辿りつくと、そこに降ろされる。  また、深くキスされながら、服を脱がされていく。 「ん……っふ ……」  颯の前で裸とか……信じられないのに。  もう、でも、触ってほしくて、無理。  頭、沸騰してるみたい。  心臓、苦しい。 「はや、て……は、や……ッンん……」  ズボンも下着も脱がされて、全裸。  キスしたまま、颯が自分の身に着けてたものを下に落としていく。時計や、ベルトごとズボン。最後に、キスを外してシャツを脱ぐと、颯も全裸。オレを連れて、バスルームに入った。  もう。  ……期待で。  おかしくなりそう。 「……慧」  後頭部を手で押さえられて、真正面から、見つめられる。  何でか、じわ、と涙が滲んで、ぽろ、と零れた。それを見た颯が、一瞬息を飲むみたいな顔をして。眉を寄せた。 「……可愛いな、お前」  颯が、濡れたような、色っぽい声で言って、めちゃくちゃ深いキスをしてくる。  可愛いって、言われた。颯に、可愛いって。  なんか。……嬉しいとか、もう、オレ、変。 「――――……っん……ぅ……」 「一回、出せよ。きついだろ」 「や、ぁ……っ」  迷いもなく、下に触れられて、待っていた刺激に気が遠くなる。  めちゃくちゃ激しくされて、自分でもびっくりするくらい早く、真っ白になって。颯の手に精を吐き出してしまった。  ヤバい。  颯の、手で。颯の前で、イっちゃうなんて。 「……っあっ……ん、んっ……」  激しくキスされたまま、胸に触れられて、びく、と震える。  胸なんか感じないよ? と咄嗟に思うのに、引っ掻くようにされて捏ねられると、すぐに気持ちよくなってしまう。  なにこの体。意味わかんない。  ヤバい。オレの体なのに、オレの体じゃないみたい。

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