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僕は大嫌いなあいつが運命だなんて信じないからな!!

とある男子校の放課後の教室で、僕は自習をしていた。突然ガラッと教室のドアが開いた。なんだと思い振り返るとそこには1つ上の問題児で有名な大嫌いなやつがいた。そいつは「なんだ、まだ人がいたのか、補修サボるのにここ使おうと思ったのに」とか言ってきた。突然やってきて、なんなんだこいつは。こいつの近くにいると優等生の僕の評判にも関わるし、ちょっと気分が悪くなるから嫌だったのに。今もちょっと息が上がってきてつらい。するとやつは「なんだ?気分悪いのか?」とか言って近づいてきた。やめてくれ。それ以上近づかれると。「おい!大丈夫か!!」その言葉を最後に僕の意識は途絶えた。  「おい、しっかりしろ!」入った教室にいた1つ下の優等生な後輩が俺を見ると具合悪そうになってて気になって声をかけて近づいたら突然意識を失いやがった。そいつからふんわりと甘い匂いがして無意識に口の中に唾液がたまってきた。これヒートだろ。なんでこんな無防備なんだよ!噛みたくてしょうがねえじゃねーか。すぐに保健室に連れて行かねえと。「よいしょっと」寝てるこいつをいわゆるお姫様抱っこして保健室まで急いで運んだ。  ガラっと保健室のドアを開けたが、保険医の野郎いねえじゃねーか。とりあえずベッドに寝かせて俺はアルファ用の緊急抑制剤を飲んだ。こいつ多分だけど俺の運命の番だな。前から気になってたやつだから嬉しいけど、こいつは俺のこと嫌ってるからなぁ。どーすっかなー。目が覚めたら説明してそっからアプローチ頑張るかあ。「んう、ここどこ?ってゲッ」ん?目覚めたのか。良かった。「保健室だよ。お前、倒れたんだよ」「ゲッ」ってひでーな、ちょっと傷ついたわ。「なんであんたがここにいるんだよ!」「倒れたお前ここまで運んできたの俺だからな」「保健室の先生は?」「いねーよ、それよりも体大丈夫か?お前ヒート起こしてたんだよ」「なんで?ヒートはまだのはずなのに」「ああー、言いにくいんだが、お前は俺の運命の番なんだよ。俺と会うたびちょっと具合悪くなってただろ?」  運命の番?こいつとだと?、そんなはずないだろ!「具合悪くはなってたけど・・・」「とりあえず抑制剤持ってるだろ?飲んどけ」ザラっごくん。一応抑制剤飲んだし少しは大丈夫だろう。運命の番?に効くかわからないけど。こいつなんで平気そうなんだ?「あんた、なんで平気そうなんだよ」「好きなやつがヒート起こしてて平気なわけないだろ!あっ」はぁ?こいつ僕のこと好きだったのかよ。なんか顔ヒートとは別に赤くなってきた。「なっあんた僕のこと好きだったの?」「そーだよ。わりーかよ」「運命の番だからとか?」頭をガシガシ搔きながら顔を赤くして「ちげーよ。前からお前のこと好きだったんだよ。あー、締まらねえなー。俺と付き合ってくれませんか?」「いきなりなんだよ!僕は大嫌いなあんたが運命だなんて信じないからな!!告白もちょっと考えさせてくれ」ちょっと傷ついたような真剣な顔で「面と向かって言われるとやっぱり傷つくわー。まあ、これからアプローチ頑張るし考えてくれない?」「わかった」  その日からあいつは僕に紳士的にアプローチしてきて思っていたよりも真面目に考えてくれてて嬉しくなった。それとあいつはいわゆるスパダリってやつで次第に僕はあいつが嫌いではなくなって少しずつ好きになっていった。「なあ、前の告白の返事どうなってるんだ?」とか急かしてこなかったのも高ポイントの1つだ。 それから僕はあの人からの告白の返事に「Yes」と返して付き合うことになった。あの日からいろいろあったけど、僕はあの人と幸せな日々を過ごしている。 おしまい。

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