1 / 1
第1話
あの知らせを聞いた瞬間から、俺は感情が消えた。
見えるけど見えない、聴こえるけど聴こえない、お前がいない…
圭吾が呼ぶ声、笑う声、困った顔、一度だけ凄く怒った綺麗な顔。
全部思い出せるのに、圭吾の感触だけ思い出せない…
なあ…本当にもういなくなったって事なのか?おまえの肌の感触が思い出せないのはそのせいなのか?
俺はお前が死ぬなって言ったから死ねないよ。だけどそれは辛いよ。お前のところに行けないって事なんだから。
どうしたらいい?俺はどうしたらいいんだ?圭吾。
待ってるけど…来るか判らないお前を待ってるしかないけど…もしお前がもう居ないなら、この呪縛を解きに来てくれよ…。
お前の所に…行きたいから
ともだちにシェアしよう!