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最終話

日本は既にクリスマスシーズン終え、一年の締めくくりをしようとしていた。 会社も年末の長期休暇に入っている。 多くの家庭では大掃除をしているなか、一件引っ越しの荷解きをしているようだ。 「樵さん、キッチン周り終わりました。」 「サンキュー!俺の方もちょうど終わったところだ。」 「そろそろ休憩にしましょう。俺珈琲入れます。」 「あぁ、頼む。」 ソファに座り外を眺めるとちらほらとまた雪が降り始めている。 二人が交際してから1ヶ月、早々にお互いの家に寝泊まりすることが多くなり引っ越しを検討したのが十二月の初め頃。 しかし、部署はクリスマスシーズン目が回るような忙しさに今年は無理だろうと樵が言うが、凛太郎は断固として聞かなかった。 「絶対に!今年中に!引っ越します!」 そして本当に引っ越しを決行し、年末にも関わらず二人は新居で荷解きをしていたのだ。 凛太郎が片方のマグカップを樵に渡す。 荷解きは重労働だがやはり冬の寒さには勝てない。 珈琲の暖かさが身体に染み渡る。 凛太郎もソファに座ると、おもむろに樵のうなじを撫でる。 凛太郎の撫でる手に反応するように樵の身体がピクリとする。 「コラ、珈琲がこぼれたらどうすんだよ。」 「樵さんのうなじが色っぽくてつい…。」 「ゃっ…こら…んぁっ…。」 叱る樵の珈琲を奪い、机に置いた凛太郎は続けて首筋を愛撫しはじめる。 耳を刺激しながらキスをすると樵の身体はまるで背骨が溶けてしまったように力が抜けていく。 ソファに押し倒されると、期待で膨れ上がったものが目立つようになる。 それを見て凛太郎は樵に囁く。 「こんなに固くしてたら説得力ないじゃないですか…悪い子ですね…。」 「んっ…それは、お前がそういう風に触るからだろっ…ぁ…いきなり乳首吸ったらダメだって…んんんっ。」 凛太郎の愛撫に逆らえずに樵は切なく喘ぐ。 ズボンを下ろし、樵の縦に割れたピンク色のアナルを凛太郎は躊躇なく舐めはじめる。 「んぁっ、そんなとこ…舐めんなよっ…あんんっ!」 「ローション、今ここに無いので…。それに、もうこんなに柔らかくなるってことは、気持ちいいってことじゃないですか?俺のが欲しくて堪らないんじゃないですか?」 そう言って取り出したペニスは樵のアナルに入りたそうにピクピクと動いている。 くぱぁっと広げられたトロトロとした穴に挿入するとズププといやらしい音を部屋中に響かせた。 軽快にリズム良く肌が打ち付けられる音と共に二人の快感が絶頂へと向かう。 「んっ…、あん、あっあっ…んんっ…あんんっ!そこ、ダメっ…!」 「ここ、すきっ、ですよね…引っ越し最初のセックスなんで、いっぱいっ、突いてあげますねっ…!」 「やぁぁっ!すぐ、イッちゃ…!」 弱いところを何度も突かれ、甘い声が漏れる。 やがて二人は絶頂を迎え、樵の腹の中に精液が注入される音が聞こえる。 肩で息をしながら脱力する凛太郎はそのまま樵にのしかかる。 その重みは樵が今までずっと欲していた重みだ。 二人はまだいくつか荷解きが終わっていない段ボールに囲まれた部屋で幸せを噛み締めている。 テーブルの珈琲はすでにぬるくなってしまっていた。 「はぁ、一旦風呂入らないとなぁ…。」 「じゃあ風呂の中でもう一回ですね。」 「勘弁してくれよぉ。」 そう話しながら繋いでいる二人の左手には永遠の幸せを祝福しているように二つの宝石が微かに輝いていた。

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