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とりあえず片は付き?
揉めてる声に意識が戻る。
「お前はいつもそうだ!」
ん…リシェール?
そうだ、僕は部屋を閉じたんだった。
敵も味方も通れないように。
子供達と世界を守るために。
アレク様がきっと開けたんだろう。
「こっちも今回は結構大変だった。俺とリシェで敵わないなら、お前らは戦力に出来ない。妥当な判断だ。」
「扉が閉ざされて、いつ開くかわからない、どれだけ心配したと…母上を、だが。」
飲み込めた。
扉を開ける前にエッチしてたから…。
気になって自分の姿を確認。
ちゃんと洗ってくれてあった。
「ごめんね、僕が悪かった。」
「「リシェ!」」「母上!?」
とりあえず僕の部屋に戻してくれたみたい。
ベッドから身を起こすと三人共が急いで駆け寄ってくれた。
「激し過ぎたな。済まない。」
アレク様が頬を撫でてくれる。
「母上、お怪我は?」
リシェールがアレク様を睨みながら調子を聞いてくれる。
「うん、大丈夫、ありがとう。」
「生きた心地がしませんでした…。」
リシェールが僕を抱き締める。
僕がお礼を笑顔で言うと…。
「ふぅっ!?」
リシェールが僕を抱き締めたままで激しく唇を吸ってくる。
アレク様が凄い力が入った拳をリシェールに落とす。
「お前なぁ、これは、俺のだ!!」
アレク様は僕をリシェールから抱き戻して、リシェールを威嚇する。
殴られた頭を撫でながらリシェールが、ふんっとそっぽを向いた。
「心配させた母上への、ばつです。」
「嘘言え、やりたいだけだろうっ!」
「本当にごめんね二人共。」
止まらない喧嘩に苦笑気味に口を挟んでみる。
「まあさ、リシェールもかなり我慢して、扉開けなかったんだから、褒めてやってよ。」
陽太さんがリシェールを足止めてくれてたんだね。
「最後の方は俺が悪かった。お前らに連絡する前に、連絡よりもリシェとのエッチが重要だと思ってしまったからな。」
「やはりお前が原因かーっ!」
リシェールが小ナイフをアレク様に放つ。
「動きが単純だ、読まれるぞ。」
アレク様は小器用にナイフを掴み取り、リシェールに投げ返す。
リシェールはそれを回避して…。
「リシェ、危ないからお茶でも飲みに行こうね。」
「「陽太!」」
あれだけやりあってるのに、どこで僕の動向を見てるんだろう。
「リシェが聖母なのは間違いない。恐らくリシェの影響で、他の宇宙が出来てきているんだろう。」
「…狙われるんだよね?」
アレク様と穏やかに…いつになったら過ごせるのかな?
思わず溜息を吐いてしまう。
「俺は誰よりも強い。リシェを守り切る事なんて、余裕だろ?愛しいリシェが信じてくれる限り、リシェの平穏も含めて、俺が守る。」
力強い笑みで以て、アレク様は言ってくれる。
有言実行がアレク様だ、それだけで信じられる。
「アレク様を信じてます。」
「ああ、任せろ!信じろ!可愛い!」
「あれ、え?」
文章の繋がりがおかしい。
アレク様が僕にのし掛かって…。
「父上、母上!」
急に扉が開いてエイリシュが入って来た。
「エイリシュか、どうした?」
僕の上から退きながらアレク様が尋ねる。
リシェールは僕とアレク様の情事の最中に慣れてるけど、エイリシュには変な所見せられないと、アレク様もさすがに思ってる。
「リシェール兄上から聞きました。お二人が苦戦するぐらい大変な目に合ったと。」
今はリシェールは神殿の仕事中だから抜けられない。
アレク様はそれを狙って僕を押し倒して来たわけで…。
「あいつーっっ!!」
予定が狂わされた事にアレク様が気付いて、行き場のない憤りを枕を殴って抑えるアレク様。
「大丈夫だ、父は誰よりも強い。」
エイリシュはリシェールと違ってアレク様を尊敬してるから、アレク様も邪険に出来ない。
だからアレク様は何ともないような笑みでエイリシュに答えた。
「邪魔されちゃったね。」
軽く吹き出して思わず笑ってしまう。
「…ああ。リシェールを泣かすにはやはり物理だな。痛みよりも擽り地獄がいいか。」
「手加減してあげてね。」
こんな遣り取りも愛おしい時間だと気付く。
大きな厄介事が加わったけど、みんなが、居てくれれば大丈夫だって。
僕はこの優しい時間に身を委ねた。
another
「聖母様……。」
細くてか弱そうなのに、必死に睨んで見せる幼気さ。
揮う攻撃は、神々しいまでの光だった。
「触れたい…聖母様…。」
俺が聖母様の身を確保した時…聖母様は全裸だった。
あのピンクの乳首を口に含んだら、どれほど美味なのだろう。
「くっ……!」
自身を衣服から取り出して擦る。
まるで中坊の頃に戻ったかのように、俺はギンギンに興奮していた。
「聖母…っ様っ!」
聖母様への想いをベッドシーツに吐き出した。
聞けば聖母様は元地球に居られたらしい。
もしかすると、聖母様を地球に連れ戻すのが、俺が勇者たる使命なのでは?
「必ず地球に取り戻す、聖母様!」
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