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主従関係
華奢な体がベッドの上で蠢いている。
光聖(こうせい)の両足はM字に開かれ、その中心は仰向けに寝ているせいもあるだろうが腹にピッタリと吸い付くように硬くなっており、先から漏れる汁で腹に水溜りができていた。
「そんなに感じてもらえて嬉しいなぁ」
指を2本バックに差し入れている伊勢谷は、2本の指を中で開いたり閉じたりしたり、前立腺をわざとかわして出し入れしたりを繰り返し、決定的な刺激は与えないまま、ずっとこうしていた。
「お前が流した液で随分滑らかだよ…音が聞こえるか?ほら」
わざと音を立てるように指を蠢かせて光聖の様子を伺う。
「はぁ…ああぁ…もっと…して…よぉ…もっとおぉ」
中心にも触れてもらえずもどかしそうに腰を振る光聖は、自分の足の間にいる伊勢谷の黒い髪に触れようと起き上がりかけて、力が入らず再び枕へ身を落とした。
光聖の両手は親指同士が結束バンドで繋がれていて、思っているような動きが取れないでいる。
小さな、小さな拘束が光聖を煽っていて、腹に吸い付く光聖自身は乾く暇もなかった。
「いせ…やさん…欲しい…よぉ…挿れてほしいよぉ…」
「俺のこれのこと?」
伊勢谷もだいぶ勃っている己を光聖のバックに押し当てて
「これを、ここに欲しいのか?」
先っぽをグニグニと穴に押し当てて、わざと確認作業。
「はぁああ…それ…ああ、それ欲しい」
光聖の腰が沈み、自らそれを入れるように前後に体が動き始め、腰が迎えるように浮き始めた…が、伊勢谷はそれをそこから外し
「だめだろ、まだやらないよ」
華奢な光聖の体に比べて、伊勢谷は筋肉が張っていて腹などは見本のように割れている。体格では全くの正反対だ。
その身体の伊勢谷の指は太く、2本も挿入されればそれなりになる。
伊勢谷は再び指を挿れてグチュグチュと音を立てると、焦らされたところへの挿入からなのか光聖は嬌声をあげた。
「なんでもいい、突っ込んで!ああ!もっと掻き回してっいいっいいいっ」
腰が激しく揺れ始め、腹の上のものもピクピクと蠢き始める。
「もうイきそうなのか?まさかだろ?」
伊勢谷は準備しておいた組紐を手に取り、腹の上でピクピクし始めた光聖自身の根本へ巻き付け、強すぎないように…それでも決して甘くならないよう締め付けた。
「やっ!それやだぁ…ああっイきたいのにっ」
声をあげて、光聖は茶色がかった髪を振る。
ずっと燻っている快感が全身を支配し、腰がまるでピストンをするように上下に動き始める。
「すごいな光聖。誰かを犯してるみたいだぞ」
相変わらず指を中で蠢かせながら、伊勢谷はその光景に自らも高まってゆくのを感じ、
「挿れて欲しいか光聖」
と光聖へ聞くと、光聖は
「欲しい、欲しいぃぃ挿れてよぉ」
自我が薄れる中で譫言のように挿入を促してきた。
「そうか、なら挿れてやる」
そう言って伊勢谷は立ち上がって光聖跨ぐと、光聖の前髪を引っ張って起こして自らの張り詰めたものを光聖の口へと押し込んだ。
「んぐっんんっぐっ」
「挿れたぞ…はっ…満足だろ…?ん?」
伊勢谷も少し息が上がってきている、
光聖は親指が結ばれた両手を、伊勢谷の恥骨のあたりに当てて押し戻そうとするが、伊勢谷は頭を両手で掴んで喉の奥へと差し込むように腰を振り始めた。
「グゥッんっっくっ じゅるっんんぐぅっうぅゔゔ」
流石に苦しいのか押し返す手は緩まないが、伊勢谷はお構いなしに光聖の喉を犯しまくった。
「ああ、いいぞ…光聖…上手だ…はぁはぁ…奥まで入るようになったな…」
じゅぷじゅぷと音を立てながら抽送を繰り返し、光聖は口の端から涎を流しながら意識が半分飛んでいそうだ。
強引なイラマチオに、光聖の縛られたものはもう張り詰め切っていてダラダラと漏れる液で組紐さえもがすでにびっしょりになっている。
「ああ…いいぞ光聖…いいぞああっ俺もイきそうだ…」
伊勢谷はイきそうな感覚を堪えて口から抜くと、光聖の組紐を解いてやり、そして再び光聖の前にたち再び口に突っ込む
「んぐぅぅっんっ」
怒張と言っていいほどのものを再び突っ込まれ、光聖は涙を流して受け入れる
そのまにも激しく抽送を繰り返し、そして
「イクっあっイッく…」
と声をあげながら口から引き抜き光聖の顔へと精を放った。同時に光聖も触られもせずに腹の上へと放出し、顔に浴びた伊勢谷の精を手のひらで頬に撫でつけながら妖艶に微笑んだ。
放出し終わった伊勢谷は、光聖の脇へと座り込み洗い息を吐き続けている。
「伊勢谷…」
不意に息は上がっているが今までの光聖とは違う声が、発せられた。
「は、はい」
伊勢谷も打って変わって、控えめな返答。
「お前、上達したね。今日のはすごく良かったよ」
浴びた精を舌で舐めながら、光聖は伊勢谷の精のついた手を伊勢谷の頬へ撫でつけた。
「今までは少し遠慮があったけど、今日の容赦の無さは…はぁ…完璧だったね」
「恐れ入ります」
あぐらを正座に変えて、伊勢谷はうやうやしく頭を下げた。
「じゃあ、今日は挿れさせてあげる。今度もちゃんとイかせてくれよ?」
「ありがとうございます。誠心誠意努めさせていただきます」
光聖は唇を舐め、一度出したにも関わらずまだ半分勃っている伊勢谷自身に美味しそうに食いつく。
「ああ…畏れ多い…」
光聖に『してもらう』ことが史上の喜びといった顔で、伊勢谷は再び息を荒くした。
準備が整い、『来て』と誘われるがままに光聖へと侵入した伊勢谷は、どこまでこの方についていけるのか…不安と快感を享受しながら、懸命にご奉仕を続けるのだった。
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