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第12話

 部屋に戻ってから検索を掛けるべきだった。と蓮は反省していた。部屋ならば誰からも邪魔をされない。鍵は掛かるし、おおっぴらにいかがわしいものを見ていても誰にも咎められない。  なぜ授業中に調べていたかといえば、なにか準備するものがあれば、日中でなければ用意できないからだ。  さすがにいかがわしい品を用意するのは無理だが、ドラッグストア程度なら行くことはできる。  やり方を調べていたら、安全にアナニーをするための方法が紹介されていて、内部の洗浄方法だとか、道具を使ったやり方だとか、様々な事が紹介されていた。  道具の入手が難しいひとのためには代用品の紹介をしている人もいて、親切だった。  本格的な、道具にも興味がないわけではなかったが、それよりも、もっと簡単に、自分でしてみたくなっただけなので、そちらはいいとして、それでも、横目には少し気になる。 (鷲尾くんの……)  啓司が、蓮を抱くことはないだろう。だが、気になる。啓司の性器は、ここ数日でどんなものなのか、知ってしまった。 (あれを……)  受け入れることができたら、どんな感じだろう。妄想しているだけで、身体の芯が、熱くなってくる。  後ろ、をするには、なにか潤滑剤が必要だと書いてあった。具体的には、ワセリンだとか、専用のローションのようなものだとか。  ワセリンなら、冬に買って余っているものがあるはずだ。蓮は、クローゼットにしまい込んだ薬箱を取り出した。冬、乾燥したのか手荒れが酷かった。ワセリンを塗ってしのいでいたが、いつの間にか改善していて、必要がなくなっていた。なので、少しはそれが残っているはずだった。  蓮は、小さなプラスチックの小瓶を手に取った。少し、緊張する。時間を確認した。もう、消灯時間を回っていた。  部屋の電気を落として、ズボンと下着を下ろす。全部は脱がなかった。膝のあたりまで下げただけだ。だが、下半身は空気にさらされる。空調のきいた部屋の、少し乾燥したひんやりした空気を臀部に感じて、所在ない気持ちになりながら、蓮はワセリンを指に取った。  どういう体勢が、一番楽なのか分からなかったが、膝をついて、臀部を上げた格好でしていた写真を、インターネットに上げていた人がいたのを思い出して、それを真似てみる。 (これ……誰かに見られたら、かなり、恥ずかしい……)  ベッドの上。膝をついて、お尻を突き上げて、そこに指を宛がっているのだから。  見られたらどうしようと思いながらも、快楽が欲しくてたまらない。奥の入り口を撫でていくとワセリンが熱で蕩けていく。そのまま、ゆっくりと指を中へと滑り込ませる。 「あ……、」  入っていく感覚。それと、指から伝わる、内部の感覚。熱くてきつい。時折、締め付ける感覚があった。入り口だけ締まるのではなく、指全体が締め付けられる、そんな感じだ。 (あ、指の根元まで入っちゃった……)  そこにかすかな違和感だけあるが、思ったほどの快感も衝撃もなくて拍子抜けする。 (これなら、鷲尾くんのを口でしたほうが、気持ちが、良かったかも)  期待したぶん落胆も大きくて、そのまま、指をゆっくりと抜いたとき、 「ひゃっ……んん……!」  思わず声が、漏れてしまって。慌てて口元を押さえた。  奥。 (あ、こすられると、良いんだ……)  新たな発見をした蓮は、ゆっくりと、指の出し入れをしていく。指の付け根まで、何度も出し入れしていくと、頭から飲まれそうになるほどの強い快を得ることが出来た。無我夢中になって、指を動かす。物足りなさから、指を、増やす。きつい感じがするが、より、内壁をこすられる感じがする。  血が、沸騰しているみたいに、鼓動が早くなる。枕に突っ伏して顔を埋めて、うっかり漏れてしまう声を、堪える。 (もっと……)  もっと、もっと……深い快楽が欲しい。もっと、強い快楽を得られるのを、本能が知っている。指を増やそうとしたけれど、さすがに一度に三本は無理だった。そして、もっと、もっと、奥まで欲しいし、誰かにほしいままにして欲しい。 (鷲尾くん……)  あの、たくましい欲望を、想像した瞬間に、蓮の欲望が弾けて。自己嫌悪感が、酷くなった。

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