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この世で一番ほしいプレゼント♡番外編 運命の人6
「だったら出逢ったときに、恋愛に発展するナニかがあったに違いないわ!」
「叔母様のいいところって、アレか。メロンを使ったと」
「メロン?」
「なんでもない、気にするな」
発展途中の妹の胸元を見て指摘したが、不思議そうに目を瞬かせている彼女には、伝わっていないらしい。
パーティなんかで女のコと腕を組んだときに、自分をアピールするために、ここぞとばかりに押しつけられることにウザさを感じて、内心辟易していた。
(叔母様が皇太子殿下を落とすやり手だったとは、考えたこともなかったな――)
顎に手をやり、ぼんやり考えていると。
「ウチの使用人と恋に落ちるなら、カールがいいわよね」
「カールだと!?」
唐突に告げられた言葉に、思わずギョッとして、ソファから腰をあげてしまった。
「だって使用人の中で、見た目が一番いいですもの。それに優しくて紳士的ですし、今度お友達のお屋敷でおこなわれるパーティで、エスコートをしていただきたくて」
「…………」
「お兄様ってば、そんなにわたくしのことが好きだったのかしら?」
「へっ?」
「まるで、ヤキモチを妬いてるみたいなお顔でしてよ」
妹にクスクス笑われても、なにも言えなかった。下手な弁解をして、余計な詮索をされないように顔を背け、「好きに言ってろ」と捨てセリフを吐く。
身分違いの恋――しかも同性同士なんて、明るい未来がまったく見えなかった。
だからこそバカな俺よりも、皇太子殿下を手に入れた、やり手の叔母様にお知恵を借りようと、勇んでアクセスしたら、すぐに遊びに来いとお呼ばれしたのである。
「アンドレア様、駅までお送りしますよ」
「いらない。友達がそこまで迎えに来てくれることになってる」
カールとの恋愛の相談をしに行くため、秘密裏に行動したかったが、できる執事様をあしらうのに苦労する。
「カール、リリアーネが友達のパーティに行くのに、おまえにエスコートしてほしいと言ってた。日取りを聞いて、対処してやってほしい」
「かしこまりました」
「それが終わったら、自由に過ごせ。俺みたいにハメを外しすぎて、怒られるなよ」
一応釘をさしてから、颯爽とその場を立ち去った。
「行ってらっしゃいませ」
「遅くなるから夕飯はいらない」
右手をヒラヒラ振って屋敷から遠のき、角を曲がったところで待たせてあるタクシーに乗り込む。そこから空港に向かい、飛行機を使って、叔母様がいらっしゃる南方にある宮殿に赴く。
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