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触れられる理由をちょうだい①(10)

「じゃあライン交換しましょう。QRコード出して。読み取るから」 「QRコード……? あっ、ごめん。俺、ラインやっていなくて」 「え? 本当に? 交換が嫌で嘘ついたりしてないですか?」 「本当にやっていないんだよ……!」  嘘がつけない人だと言うのはさっきまでの言動で何となく分かっていたけれど、念のためにと疑いの目を向けると、麦嶋さんは慌ててアプリ一覧を俺に見せてくれた。  ほら、ないでしょう? と、必死になる姿はやっぱり可愛いと思ってしまうものの、この人は色んな意味で危うすぎる。 「分かりました。じゃあ今、電話番号教えて」 「電話番号は……えっと……」  自分の番号くらい覚えていればいいのに、麦嶋さんはワタワタとプロフィールページを開き、番号を確認するとゆっくりと読み上げ始めた。口頭で確認しながらその番号を押し、全部言い終えたところで通話ボタンを押す。 「うわっ、電話がかかってきた……!」 「この流れだとかかってくるの分かるでしょ? 俺の番号登録してもらわなきゃいけないんだから」 「そうか……、そうだね」  何度か鳴らしたから電話を切ろうと思えば、そうだねと言ったくせに麦嶋さんは俺からの電話に出てしまった。もしもしと、目の前の彼がそう言う。ちょっと待って、素でこんなことをしてるの? 純粋じゃあない、ただのバカだろこの人。 「麦嶋さん、出なくていいですよ。電話切って、そうしたらその番号すぐに登録して」 「あ、うん……」  自分のしたことがおかしいとやっと気づいたのか、麦嶋さんは慌てて通話終了のボタンを押すと、たどたどしく何度かボタンを押し登録してくれた。 「できました?」 「うん」 「それじゃあ今度都合の良い日があれば、ご飯行きましょう」 「えっ」

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