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第1話
ここは……どこだろう……?
目隠しをされている。手は拘束され、両方の足首は鉄パイプで繋がれていた。
圭介 は首を左右に動かしてみるが、目隠しのせいで何も景色は変わらない。
足に触れる地面は固くひんやりとしていて不愉快だった。
その時、キィと扉が開く音がした。足音がゆっくり近づいてくる。圭介は緊張感を持ちながらも極力冷静にその音に耳を澄ます。
「おや、目が覚めたかい?」
それはどこか艶のある男の声。
「誰だ!」
「キングと言えばわかるかな?」
「!」
圭介はその名前に緊張感を強めた。キングと言えばここ数ヶ月にわたって男性ばかりを標的にし、誘拐しては凌辱していくらしいと噂になっていた。
しかし噂にはなるもののその詳細は不明で捕まることがなかったのだ。
キングはゆっくりと圭介の周りをコツコツと足音を立てながら歩く。
「可愛いねぇ。いいねぇ。恐怖心が伝わってくるよ」
キングは粘つくようないやらしい声を圭介の耳元に近づける。
そしてその手で静かに圭介のTシャツを撫でる。
圭介は必死に振り解こうとするが、鉄の音が虚しく響くだけ。
「その顔が恐怖から興奮に変わっていく顔を見せておくれ」
そう言うとキングは圭介から目隠しを外した。
「……蕪木 さん?!」
そうそれは圭介が密かに想いを寄せている会社の先輩だった。
「そんな……蕪木さんがキングだったなんて……」
「そう、私がキング。たっぷり楽しませてあげるよ」
そう言うと傍らのテーブルからハサミを手に取り、圭介のTシャツの裾にあてる。
「やめて……」
その声に耳を貸さず蕪木はゆっりとハサミを上へと動かしていく。
やがてハサミは首元の布まで到達しパチンという音とともにTシャツの布は真っ二つに分かれた。
圭介の汚れのないピンク色の小さな乳首が顔を出す。
蕪木はその乳首に優しく触れる。
「あっ……」
思わず声が出た圭介をニヤリと見遣った。
続けてその胸に顔を近づけ乳首を舌で撫でる。そしてカリッと歯を立てると、
「あぁっ」
と一層高い声を上げた。
やがてその手はゆっくり下へと進みズボンへと到達した。
「やめて……やめてよ蕪木さん!」
圭介は必死で声を上げるが、そこに仲の良かった先輩の顔は無かった。
蕪木はズボンの上から確かめるように真ん中を手で弄る。
だんだんと膨らむそれに満足すると、再びハサミを手に取り無言でそのズボンを切り裂いていく。
トランクスだけになった圭介を蕪木は舐るように眺めた。
そして今度は圭介の背後へと回り、トランクスへ手をかける。
「やめてよぉ……」
泣きそうな圭介の声を聞きながら蕪木は手をトランクスの中へと進める。
きつくなった中心部を弄ぶように撫で回す。
「あっ……んっ……」
圭介の口から小さく声が漏れる。
その声に耳を澄ませながら蕪木はゆっくりとハサミをトランクスに這わせた。
あっという間に露わになった圭介のものは大きくそそり立っている。
圭介は必死で足を閉じようとするが、足を繋いだ鉄パイプがそれを許さない。
蕪木は圭介の身体を鑑賞するかのように眺め、その白く薄い肌に指を這わせる。
そしてその手は大きくなった真ん中へと進み、それよりもさらに大きな蕪木の手が茎を包み込んだ。
「あ……」
少し力を入れてやっただけで圭介の口から艶のある声が漏れる。
その声に興奮したように蕪木は上下に動かしたその手を速める。
「や……やめてっ……あ……んっ……やあぁ!」
一際大きく艶やかな声を上げたかと思うと、ガクンと脱力する圭介。その冷たい床には圭介が射精した精液が乳白色に鈍く光っていた。
蕪木はそのてっぺんに溜まった液を弾くように指ですくう。
「んんっ!」
圭介の体が飛び上がる。
圭介のものはまだまだ力尽きる様子は無く、ドクドクと脈打っていた。
蕪木はそんな圭介のものの先端にそっと舌を這わせたかと思うと、一気に根元まで口に含ませた。
ズリュッという音とともに、
「はあんっ!」
と、いやらしい声が響きわたる。
蕪木は舌で転がすように舐め回す。
一頻り堪能した蕪木はテーブルの引き出しから何やら小さな瓶を取り出した。
「媚薬って知ってるかい? 因みにこれはラブジョーカーって言ってね」
ゆっくりとそう言いながら蕪木はそのねっとりとした液体を手に取ると、
「本当は薄めて肌に塗るだけでも十分なんだけど」
そう言って圭介の身体の熱い中心部分に塗りつける。
「やぁ、やめてぇ」
粘つく液体に快感が増す。
「この液体をここに塗ったらどうなるだろうね?」
そう言うと蕪木はその指でそっと後ろの蕾を撫でた。
「っ! いやっ!」
さらに大きくなる声を聞きながら、蕪木はその指を奥へと潜り込ませる。
誰も触れたことのないであろうそこはきつく締まっていたが、蕪木の力を込めた太い指は液体とともにズルリと入っていった。
「やめてっ! いたい!」
クチュ クチュ
圭介の声など聞く耳を持たず、蕪木は指を動かし続ける。やがて、
「っ……ふぁっ……あぁっ……」
その声は色を変え、切なくいやらしい声へと変化していく。
そんな声の変化を見逃さない蕪木は圭介の手足の拘束を解いた。
ぺたりと床に倒れ込む圭介。
その姿を蕪木は机に腰掛けながら見つめる。
少しの間じっとしていた圭介は、突然ビクッと身体を震わせた。
自分の中で何かが起こっている。
「やあっ……何?! なんかへんだよぉ……中が……中が……」
そしてやがてその感覚ははっきりとしたものになっていき、
「え……なにこれ……中でなんか動いてる?! やっ、やだ! やだぁ!」
ジタバタともがいていた圭介は蕪木の元へ這って行くと、必死にその足にしがみ付いた。
「お願い! 取って! 取ってよぉ!」
暫くその姿を上から眺めていた蕪木は、仕方ないなぁとばかりに笑みを浮かべて立ち上がると圭介の華奢な身体をひょいと持ち上げ机に寝かせた。
この媚薬は特別なもの。塗ったところに虫が蠢いているような感覚を起こすのだ。
蕪木は自分のズボンを下ろし圭介の足を開くと、ひくつく蕾に自分の太く脈打つそれを押し付けた。
一瞬にして何をされるか察した圭介は逃げようと必死でもがくが、がっしりとしたその腕からは逃れられない。
ズブズブと自分の中に入ってくる感覚に身体をのけ反らせる。
「いたいっ! いたいよぉ! やめて!」
奥まで入ったところで蕪木が不意に動きを止めた。
そっと圭介の髪を撫でる。
急に優しく撫でられたことに驚いた圭介が顔を上げると、
「怖い思いさせて悪かったな。すぐに楽にしてやるから」
そう優しい顔で言われ、いつもの先輩の顔に圭介がふっと力を抜いたところで蕪木はグッと力を入れ前後に腰を動かす。
「いっ……あっ! あぁっ! あん……んんっ……んふぅ……あ……」
悲鳴がやがて甘い喘ぎ声へと変化し、いつの間にか圭介は蕪木の背に強く抱きついていた。
二人の汗が混ざり合い、体液がクチュクチュといやらしい音を立てて絡み合う。
ピンポイントにGスポットを突かれた圭介は、
「あああぁん」
と高い声を上げて果て、締め付けられた蕪木も、
「うっ」
と低く声を上げて圭介の中に果てた。
「ごめんな」
疲れて眠る圭介を見つめる。
蕪木はもうずっと前から圭介に想いを寄せていた。
だが許される恋ではないと思ってしまっていた蕪木は、他の人を誘拐し犯すことで発散させてきた。
それでも気持ちはおさまることはなく、ついに圭介を誘拐してしまったのだ。
「ごめん」
もう一度囁くと、そっと髪を撫でその場を去ろうとした。
その時、
「蕪木さん! お願い行かないで!」
振り返った蕪木に圭介が囁いた。
「もっと、して」
媚薬の効き目が切れていないのだろうか……?
蕪木が戸惑っていると、圭介が続けた。
「ずっと、ずっと蕪木さんのこと好きだったんだ」
圭介は自分より大きな蕪木の胸に抱きついた。
出来る限りの力と想いを込めて。
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