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第164話 バーベキュー

 ロジとたくさん食材を準備して、日曜日になった。 「こんにちは。こんなに用意してもらって、なんか楽しい集まりになって嬉しいです。今日はご報告があります。」  千賀子さんがピカピカの同人誌を抱えてやって来た。いつもの[白薔薇]の5人のメンバーも一緒だ。 「わぁ!写真綺麗だね。僕とロジがかっこいい。 あ、ハジメとタカもイケてる。 こっちも凄い!小鉄とジョーちゃん。お化粧してると別人だ。ドラァグ・クィーンって凄い!」 「面白い写真ができたでしょ。」 この同人誌がクチコミで大評判で増刷を重ねている。同人誌にはあり得ないような大増刷なんだそうだ。  写真の3カプが本当にゲイカップルなのか?と言うのが大評判の理由らしい。まだまだ世間は保守的なのだ。 「それで私たち、もっと写真集を出したいと、今日はお願いに来たんです。」 「それは・・どうかな。 君たちはSNSをチェックしてるんだろう? 酷い書き込みが多いんじゃないのかな?」 ロジの言葉にミトが 「僕、もう顔とか出したくないんだ。 お菓子の箱にまで、僕が写ってるんだよ。」 「ああ、見ました。私の友達なんか、コンビニに置いてあるチョコレート、買い占めちゃって、箱を飾ってますよ。」 「私も、ミトとタカのキスしてるマグカップ、買っちゃいました。尊くて使えません!」 みんな賑やかに披露してくれた。なんかくすぐったい。ハジメが笑って言った。 「俺のタカがかっこいいのはわかってるけど、安売りはしたくないなぁ、」 「きゃー、俺の、って言うの、素敵。」

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