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第172話 撮影解禁
「撮らないで!」
千賀子さんがハラハラしながら言った。ミトが嫌がってると思い心配なのだ。ミトは
「千賀子さんごめんなさい。僕のわがまま。
僕、そんなにイヤじゃないです。
ロジと一緒なら大丈夫な気がする。」
みんなの顔がパッと輝いて
「ミトちゃんも撮っていいなら、もっと撮らせてもらおう。アキラ、スチールもたくさん撮ろう。」
「プリントしてから取捨選択すれば良いね。」
海辺での撮影は、タカとハジメ、ミトとロジの2カプで撮ることになった。
ロジの首に抱きついてキスをもらうミトの可愛さと、タカを胸に抱いて離さないハジメと、4人というのもなかなか楽しい。それぞれに手を繋いで歩きながら、ちょっと立ち止まって、ミトとタカが触れるようなキスをした。繋いだ手は離さない。ロジが戻って来たミトの頭を撫でている。ハジメはタカを胸に抱き込む。
仲の良さが溢れている。
「いい写真が撮れたと思います。次は、帰って家の中で撮りましょう。」
みんな足の砂を落として、帰り支度だ。
「ここは家から近くていいですね。」
「向こうは太平洋だけで、何も遮るものがないから気持ちいい!」
みんなワイワイ言いながら帰って来た。
「ミトちゃんの写真も、使っていいのかな?」
ロジがミトを見て
「どうだ?またたくさん出まわったらイヤか?」
「ううん、今日はタカとハジメが一緒だったから楽しかった。僕は商品のパッケージに使われるのがイヤなんだ。捨てられてみんなに踏みつけられてるのを見たくないよ。」
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