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第6話
簡素な着替えを手に浴室のある洗面所へ向かう。洗面所は階段を降りて右側の扉。
「こっちやで……──っとぉ!?」
「太栄さ……!!」
腰がガクついて足下がおぼつかず、転びそうになってしまったところを佑哉が咄嗟の判断力で庇ってくれた。
「ぉ、おう。すまんな佑哉……──」
片手で抱き抱えられた俺の目の前には佑哉の整った顔があって。
顔があって。
顔が……近い……。
「太栄さん、顔真っ赤ですね。──可愛い…」
「そ、そか!ほな階段降りよか!!」
「ふふ。腰押さえてますから、気をつけて下さいね」
「ぉう……」
腰におかれた手がくすぐったいだなんて、言えるはずもなく。
佑哉に触られたトコがジンジンする。
なんや俺、ヘンタイになってしもたんか?
恥ずかしくて、恥ずかしくて。
そんな俺に気付いてほしくなくて、足早に目的地に着きたいのに。
微弱に痙攣する脚が言うことを聞いてくれない。
「あんだけヤりゃぁ、脚もそうなりますよね」
「おぅ、ぅ…」
消えてしまいたい。
消えちゃいたいくらい恥ずかしいのに。
佑哉に触られてる箇所がジンジンする。
洗面所が……──遠い。
「ここですか?」
佑哉の声でハッとする。
目の前には洗面所の扉があって。
「せ…せやっ!ここやねん!よう分かったな佑哉」
「そりゃ。如何にもって感じの内装だったので。洗濯機あるし」
「あ。……そか。ま、まあ風呂や風呂!風呂入んで!」
「それなんですけど」
「ん?どした?」
「お湯は?」
「────あ」
俺としたことが……。
お湯の電源と設定を台所でしなければならないのをすっかり忘れていた。
「設定パネルってどこにあります?」
「だ、台所……」
「台所──……ああ、多分向かい側の扉ですね。ぬるま湯程度に設定してきますね」
「お、おぅ。すまんなぁ」
「太栄さんはここにいて下さいね」
俺から離れた佑哉は台所へ向かっていった。
こんな時でも気遣いの男やなぁ。
しばらくして。
「太栄さん、設定してきましたよ」
「…おう」
「元気ないですね?どうかしました?」
「いや、こういう時にまでお前の世話になるとは思いもよらんかってん…」
「そんな事ですか?太栄さんが肝心なトコ抜けてるのは周知の事実ですから今更気にしないで下さいよ」
「お?…ぉ、おぅ……??」
なんかいま。
サラッとすごい事言われたような??
「ほら!太栄さん、脱ぎますよ!早く掻き出さないと!」
「お、おぅ。せやな……」
もう掻き出されちゃうのかぁ。
バイバイ、佑哉の精子。
「って、その脚じゃまだ自立できそうにもないですね……俺が脱がしますから、肩に手置いてて下さい」
「うん……」
ばいばい。……俺の佑哉。
そんな俺の気持ちとは裏腹に、佑哉はテキパキと俺の服を脱がせていく。
そして佑哉自身もテキパキと服を脱いで素っ裸になっていた。
意外と着痩せするんやな。
「ぁ、パンツに精液垂れちゃってますね。すいません、俺のせいで」
「えぇよえぇよ!洗えば済む事やしなっ」
──あとで、匂い嗅いどこ。
脱衣所から浴室へ。
「太栄さんは壁に手を付いて立ってて下さいね」
「おん…、なあ、お前なんでそないに慣れとんのん?」
シャワーの音。
「そりゃぁ──────からですよ」
「へ?」
シャワーの音で肝心なトコ聞き取れへんかった。
「じゃあ太栄さん。少しお尻を突き出すような体勢で……そうそう、そのままでいて下さいね?」
佑哉に言われた通り、お尻を突き出したような恥ずかしい体勢を維持する。
「触りますよ」
「うん……──ッッあ…っ」
肛門の入り口をお湯が入りやすいように押し広げられる。
恥ずかしい……。
「お湯、当てますよ」
「ん……」
生暖かいお湯が少しずつ俺の肌をかすめていく。
「ん。湯加減良さそうですね。んじゃ、いきますよ」
「うん……」
ジョボボボと音を立てて、尻の中にお湯が少しずつだが入ってくるのが分かる。
なんつーか、浣腸されてる感じ?
「太栄さん、気分悪かったら言って下さいね?」
「あ、うん。今んとこ平気やよ?」
「ならよかった。じゃぁ……指、入れますね?」
は?
え、なんで指……??
ぬぷ。
ぬぷぷ。
「ふぁあァァ……ッ」
突然の快楽の素に、膝が崩れそうになる。
「ダメですよ。ちゃんと立ってて下さいね」
そないなこと言われたかて。
こんなん無理やろ!!
佑哉の指は気にもせずズンズンと俺のナカを進んでいく。
そして。
指を折り曲げて、上壁を擦るような動作をした。
「あぁァァん!や、ぁ、佑哉、何して……!?」
「ナカの精液を掻き出してるんですよ」
そんなん分かっとる!!
分かっとるけど……ッッ!!
「ふああ…んっ!ひぃ…うんッ」
キモチイイのなんて聞いてないィィ!!
「あ。ちゃんと掻き出されてますよ。…よかった……」
佑哉……。
佑哉は俺の身体の事を気遣ってしてくれてるのにぃぃッッ!
身体が勝手に反応しちゃう。
あ、ソコやや、また掻かれたら俺ェェ……ッッ!
ゾクゾクゾクッッ!!
「あっ!あはあァァん!や、ややソコ掻かれたらあぁァァ!っひぃィィ!ひあぁァァややぁ!またイクうぅぅゥゥゥゥ〜〜ッッッんっっ!!」
ショワアアァァァ……。
やや、俺。
佑哉の前でシッコ漏らしてもうたぁぁ……。
「ホントに感じやすいですね太栄さん。可愛いですよ」
「うぅ…」
「もうちょっとなんで我慢して下さいね」
「う、うん…──あっん」
「お湯足しますね」
「ん……ッッ」
気持ちよすぎて俺どうかなってまう……。
ジュププ…ジョボ……。
あ。
さっきよりお湯が奥まで入って来てる気がする。
お湯が奥まで。
……入ってる。
「うん、こんなもんかな」
「え…っ?まだお湯入って……」
「ええ、なので。そのままでいて下さいね」
は??
「んで、ちょっとだけ腰上げてもらっていいですか?」
「??……こ、こう??」
言われた通りに腰を高くする。
ナカのお湯がタプンと音を立てて移動した。
「うん。そのままで、十秒くらいいて下さいね」
「うん…?」
言われるがまま。
「ちょっと奥の方まで指入れますね」
また指…!?
「ひうぅぅゥゥ……ンン」
ぐぽ。
「ふあぁ…ぁぁ…」
佑哉の長くて太い指が。
「と言っても指じゃコレが限界ですね」
指じゃ入んないトコ……?
「ねぇ佑哉ぁ…」
「なんです?」
「俺、佑哉のチンコ挿れて欲しい!…佑哉のチンコでナカの掻き出してぇ……ッ!」
「……はあぁぁぁ〜〜……」
後ろからでっかいため息が聴こえた。
やば。
流石に引かれた?
嫌われた??
俺、佑哉に嫌われたん??
せっかく好き同士になれたのに??
嘘やん。
やばい。
涙が──……。
「だから、そう言うのは反則だって言ったでしょ?」
後ろから温かい感触に包まれる。
あ、これ。佑哉だ。
佑哉に後ろからハグされてる。
あったかい。
心地いい。
佑哉の心臓の音が聴こえる。
「太栄さん」
声のする方を向くとそのままキスされる。
「んっふ…ぁ、んぅ、んンン……」
口の中キモチイイ。
ジンジンする。
頭がボーッとして。
気持ちよくて。
気持ちいいまま、俺の身体は右太ももを持ち上げられて。
ナカに入ったお湯が出ようとするさまを栓でで塞ぐかのように、佑哉のモノが押し入って来た。
痺れるような感覚が上からも下からも続いてて、快楽でどうにかなりそうで。
──ゾクゾクが止まらない。
キスされたまま下からお湯を押し上げる佑哉のモノに突かれ続けて頭がグルグルする。
なにこれ。
俺。どうかなってまう。
佑哉の、すっごく硬くてキモチイイ。
もっと、もっと奥までキてぇぇ……?
あっ。
あっ。
俺、またイッちゃう……。
「んふぁ、あっふぁ…ゆ、やぁ、あっん…ん…んや、やんん!んふんンンんんンンンン〜〜〜〜ッッッ!!」
キスされたまま突かれまくって呆気なく俺はイッた。
でも佑哉の猛攻は止まらなくて。
「やぁ!ゆうやぁ!俺イッたばっかやから…あん!あぅ!ああァァん!イイ!ああん佑哉凄いよおォォ……!!」
キモチイイ。
キモチイイ。
キモチイ。
キモチイ。
イイ。
イイ。
イイ。
イイのぉ……ッ
ヤバい俺。全身痙攣してる。
何コレ。
俺、もう、ワケ分かんない……。
蕩けそう。
佑哉の熱に溶かされて溶けちゃってる。
「ゆぅや、佑哉ぁ、ゆ、や、ぁ……っん」
「太栄さん、俺もう……ッ!!」
「アッアッアッ俺もまたイク、イクのイクイク、イッちゃうからあァァァ……ッッ!」
ずっと痙攣してるから、いつイッてるのかが分かんなくて。
多分。
ずっとイッてる。
イキ続けてる。
「太栄、さ…んッ!!」
ズルッと勢いよく佑哉のモノがナカから抜かれて。
「ふあ…ぁん…っ」
俺はその感覚ですら快感でしかなくて。
ずっとイキ続けてて。
俺の背中には。
佑哉の精液が、盛大にブチ撒けられていた。
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